sdxconfig コマンドを利用して、オブジェクト構成情報をバックアップ/リストアすることにより、ストレージ移行時の設定ミスを防止し、効率的にストレージを移行できます。
ボリュームのデータは、ストレージ装置のLUN単位のコピー機能(ACM CCMなど)を使用して、以下のいずれかの方法で移行します。
移行元の1筐体から移行先の1筐体にコピーする。
移行元の各筐体から移行先の各筐体にコピーする。
参考
シングルボリューム、または、階層化されていないミラーグループ内のミラーボリュームの場合、ストレージ装置のスライス単位のコピー機能(RECなど)を使用して移行することもできます。この場合、移行先ストレージに移行元と同じサイズのボリュームを作成し、移行元と移行先のボリュームを構成するスライス間でデータをコピーします。
移行手順は、以下のとおりです。
1) 移行元のストレージから移行先のストレージにデータをコピーします。
1-1) ストレージのコピー機能を使用して、移行元のストレージから移行先のストレージにデータをLUN単位でコピーします。
1-2) ストレージのコピー処理が等価性維持状態になったら、ストレージを使用する業務を停止します。
その後、ボリュームを停止してから、ストレージのコピー処理を停止します。
2) 移行元のストレージから、GDSの構成のバックアップと削除を行います。
2-1) オブジェクト構成情報をバックアップします。(sdxconfig Backup コマンド)
2-2) ボリュームを停止します。(sdxvolume -F コマンド)
2-3) クラスタシステムの共用ディスクの場合、移行元のクラスをローカルクラスに変換します。(sdxattr -C コマンド)
2-4) オブジェクト構成情報を削除します。(sdxconfig Remove コマンド)
2-5) クラスタシステムの共用ディスクの場合、移行元のディスクをPRIMECLUSTERのリソースデータベースから削除します。(cldeldevice コマンド)
3) 移行元のストレージをサーバから取り外し、移行先のストレージをサーバに接続します。
4) クラスタシステムのすべてのノードで、移行先のストレージにディスクラベルを付けます。(format コマンド)
5) 移行先のストレージに、GDSの構成を復元します。
5-1) クラスタシステムの共用ディスクの場合、移行先のディスクをPRIMECLUSTERのリソースデータベースに登録します。(clautoconfig コマンド)
5-2) 手順2-1)でバックアップした構成ファイルを、以下のように移行先のストレージ用に変換します。(sdxconfig Convert コマンド)
手順1)で移行元の1筐体から移行先の1筐体にデータをコピーした場合、各ミラーグループ内のディスクが1つだけになるように、各ミラーグループからディスクを削除します。
物理ディスク名を移行先の物理ディスク名に変更します。
5-3) オブジェクト構成情報をリストアします。(sdxconfig Restore コマンド)
移行元の各筐体から移行先の各筐体にデータをコピーした場合、sdxconfig Restore コマンド実行時に-e skipsync オプションを指定します。
5-4) クラスタシステムの共用ディスクの場合、手順5-3)でリストアしたクラスを共用クラスに変換します。(sdxattr -C コマンド)
6) ストレージを使用する業務を再開します。
7) 手順1)で移行元の1筐体から移行先の1筐体にデータをコピーし、移行先のストレージをミラーリングする場合は、移行先のミラーグループにディスクを追加します。(sdxdisk -M コマンド、sdxdisk -C コマンド)
参照
sdxconfig コマンドの使用方法については、「D.13 sdxconfig - オブジェクト構成の操作」および「6.9 オブジェクト構成のバックアップとリストア」を参照してください。
clautoconfig コマンドおよび cldeldevice コマンドの使用方法については、マニュアルページまたは「PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書」を参照してください。