ディスクミラーリングとは複数のディスクを利用して、データの複製を維持する機能です。
GDS は、複数の物理ディスクから 1 つの論理的なディスクを作成することにより、ディスクのミラーリングを実現しています。
ディスクミラーリングにより、たとえ 1 つのディスクが壊れたとしても、別のディスクをアクセスすることができるため、データを破損することなくアプリケーションは正常に動作し続けることができます。
GDS は、単体のディスク装置だけでなく、ディスクアレイ装置間のミラーリングをサポートしています。また、オペレーティングシステムがインストールされたシステムディスク、複数のサーバに接続されたディスクなど、ディスクの用途や構成を選ぶことなくミラーリングできます。
ここでは、特徴的なミラーリング形態について説明します。
システムディスクミラーリングとは、動作中の Solaris がインストールされたシステムディスクをミラーリングする機能です。
システムディスクに故障が発生すると、通常システム全体が停止して、ブートすらできなくなり、オペレーティングシステムの再構築が必要となるため、業務停止が長時間に及ぶ可能性があります。
システムディスクをミラーリングすることにより、一部のディスクに故障が発生したとしても、システム運用を継続することができます。
また、ディスクに故障が発生した状態からのシステムの起動もできます。
以下のシステムディスクのミラーリングも可能です。
SAN ブート環境
Oracle VM のゲストドメイン
GDS は、高性能で高信頼なディスクアレイ装置間のミラーリングを実現できます。
ファイバチャネルで接続された 2 つのディスクアレイ装置をミラーリング構成にすることによって、災害や電源断などによる不慮の事故からデータを保護することができます。
また、専用のソフトウェアを用いてアクセスパスが冗長化されたディスク装置をミラーリングすることもできます。
GDS は、複数のサーバ (ノードとも呼ぶ) から構成されるクラスタシステムに接続された共用ディスク装置をミラーリングする機能を備えています。
これを 1 つのノードに接続されたローカルディスクのミラーリングと区別して、共用ディスクミラーリングと呼びます。
GDS の共用ディスクミラーリング機能は、スタンバイ運用を行う切替え型アプリケーションだけでなく、Global File Services (以降、GFS) 共用ファイルシステムなどの同時共用型アプリケーションとの組合せでも使用できます。
Solaris の仮想環境 (Solaris ゾーン環境、Oracle VM 環境) のディスクをミラーリングできます。
Solaris ゾーン環境では、グローバルゾーンおよびノングローバルゾーンで使用するディスクを、グローバルゾーンで動作する GDS がミラーリングします。
Oracle VM 環境では、制御ドメインまたは I/O ルートドメインで使用するディスクをそのドメインで動作する GDS がミラーリングし、ゲストドメインで使用するディスクを制御ドメイン、I/O ルートドメイン、またはゲストドメインで動作する GDS がミラーリングします。
GDS : Global Disk Services
参照
GDS の使用方法の詳細は、以下を参照してください。
Solaris ゾーン環境の場合
「A.2.41 Solaris ゾーン環境での使用方法」
Oracle VM 環境の場合
「A.2.39 Oracle VM 環境での使用方法」