ボリューム構成に関する条件
オンラインボリューム拡張が可能なのは、以下のいずれかの構成のボリュームです。
シングルボリューム
ミラーボリューム
ミラーリングの多重度は任意
グループが階層化されている場合も可
ミラーボリュームのオンラインボリューム拡張
多重度が 2 以上のミラーボリュームの場合、いったんミラーリングの多重度を 1 にしてからボリュームを拡張し、再度ミラーリングするために等価性コピーを行う必要があります。手順の概要を以下に示します。この手順は、ボリュームを使用しているアプリケーションを動作させたまま実行できます。
ミラーリングの多重度が 1 になるように、ミラーグループからディスクおよび下位グループを切断する。
sdxvolume -S コマンドを使用して、ボリュームの容量を拡張する。
手順 1) で切断したディスクおよび下位グループを、再度ミラーグループに接続する。
ミラーボリュームが起動されていれば、手順 3) の後、自動的に等価性回復コピーが実行されます。ミラーボリュームが停止されている場合は、ミラーボリュームを起動したときに、自動的に等価性回復コピーが実行されます。
ストライプボリュームおよびコンカチネーションタイプのボリュームの拡張
ストライプボリュームおよびコンカチネーションタイプのボリュームの容量は、拡張できません。これらのタイプの、ボリュームの容量を大きくするには、データをバックアップし、ボリュームを再作成した後、データをリストアしてください。なお、ストライプグループまたはコンカチネーショングループをミラーグループ (多重度は任意) に接続する構成にすれば、ストライピングまたはコンカチネーションの機能が適用されたボリュームのボリューム拡張が可能になります。
参照
バックアップおよびリストアの方法については、「第6章 バックアップとリストア」を参照してください。
コンカチネーションとオンラインボリューム拡張
以下の条件を満たすボリュームの場合、ボリュームの最終ブロック以降に十分な容量の連続した空き領域がなくても、未使用のディスクをコンカチネートすることにより、オンラインボリューム拡張が可能になります。
ミラーグループに属している。かつ、
ミラーグループには、1 つ以上のコンカチネーショングループのみが接続されている。かつ、
各コンカチネーショングループには、1 つ以上のディスクが接続されている。
本機能を使用するためには、あらかじめこの条件を満たす構成でボリュームを作成する必要があります。例えば、最初、使用できるディスクが 1 つしかない場合は、そのディスクのみをコンカチネーショングループに接続し、そのコンカチネーショングループをミラーグループに接続し、そのミラーグループにボリュームを作成することにより、本機能が使用可能です。
アプリケーションが使用する領域の拡張
ボリュームを使用するファイルシステムやデータベースなどのアプリケーションは、ボリュームが拡張された後、拡張された領域を各アプリケーションに固有の方法で認識できなければなりません。例えば、ufs ファイルシステムが作成されているボリュームを拡張した場合、growfs(1M) コマンドを使ってファイルシステムの領域を拡張する必要があります。
ボリュームを使用するアプリケーションが、拡張されたボリューム領域を認識できない場合、ボリューム拡張は行わないでください。アプリケーションが動作できなくなったり、ボリュームのデータが使用できなくなることがあります。GFS 共用ファイルシステムが作成されているボリュームは、拡張しないでください。
クラスに登録されているディスクの容量拡張
クラスに登録されているディスク (LUN) の容量は拡張しないでください。クラスに登録されているディスクの容量を拡張すると、GDS が正常に動作できなくなります。