本手順は、ディスクのハードウェア障害やデータベースが論理的に破壊され、Cloud Services Managementが正常に動作しない場合、障害が発生する直前の状態にリカバリーするために実施します。
前提条件
本手順を行う場合、以下の条件を満たす必要があります。
利用しているクラウドサービス・クラウド管理製品がROR、FJCS for OSS、Azure、AWSまたはVMware。
サービス情報の復旧作業はクラウドサービス統合運用部門で実施する。
サービス情報の復旧作業中に、業務システム提供部門は本製品を利用しない。
Cloud Services Managementのオフラインバックアップ、またはオンラインバックアップ機能を利用して定期的にバックアップする。
詳細は、"4.3 バックアップ・リストア"を参照してください。
メール転送機能を利用して、クラウドサービス統合運用部門に完了通知メールを転送する。
詳細は、"FUJITSU Software Cloud Services Management 導入ガイド"の"メール転送機能の設定"を参照してください。
リカバリーの対象資産
リカバリー資産は、業務システム提供部門が構築した以下を対象とします。
プロジェクト
業務システム
サービス
サービス企画・評価部門とクラウドサービス統合運用部門が構築した資産は、事前にバックアップを取得して復旧してください。
なお本手順では、サービスだけ復旧できます。プロジェクトと業務システムは、クラウド管理用ポータルや業務システム操作コマンドを利用して復旧します。
注意
キーペアについてはリカバリー対象ではありません。クラウド管理用ポータルから作成する必要があります。
サービスのサポート範囲
管理サーバのバックアップ採取後、以下の操作に対するサービス情報を復旧します。各クラウドサービス・クラウド管理製品において復旧可能な情報が異なります。
クラウドサービス・クラウド管理製品 | 仮想マシン | スナップショット | キーペア | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
登録 | 変更 | 削除 | 登録 | 削除 | 登録 | 再作成 | |
AWS | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - |
Azure | ○ | ○ | ○ | - | - | - | - |
ROR | ○ | ○ | ○ | - | - | - | - |
FJCS for OSS | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - |
VMware | ○ | ○ | ○ | - | - | - | - |
※○:サポート、-:未サポート
注意
本手順では、リストア後のサービス・スナップショットに関する料金データは復旧できません。
利用料金については、本手順を実施した時点で登録/変更/削除されたものとして扱われます。
仮想マシンにおけるスナップショットの料金は、利用しているディスクサイズをもとに算出されています。本手順におけるスナップショット登録時には、指定したパラメーターに対して以下の計算式で算出されます。
<システムディスクサイズ>+<追加データディスクサイズ>×<追加データディスク数>
本手順を実施した場合、本製品による承認処理は行われません。
リカバリー手順
利用者のアクセス制限
Cloud Services Managementに対して、業務システム提供部門によるサービス操作を制限します。
プロジェクト情報、業務システム情報、サービス情報の操作ユーザーの絞り込み
監査ログからバックアップ採取後の操作ユーザーを絞り込みます。
Cloud Services Managementのリストア
ディスクが壊れている場合、ディスク交換を行ったあと、ボリュームの構成情報をリカバリーします。
Cloud Services Managementのバックアップファイルを利用して、Cloud Services Managementをリストアします。
プロジェクト情報、業務システム情報の差分反映
クラウド管理用ポータルや業務システム操作コマンドを利用して差分情報を反映します。
サービス情報の差分反映
バックアップ採取後の差分情報を反映します。
クラウドサービス統合運用部門に転送された完了通知メール(添付ファイル)の取得
サービス情報の復旧
利用者のアクセス制限の解除
Cloud Services Managementに対して、利用者にアクセス制限の解除を広報します。
例
本節に記載されている手順が必要になるケースを説明します。
リソース構成は以下のように仮定します。
システム構成例
業務ID |
---|
gyoumu01 |
バックアップ前 | バックアップ後の操作 | |
---|---|---|
サービスID | 操作 | サービスID |
serviceA1 | ||
追加 | serviceA2 | |
serviceB1 | 削除 | serviceB1 |
serviceC1 | 変更 | インスタンスタイプ |
前提条件
管理サーバで異常が発生する場合に備えて、管理サーバをバックアップします。
管理サーバのバックアップ後の操作
業務システム(gyoumu01)に対して以下を操作します。
serviceA2を登録する。
serviceB1を削除する。
serviceC1のインスタンスタイプを変更する。
Cloud Services Managementのリストア
Cloud Services Managementのバックアップファイルを利用して、Cloud Services Managementをリストアします。
リストアによって、バックアップ時の状態に戻ります。
サービスID | 管理サーバ | クラウド | 整合性 |
---|---|---|---|
serviceA1 | ○ | ○ | ○ |
serviceA2 | × | ○ | × |
serviceB1 | ○ | × | × |
serviceC1 | ○(変更前) | ○(変更後) | × |
serviceA2は、復元されない。
serviceB1は、削除前の状態で復元される。
serviceC1は、変更前の状態で復元される。
クラウドサービス・クラウド管理製品は、本製品のデータベースが破損しても影響を受けないために差分が発生します。クラウドサービス・クラウド管理製品と本製品のデータベース情報に不整合が発生した場合、本節で説明するサービス情報の復旧作業が必要になります。
サービス情報の差分反映
バックアップ採取後の差分情報を反映します。