CF over IPとCIP (クラスタインタコネクトプロトコル、別名IP over CF) は、名前は似ていますが、全く別のものですので、混同しないでください。
CIPは、ノード間通信を用いるアプリケーションのために冗長化したクラスタインタコネクトをまとめる (隠蔽する)インタフェースを提供します。 CIPでは、物理的に冗長化されたインタコネクトを利用して、1箇所で故障が発生してもメッセージを送信できるようにします(下図を参照)。
図1.1 CIP構成例
CF over IPは、オペレーティングシステムが用意したIPv4インタフェースをCFインタコネクトとして使用します。 IPv6 上では動作しません。IPインタフェースは、業務LAN上では実行しないでください。設定するネットワークは、隔離されたプライベートネットワーク、かつ、ローカルネットワークであることが必要です。
インタコネクトのプライベートIPインタフェースは、プライベートネットワーク用に用意されたIPアドレスを使用することにより、構成が可能です。通常、プライベートIPアドレスには以下のアドレスを使用します。
192.168.0.x
x は、1から254までの整数です。
クラスタ参入処理の間に、CFは他のノードにブロードキャストメッセージを送信します。このため、すべてのノードが、同じローカルネットワーク上にあることが必要です。異なるネットワークやサブネットワークに存在するノードには、ブロードキャストが受信されません。この結果、そのノードはクラスタに参入することができません。
CF over IPは次のような場合に使用します。
クラスタが、同じサブネットワークの2つのイーサネットセグメントにまたがっている場合。
それぞれのサブレベルのイーサネットプロトコルがルータ経由で伝送されるのではなく、IPトラフィックが伝送されます。
ケーブル長の物理的な制限を超えて転送する必要がある場合。
通常のイーサネットは、物理的なケーブル長に制約されます。 ケーブルの最大長を超えて通信することはできません。
TCP/IPのみをサポートするネットワークデバイスカード (ファイバチャネルなど) のいくつかが、CFに統合できない場合。
注意
CF over IP では、ネットワーク/ プロトコル情報が増加し、同様の性能が達成できないため、CF では、可能な限りイーサネットリンクレベルの接続を使用してください (下図を参照)。
図1.2 CF over IPの構成例
Solaris 11 以降の環境ではCF over IP機能は使用できません。