ここでは、Disaster Recoveryの切替えを行うために、運用中に実施する作業について説明します。
各種リソースの作成時、リソース名の命名などに制約があります。
詳細は、以下を参照してください。
以下の表に記載された操作を実施した場合、対応する参照先を確認して定義情報を更新してください。
なお、切替え範囲を限定しない場合、サイト上に存在するすべてのリソースが切替え対象になります。
操作 | 参照先 |
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IPアドレスやログインパスワードの変更など |
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使用するストレージのIPアドレスや、レプリケーションソフトの変更など |
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L-Platformの配備などのリソース構成情報が更新される操作を行った場合や、RORマネージャーに障害修正パッチを適用した場合、下記の手順でDisaster Recoveryの切替えを行うための情報採取を行ってください。この情報採取は定期的に実行して最新の情報を採取するようにしてください。
切替え元サイトの各種情報のエクスポート
切替え元サイトに障害が発生した場合に備え、システム環境が構築できた場合、以下に説明する各種情報をエクスポートします。この情報は、設定を行うことで自動的に採取できます。自動採取する設定については、「3.7 切替え情報を自動採取する設定」を参照してください。
以下のどちらかの運用とすることをお勧めします。
以下のコマンドを実行することで、採取できます。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxmgrexport<RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxmgrexport <RETURN> |
参考
以下の設定ファイルは、rcxmgrexportコマンドを実行することによって採取されます。切替え手順において、切替え先サイトの設定ファイルを切替え元サイトと同じ内容に変更する際に参照できます。
これらの設定ファイルは、以下の切替え情報格納フォルダーに出力されます。
【Windowsマネージャー】
切替え情報格納フォルダー\ManagerExport\CONFIG_FILEエクスポート日付
【Linuxマネージャー】
切替え情報格納ディレクトリ/ManagerExport/CONFIG_FILEエクスポート日付
切替え情報格納フォルダーについては、「3.2 切替え情報格納フォルダーの作成」を参照してください。
rcxmgrexportコマンドについては、「B.1 rcxmgrexport」を参照してください。
管理対象ネットワークデバイスの構成を変更したときにエクスポートし、最新のシステム情報を保管してください。
以下のコマンドを実行することで、採取できます。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm netconfig export -file切替え情報格納フォルダー\OtherBackupfiles\networkconfiginfo.xml <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm netconfig export -file 切替え情報格納フォルダー/OtherBackupfiles/networkconfiginfo.xml <RETURN> |
-fileオプションの引数に指定する出力先のXMLファイルは、切替え情報格納フォルダー\OtherBackupFiles配下に配置されるよう指定してください。
rcxadm netconfigコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.7 rcxadm netconfig」を参照してください。
注意
これにより、切替え元サイトの最新の利用料金情報を採取できます。
サーバ仮想化ソフトウェアとしてVMwareを使用している場合、rcxmgrexportの実行に関して以下の注意事項があります。
本手順は、切替え範囲の限定を設定している場合に行ってください。
rcxmgrexport実行後、以下のコマンドを実行して切替え対象範囲が適切であることを確認します。
rcxmgrexport -drlist : 切替え対象リソースの一覧を表示します。 rcxmgrexport -drlist -error : DR対象のストレージと、DR対象外のストレージを両方使用しているため、切替えが出来ないリソースの一覧を表示します。 |
例
> rcxmgrexport -drlist TYPE NAME ---- ---- L-Server /tenant_1/l-server_1 Image /image_1 Image /image_2 > rcxmgrexport -drlist -error TYPE NAME ---- ---- L-Server /tenant_1/l-server_1
rcxmgrexportコマンドについては「B.1 rcxmgrexport」を参照してください。
表示された切替え対象が適切でない場合、切替え範囲限定の設定が適切に実施されていることを確認してください。切替え範囲限定の設定については、「3.5 切替え範囲を限定するための設定」を参照してください。
ストレージ装置のレプリケーションにおける、切替え元サイトと切替え先サイトのLUNの対応関係が記載されたレプリケーション定義ファイルを作成します。
「3.7 切替え情報を自動採取する設定」を実施した場合、自動的に情報が採取されるため、本操作は不要です。
LUNの対応関係を記載するレプリケーション定義ファイルを作成します。
ETERNUSのダイナミックLUNミラーリングを使用する場合、L-Platformの配備/解約、ディスクの増設/削減でレプリケーションを行うLUNが変化するので、rcxrepdefコマンドでレプリケーション定義ファイルを作成します。
また、事前に作成されたLUNを使用する場合、ストレージ管理製品によりレプリケ―ション定義を作成/変更/削除した際にrcxrepdefコマンドでレプリケーション定義ファイルを作成します。
なお、L-Serverに接続されているLUNそのものがレプリケーションされない構成(例: L-Serverに接続されているLUNがOPC(One Point Copy)などで別のLUNにコピーされ、そのLUNがレプリケーションされる構成)の場合、rcxrepdefコマンドは使用できません。レプリケーション定義ファイルは手動で作成してください。
レプリケーション定義ファイルについては、「運用ガイド CE」の「18.1.3 ストレージ筺体の高可用性」の「レプリケーション定義ファイル」を参照してください。
例
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxrepdef ccm -local 192.168.0.X -remote 192.168.0.Y -file file1 <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxrepdef ccm -local 192.168.0.X -remote 192.168.0.Y -file file1 <RETURN> |
レプリケーション定義ファイルを作成後、このファイルを指定して、インポートの際に切替え先サイトの資源にLUNをマッピングするためのファイルを作成します。
このファイルの作成には、rcxstorageコマンドの-recoveryオプションと-modeオプション、および-outfileオプションを指定して実行します。-modeオプションにはprepareを、-outfileオプションには、切替え情報格納フォルダー\storage_fileを指定してください。
切替え情報格納フォルダーについては、「3.2 切替え情報格納フォルダーの作成」を参照してください。
例
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxstorage -recovery -mode prepare -file file1 -outfile D:\Export\storage_file <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxstorage -recovery -mode prepare -file file1 -outfile /DRExport/Export/storage_file <RETURN> |
レプリケーション定義ファイルについては、「運用ガイド CE」の「18.1.3 ストレージ筺体の高可用性」の「レプリケーション定義ファイル」を参照してください。
rcxrepdefコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.22 rcxrepdef」を参照してください。
rcxstorageコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.23 rcxstorage」を参照してください。
シングルサインオン認証の場合は、ディレクトリサービスの情報を退避します。ユーザーの登録、変更および削除などの操作を実施した場合、最新の状態を退避してください。退避手順は、ディレクトリサービス製品のマニュアルを参照してください。
物理/仮想L-Server切替え(VMホスト/VMゲスト)方式でVM管理製品を物理L-Server上に構築しない場合、切替え時にVM管理製品の情報を復旧する必要があります。このため、VM管理製品の情報をバックアップしてください。VM管理製品の情報のバックアップ・リストア方法は、各VM管理製品のマニュアルを参照してください。なお、このVM管理製品の情報は、仮想L-Serverを搭載するL-Platformの作成、変更および削除などの契機で採取する必要があります。
ファイアーウォールのコンフィグのバックアップ
ネットワークデバイスヘの自動設定機能を使用してファイアーウォールの自動設定をしている場合、ネットワーク機器のコンフィグバックアップコマンドや管理ソフトウェアのコンフィグバックアップ機能を利用し、以下のように運用することをお勧めします。
ファイアーウォールの自動設定を行ったあとに自動的にコンフィグをバックアップし、最新コンフィグを採取する。
本機能を有効にするには、「設計ガイド CE」の「9.4.8.2ネットワーク機器設定ファイル管理機能を使用する場合」を参照し、必要な設定を行ってください。
また、ネットワークデバイスヘの自動設定機能については、「設計ガイドCE」の「2.2.7.4 ネットワークデバイスへの自動設定」を参照してください。
定期的にファイアーウォールのコンフィグをバックアップする。
定期的にファイアーウォールのコンフィグをバックアップする場合、rcxmgrexportコマンドにおける-eventオプションがoffであることが前提です。
rcxmgrexportコマンドによる各種情報のエクスポートを実施した直後に採取し、ネットワーク機器コンフィグファイルをバックアップするタイミングを合わせてください。
ネットワーク機器コンフィグファイルのバックアップは、rcxadmnetdevice cfbackupコマンドで行います。
rcxadm netdeviceコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編)CE」の「3.8 rcxadmnetdevice」を参照してください。
なお、ネットワークデバイスヘの自動設定機能を使用しない場合、手順b.での運用をお勧めします。
基本ロールから複製されたロールは、サイト間で同一名のものを作成しないでください。
基本ロール、および、DR切替えによって復旧されるロールは、一方のサイトで変更を行った場合、もう一方のサイトでも同じ変更を行ってください。
ロールのカスタマイズについては、「設計ガイド CE」の「5.1.3 ロールのカスタマイズ」を参照してください。
切替え情報格納フォルダーを手動でコピーする運用の場合、切替え情報格納フォルダーを切替え先サイトの本製品のマネージャーに転送してください。
転送の契機は、構成変更時に行うか、または定期的に転送するようにしてください。
転送先は、「3.3 マネージャーのインストールおよび設定」においてDR定義ファイル(fa_dr.rcxprop)の#rcxrecovery_defineで指定したフォルダーです。
例
【Windowsマネージャー】
切替え元サイトの本製品マネージャーのD:\Export配下のフォルダーを、切替え先サイトの本製品マネージャーのE:\Exportフォルダー配下に転送してください。
【Linuxマネージャー】
切替え元サイトの本製品マネージャーの/DRExport/Export配下のディレクトリを、切替え先サイトの本製品マネージャーの/DRImport/Exportディレクトリ配下に転送してください。
構築されたDisaster Recovery環境に設定漏れがないかを確認するために、以下の手順でDR設定チェックツールによるチェックを行ってください。
参考
DR環境構築後、またはネットワークリソースの追加やL-Platformの配備などでリソースの構成に変更が発生した場合、DR設定チェックツールの再実行をお勧めします。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxdrcheck -mode prepare <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxdrcheck -mode prepare <RETURN> |
コマンドを実行した結果が、DR設定チェックツールの定義ファイルの"rcxdrcheck_prepare_define"で指定されたフォルダーに格納されます。
詳細については、「B.6 rcxdrcheck」を参照してください。
注意
DR設定チェックツール用の情報を収集するコマンドを実行する前に、DR設定チェックツールの定義ファイルの"rcxdrcheck_prepare_define"に指定されたフォルダーが空であることを確認してください。
収集された切替先サイトのDR設定チェックツール用の情報を、切替え元サイトにコピーしてください。コピーした内容をDR設定チェックツールの定義ファイルの"rcxdrcheck_check_define"で指定されたフォルダーに格納してください。
詳細については、「B.6 rcxdrcheck」を参照してください。
以下のコマンドを切替え元サイトで実行し、DR設定チェックツールを実行します。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxdrcheck -mode check <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxdrcheck -mode check <RETURN> |
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxdrcheck -mode check -tenant tenant1,tenant2 <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxdrcheck -mode check -tenant tenant1,tenant2 <RETURN> |
詳細については、「B.6 rcxdrcheck」を参照してください。
DR設定チェックツールの定義ファイルにDR_switchover_methodの設定が行われていない場合、以下の問合せのメッセージが出力されます。
Please select the DR switchover method. <DR Switchover Method> 1:Physical L-Server switchover 2:Physical/Virtual L-Server switchover 3:Virtual L-Server switchover 4:both Physical L-Server switchover and Physical/Virtual L-Server switchover 5:both Physical L-Server switchover and Virtual L-Server switchover => |
使用する切替え方式に対応する数字を入力して、コマンドを継続させてください。
DR設定チェックツールの定義ファイルにDR_operation_methodの設定が行われていない場合、以下の問合せのメッセージが出力されます。
Please select the type of DR operation method. <DR Operation Method> 1:Active-Active 2:Active-Standby => |
使用するDR切替え運用方式に対応する数字を入力して、コマンドを継続させてください。
【Windowsマネージャー】
%temp%drcheckresult-YYYY-MM-DD-hhmmss.txtに格納されます。YYYY-MM-DD-hhmmssは全チェック項目の完了日時を表します。
確認結果は、自動的にテキストエディターで表示されます。
【Linuxマネージャー】
確認結果は標準出力に出力されます。
"ERROR"と判定されたチェック項目が存在する場合、エラーの原因を取り除いてください。そのあと、DR設定チェックツールを再度実行し、チェック結果の"ERROR"項目がなくなるまで、その手順を繰り返してください。
"WARNING"と判定されたチェック項目が存在する場合、内容を確認し、必要に応じて"WARNING"の原因を取り除いてください。
詳細は、「C.3 rcxdrcheckのエラーメッセージ」を参照してください。
追加復旧が予定されている場合、切替え情報格納フォルダー配下のすべての情報を、追加復旧情報格納フォルダーにコピーしてください。ただし、切替え情報格納フォルダー配下のImageフォルダー、およびImageフォルダーに格納された物理サーバのイメージについては、追加復旧情報格納フォルダーにコピーする必要はありません。
なお、VMプール定義ファイル(vm_pool.csv)と、MAPフォルダー配下の物理サーバ名・VM管理製品名のマッピング定義ファイルについては、切替え先サイトの情報が記載されている箇所を切替え元サイトの情報に修正して下さい。
追加復旧情報格納フォルダー配下には、追加復旧対象となるリソース(切替え範囲限定機能により縮退するリソース)を含んだ構成情報を配置してください。
切替え情報格納フォルダーについては、「3.2 切替え情報格納フォルダーの作成」を参照してください。
追加復旧については、「2.4 切替え範囲の限定と追加復旧」を参照してください。
追加復旧情報格納フォルダーの指定方法については、「3.3 マネージャーのインストールおよび設定」を参照してください。