GDS Snapshot の OPC 方式によるスナップショットを利用して、ボリュームのバックアップを行う手順を説明します。
[手順]
1) プロキシボリュームの関連付け
スナップショットを作成するための準備として、マスタボリューム Volume1 のコピー先となるプロキシボリューム Volume2 をマスタボリュームに関連付けます。ここでは、Volume1、Volume2 がクラス Class1 に属している場合の手順を示します。クラス Class1 のスコープに属している任意の 1 ノードで以下のコマンドを実行します。
# sdxproxy Relate -c Class1 -m Volume1 -p Volume2 |
2) プロキシボリュームの停止
プロキシボリューム Volume2 を停止します。Class1 が共用クラスの場合は、-e allnodes オプションを指定することにより、Volume2 を全ノードで停止します。
# sdxvolume -F -c Class1 -v Volume2 |
3) 業務の停止
スナップショットのデータの整合性を確保するため、スナップショットを作成する前に業務を停止し、マスタボリュームへの書込みが行われない状態にします。
3a) マスタボリュームをクラスタアプリケーションで使用している場合
クラスタアプリケーションを停止します。
3b) マスタボリュームをクラスタアプリケーションで使用していない場合
3b-1) マスタボリュームを使用している業務を停止します。
3b-2) マスタボリュームをファイルシステムとして使用している場合は、ファイルシステムをアンマウントします。ここでは、マウントポイントが /DATA である場合の手順を示します。
# cd / |
4) プロキシボリュームの更新
OPC 機能を使用して、マスタボリューム Volume1 のデータをプロキシボリューム Volume2 にコピーすることにより、コピー開始時点の Volume1 のデータで Volume2 の内容を更新します。クラス Class1 のスコープに属している任意の 1 ノードで以下のコマンドを実行します。
OPC機能を使用する場合
# sdxproxy Update -c Class1 -p Volume2 -e instant |
注意
QuickOPCセッションが存在する場合【4.3A30以降】
マスタボリュームとプロキシボリュームの間にQuickOPCセッションが存在する場合、上記のコマンドではマスタとプロキシの差分のみがコピーされます。マスタボリューム全体をコピーしたい場合は、QuickOPCセッションを中止してから、-e OPCオプションを指定してsdxproxy Updateコマンドを実行してください。
# sdxproxy Cancel -c Class1 -p Volume2 # sdxproxy Update -c Class1 -p Volume2 -e instant,OPC |
QuickOPC機能を使用する場合【4.3A30以降】
# sdxproxy Update -c Class1 -p Volume2 -e instant,QOPC |
Volume2 の更新はコマンドが復帰した時点で完了します。コマンドが復帰した後、OPC の物理コピー処理がバックグラウンドで実行されますが、コピー処理の完了を待たず、手順 5) 以降を実行することができます。
5) 業務の再開
5a) マスタボリュームをクラスタアプリケーションで使用する場合
クラスタアプリケーションを起動します。
5b) マスタボリュームをクラスタアプリケーションで使用しない場合
5b-1) マスタボリュームをファイルシステムとして使用する場合は、ファイルシステムをマウントします。ここでは、マスタボリューム Volume1 上の ext3 ファイルシステムをマウントポイント /DATA にマウントする場合の手順を示します。
# mount -t ext3 /dev/sfdsk/Class1/dsk/Volume1 /DATA |
5b-2) マスタボリュームを使用する業務を起動します。
6) プロキシボリュームの起動
テープへのバックアップを実行するノードで、プロキシボリューム Volume2 を起動します。
# sdxvolume -N -c Class1 -v Volume2 |
7) コピー完了の確認
コピーが完了したことを確認します。
# sdxinfo -S -c Class1 -o Volume2 |
表示されたスライスの STATUS フィールドがすべて ACTIVE になっていれば、コピーは完了しています。コピー処理中の場合は、STATUS フィールドには COPY と表示されます。
8) テープへのバックアップ
プロキシボリューム上のスナップショットのデータを、テープにバックアップします。以下のコマンドは、クラス Class1 のスコープに属している任意の 1 ノードで実行します。
参照
バックアップ方法の詳細については、バックアップするファイルシステムや使用する各コマンドのマニュアルを参照してください。
8a) dd(1) コマンドを使用してデータをバックアップする場合
# dd if=/dev/sfdsk/Class1/dsk/Volume2 of=/dev/st0 bs=32768 |
8b) tar(1) コマンドを使用して ext3 ファイルシステムをバックアップする場合
8b-1) マウントの事前準備
fsck(8) コマンドを使用して、プロキシボリューム Volume2 上の ext3 ファイルシステムの整合性のチェックと修復を行います。手順 3b-2) においてマスタボリューム上のファイルシステムのアンマウントを行った場合は、本手順を実施する必要はありません。
# fsck -t ext3 /dev/sfdsk/Class1/dsk/Volume2 |
8b-2) スナップショットのマウント
プロキシボリューム Volume2 上の ext3 ファイルシステムを、一時的なマウントポイント /DATA_backup にマウントします
# mkdir /DATA_backup |
8b-3) テープへのバックアップ
ここでは、tar(1) コマンドを使用して、テープ装置 /dev/st0 のテープ媒体にデータをバックアップする場合の手順を示します。
# cd /DATA_backup |
8b-4) スナップショットのアンマウント
手順 8b-2) でマウントしたファイルシステムをアンマウントします。
# cd / # umount /DATA_backup |
9) プロキシボリュームの停止
テープへのバックアップが完了したら、プロキシボリューム Volume2 のデータを保護するため、Volume2 を停止します。Class1 が共用クラスの場合は、-e allnodes オプションを指定することにより、Volume2 を全ノードで停止します。
# sdxvolume -F -c Class1 -v Volume2 |
10) オンラインバックアップの再実行
再度オンラインバックアップを行う場合は、手順 3)~9) を再実行します。
11) プロキシボリュームの解除
オンラインバックアップを再度行わない場合は、マスタボリューム Volume1 とプロキシボリューム Volume2 の関係を解除します。
# sdxproxy Break -c Class1 -p Volume2 |