高信頼化の方式
業務運用中のサーバに対して、同様の環境を備えたサーバを待機として準備し、業務運用中のサーバが故障時に待機していたサーバで業務を引き継ぎます。
高信頼化の目的
システム全体を堅牢化したい。
特徴
サーバマシン異常以外にシステムループやInterstageダウンなどの監視が可能で、システム全体の高信頼化を行うことができます。ただし、クラスタシステムの環境が必要になるため、通常よりも設備費が多くかかります。
業務復旧までの時間
クラスタサービス機能を利用しない場合、システムに何らかの異常(ハードウェアの故障など)が発生した場合、一般的には業務復旧まで2~3時間ほどの時間が必要ですが、クラスタサービス機能を利用した場合、およそ以下の時間で業務を復旧することができます。
約2~5分
約10~15分
約10~15分
注意
業務復旧までの時間は、クラスタサービス機能に対する設計内容に依存します。このため、業務復旧までの正確な時間を確認する場合には実機での確認を行ってください。
運用方法
クラスタサービス機能を使用する場合、クラスタシステムが必要です。クラスタシステムとは、システムを構成するノードを監視して、異常を検出すると他のノードに引き継ぐ仕組みを提供するシステムです。クラスタサービス機能では、クラスタシステムの機能を利用し、高信頼化システムを構築します。
システム構成設計
クラスタサービス機能を利用した高信頼化システムを構築する場合、以下の設計を行います。
クラスタサービス機能を使用する場合、利用できるクラスタシステムは以下のとおりです。
WSFCだけ使用可能です。
PRIMECLUSTERだけ使用可能です。
1:1運用待機のみ使用可能です。
DBMS製品を使用する場合は、クラスタシステムに対応したDBMS製品を選択します。
以下に組み合わせを示します。
使用クラスタ製品 | PRIMECLUSTER | WSFC |
---|---|---|
クラスタ形態 | 1:1運用待機 | 1:1運用待機 |
使用DBMS | クラスタシステムに対応したDBMS製品 |
注意
ノード名引き継ぎ(PRIMECLUSTERの機能)は使用できませんので注意してください。
必須製品
使用するクラスタシステム製品と、クラスタシステム製品が必要とする製品
クラスタシステムについては、「第4章 クラスタサービス機能」を参照してください。
クラスタシステムに対応したDBMS製品
パターン1 (PRIMECLUSTER +1:1運用待機 + DBMS)の構成図
以下に、使用クラスタシステムに当社クラスタ製品であるPRIMECLUSTERの1:1 運用待機、DBMSを組み合わせた場合を示します。
データベース資源を共用ディスクに設定することにより、切り替え時にデータの引き継ぎを行います。ネーミングサービス、インタフェースリポジトリはローカルディスクに設定します。
パターン2 (WSFC + 1:1運用待機 + DBMS)の構成図
以下に、使用クラスタシステムにMicrosoft Corporationのクラスタ製品であるWSFCと、DBMSとを組み合わせた場合の、クラスタサービス機能について説明します。
データベース資源を共用ディスクに設定することにより、切り替え時にデータの引き継ぎを行います。ネーミングサービス、インタフェースリポジトリはローカルディスクに設定します。