ディスクの有効サイズ
物理ディスクの領域のうち、ボリュームを作成する領域として使用できる容量は、物理ディスクのサイズをシリンダ境界に切り捨てて、占有スライスのサイズを引いたサイズとなります。このサイズのことを、ディスクの有効サイズと呼びます。
占有スライスのサイズ
占有スライスとは、GDS が、構成情報や高速等価性回復機構 (JRM) 用のログなどを格納するために、各ディスクに確保する領域のことです。
占有スライスは、物理ディスクをクラスに登録した際に確保されます。同じクラス内の各ディスクに確保される占有スライスは、同じサイズです。共用クラスおよびローカルクラスの場合、クラスの占有スライスのサイズは、クラスに最初に登録されたディスクのサイズによって決まります。
占有スライスのサイズは、以下のように見積ることができます。以下の見積り値は、物理ディスク内に確保される占有スライスの最大サイズです。占有スライスのサイズが、見積り値を超えることはありません。
ルートクラスの場合【EFI】
10.5MB
共用クラスおよびローカルクラスの場合
クラスに最初に登録されたディスクのサイズが 10GB 以下の場合:
32MB
クラスに最初に登録されたディスクのサイズが 10GB を超える場合:
32MB + (ディスク容量の 0.1% をシリンダ境界に切り上げたサイズ)
JRM 用のログのサイズは、ボリュームのサイズによって決まります。そのため、クラスに最初に登録されたディスクより大きなサイズのディスクをクラスに登録してミラーボリュームまたはネットミラーボリュームを作成すると、占有スライスのサイズが不足して JRM 用のログ領域が獲得できない場合があります。そのため、ディスクをクラスに登録するとき、以下の点を考慮してください。
ミラーボリュームを作成する場合
JRM 用のログ領域が獲得できないボリュームでは JRM が使用できません。したがって、クラスに登録する最大のディスクを最初に登録することを推奨します。
ネットミラーボリュームを作成する場合
JRM 用のログ領域が獲得できない場合、ネットミラーボリュームは作成できません。
ネットミラーボリュームを作成するクラスでは、クラスに登録する最大のディスクを最初に登録してください。
なお、物理ディスクをシャドウクラスに登録する場合、占有スライスのサイズは、物理ディスクの占有スライス自体に記録されている値によって決まります。このため、物理ディスクをシャドウクラスに登録する順序によらず、シャドウクラスと対応するディスククラスの占有スライスのサイズは同じになります。したがって、物理ディスクをシャドウクラスに登録する順序を気にする必要はありません。
シリンダサイズ
ローカルクラスまたは共用クラスに登録されたディスクのシリンダサイズは、32768 ブロック (=16MB) になります。ローカルクラスまたは共用クラスに登録するディスクの容量を見積もる場合は、シリンダサイズを 16MB として計算してください。
1TB 以上の容量のディスク【4.3A10以降】
以下の環境では、ローカルクラスおよび共用クラスにおいて、1TB 以上の容量のディスクを管理できます。
RHEL6(Intel64) またはRHEL7(Intel64)以降の環境で GDS 4.3A20 以降を使用している場合
RHEL6(Intel64) 環境で GDS 4.3A10 を使用し、以下の設定を行った場合
以下のパッチを適用する。
T005774LP-05以降 (FJSVsdx-bas)
T006424LP-02以降 (devlabel)
T005775LP-04以降 (kmod-FJSVsdx-drvcore)
T006319LP-02以降 (FJSVsdx-drv)
GDS の構成パラメタファイル /etc/opt/FJSVsdx/sdx.cf に SDX_EFI_DISK=on を記述する。
システムを再起動する。
パッチの適用方法と構成パラメタ SDX_EFI_DISK の詳細については、パッチ T005774LP-05以降 の修正情報ファイルを参照してください。
クラスタシステムの場合、全ノードで上記の設定を行う必要があります。
1TB 以上の容量のディスクの場合、ディスクラベル形式が GPT のクラスに登録して管理します。詳細は、「2.3.8 ディスクラベル」を参照してください。