GDS のクラスなどのオブジェクトを作成したシステムにおいて、OS の再インストールからシステムを構築しなおす場合でも、「9.3 ボリューム、グループ、クラスの削除」および「9.4 システムディスクミラーリングの解除【EFI】」の説明に従って、GDS の設定を削除する必要があります。
GDSの設定を削除せずにOSを再インストールしてしまった場合は、以下の復旧手順を実施してください。
復旧手順
1) システムディスクのミラーリングを解除せずにOSを再インストールした場合、ルートクラスの情報を削除します。
再インストールした OS が RHEL6 以降の場合、この手順を実施せずに GDS をインストールすると、GDS の起動に 10 分程度の時間がかかることがあります。このため、再インストールした OS が RHEL6 の場合は、システム起動に時間がかかります。RHEL7 の場合は、クラスのリソースが登録されているクラスタアプリケーションの起動に時間がかかります。
1-1) EFI環境変数に設定されている構成データベースの情報を削除します。
再インストールする前のOSがRHEL6(Intel64) または RHEL7(Intel64) の場合
# cd /sys/firmware/efi/vars/ # cat sysvol-db2-*/raw_var > del_var # cat sysvol-db2-*/data => 何も出力されないことを確認してください。
再インストールする前のOSがRHEL4(IPF)またはRHEL5(IPF)の場合
# cd /sys/firmware/efi/vars/ # cat sysvol-db-*/raw_var > del_var # cat sysvol-db-*/data => 何も出力されないことを確認してください。
1-2) EFIブートマネージャーのブートオプションから、SDXディスクの項目を削除します。
1-2-1) 現在の EFIブートマネージャーの設定を確認します。
# efibootmgr
BootCurrent: 0000
Timeout: 5 seconds
BootOrder: 0001,0002,0000
Boot0000* sda
Boot0001* RootDisk1
Boot0002* RootDisk2
この例では、項番0001のRootDisk1と、項番0002のRootDisk2がSDXディスクの項目です。
1-2-2) ブートオプションから SDXディスクの項目を削除します。
# efibootmgr -B -b 0001 BootCurrent: 0000 Timeout: 5 seconds BootOrder: 0002,0000 Boot0000* sda Boot0002* RootDisk2 # efibootmgr -B -b 0002 BootCurrent: 0000 Timeout: 5 seconds BootOrder: 0000 Boot0000* sda
1-3) ルートクラスに登録されていたディスクの占有スライスを削除します。
例として、OS を再インストールする前に、ルートクラスに物理ディスク sda、sdb が登録されており、物理スライス sda8、sdb8 が占有スライスの場合の手順を説明します。
1-3-1) partedコマンドを起動します。
# parted /dev/sda
参照
partedコマンドの詳細については、parted(8)のマニュアルを参照してください。
1-3-2) printサブコマンドを使用し、パーティション構成を表示します。
(parted) print
Disk geometry for /dev/sda: 0.000-35046.525 megabytes
Disk label type: gpt
Minor Start End Filesystem Name Flags
1 0.017 256.016 fat16 boot
2 256.017 20736.016 ext3
3 20736.017 35072.016 linux-swap
4 35072.017 45312.016 ext3
5 45312.017 55552.016 ext3
6 55552.017 65792.016 ext3
7 65792.017 69888.016 ext3
8 69888.017 69898.016 <== 占有スライス(10MB固定)
1-3-3) 占有スライスを削除します。
(parted) rm 8
1-3-4) 同様に、sdb8 の占有スライスも削除します。
物理ディスク sdb に対し、手順 1-3-2), 1-3-3) を実施します。
1-3-5) partedコマンドを終了します。
(parted) quit
1-4) システムを再起動します。
2) GDSの設定を削除せずにOSとGDSを再インストールし、GDSの設定を行うと、以下のいずれかのエラーとなることがあります。
SDX:sdxdisk: ERROR: 物理スライス名 is private slice SDX:sdxdisk: ERROR: 物理ディスク名: configuration information exists in private slice
この場合、以下の手順で占有スライスを削除してからGDSの設定を行ってください。
2a) OSを再インストールする前にルートクラスに登録されていた物理ディスクについてエラーメッセージが出力された場合
手順1-3)を実行してください。
2b) OSを再インストールする前に共用クラスまたはローカルクラスに登録されていた物理ディスクについてエラーメッセージが出力された場合
例として、物理ディスク名がsdbの場合の手順を説明します。
再インストールする前のOSがRHEL6以降の場合
# dd if=/dev/zero of=/dev/sdb count=35
再インストールする前のOSがRHEL5以前の場合
# dd if=/dev/zero of=/dev/sdb count=17