Pgpool-IIは、データベースサーバとデータベースクライアントの間に位置し、接続を中継するソフトウェアです。
ストリーミングレプリケーション使用時のフェイルオーバ機能、コネクションプーリング機能、およびロードバランス機能があります。
Pgpool-IIは、サーバプログラムに同梱されています。ご利用の際には、サーバプログラムをインストールし、Pgpool-IIをセットアップしてください。
Pgpool-IIはデータベースサーバとは異なるサーバにインストールして使用します。FUJITSU Enterprise Postgres利用時の推奨構成については、“Pgpool-II利用時のシステム構成”を参照してください。
また、動作環境については、“動作環境”を参照してください。
フェイルオーバ機能
PostgreSQLでは同期ストリーミングレプリケーションを利用してデータベースを冗長化(高可用システムを構築)することができます。
同期ストリーミングレプリケーション利用時に、プライマリサーバまたはスタンバイサーバのいずれかのデータベースサーバがダウンしたり、アクセスできなくなったりすると、業務が停止します。
フェイルオーバ機能は各データベースの状態を監視し、異常時には自動的にサーバを切り離します。このため残ったサーバで業務を継続することができます。
コネクションプーリング機能
データベースサーバへ確立された接続(コネクション)を維持(プーリング)し、ユーザー名、データベース、プロトコルバージョンのプロパティが同一の新規のコネクションが到着するたびに再利用する機能です。
データベースサーバへの接続のオーバヘッドを軽減でき、システム全体のスループットが改善します。
ロードバランス機能
ロードバランス(負荷分散)機能は、参照クエリを複数のデータベースサーバに分散させ、システム全体のスループットを改善する機能です。
FUJITSU Enterprise Postgresのデータベース多重化機能、またはPostgreSQLのストリーミングレプリケーション機能とを組み合わせて使用することで、データベースサーバの負荷を軽減します。
Pgpool-II利用時のシステム構成
Pgpool-IIのフェイルオ―バ機能、コネクションプーリング機能、およびロードバランス機能は、データベースサーバとは異なるサーバ(Pgpool-IIサーバ)にインストールして使用します。
Pgpool-IIの各機能を利用するには、サーバプログラムをインストールし、Pgpool-IIをセットアップしてください。
Pgpool-IIサーバは1台でも運用することができますが、FUJITSU Enterprise Postgresでは、業務継続性の観点から、Pgpool-IIサーバを3台構成で運用することをお勧めします。
3台以上の構成を採る場合は奇数台で構成してください。
Pgpool-IIはアプリケーションサーバにインストールして使用することもできます。
*1: スプリットブレインとは、冗長化したPgpool-IIサーバ間のネットワーク障害により、同一システム系内にアクティブなPgpool-IIサーバが複数存在する状態になることです。このとき複数のPgpool-IIサーバから整合の取れていないリクエストがデータベースサーバに送信され、データの破損や障害につながる恐れがあります。
動作環境
Pgpool-IIのフェイルオーバ機能、コネクションプーリング機能、およびロードバランス機能を使用するためには、以下に示す基本ソフトウェアのいずれかが必要です。
RHEL6.5(Intel64)以降
RHEL7.2以降
SLES 12 SP2以降