Cloud Services Managementを利用するためには、連携対象のクラウドについて以下の準備が必要です。
AWS、Azure、およびFJCS for OSSの場合はクラウド事業者と契約し、RORおよびVMwareの場合はクラウド管理ソフトウェアのセットアップを行う。
クラウド上に各種リソースを用意し、メニューとして公開するサービスの仕様に応じた仮想マシンが配備できるようにする。
Cloud Services Managementでは、クラウド事業者との契約や、クラウド管理ソフトウェアについての情報は、契約情報で管理されます。また、仮想マシンの配備に必要な情報は、ベンダー情報のパラメーターに設定します。
契約に関する情報
契約情報で管理される情報は以下のとおりです。これらの情報は、サービス企画・評価部門と調整し、事前に収集してください。
情報名 | 必須 | 用意する情報 | 用途 | 備考 |
契約番号 | - | クラウド事業者との契約情報やクラウド管理ソフトウェアを特定できるIDなど | 本製品の契約情報が実際のどの契約情報と紐づいているか、判別しやすいよう表示するために利用します。 | - |
ベンダーポータルID | - | クラウド事業者のポータルなどにログインするためのID | クラウド事業者のポータルなどへのログオンに利用するIDを表示するために利用します。 | AWS、Azure、FJCS for OSSの場合のみ |
保守サービスID | - | クラウド事業者への問い合わせなどに利用するID | クラウド事業者への問い合わせなどに利用するIDを表示するために利用します。 | AWS、Azure、FJCS for OSSの場合のみ |
仮想マシンの配備に必要な設定
連携対象のクラウドで以下の設定を行い、仮想マシンの配備に必要な情報を収集してください。
詳細の手順については、各クラウド製品の公開情報を参照してください。
AWSの場合
AWSにサインアップします。
IAMユーザーを作成します。
IAMユーザーのアクセスキー(アクセスキーIDおよびシークレットアクセスキー)が必要になります。
サブネットを作成します。
Virtual Private Cloud(VPC)を作成します。
Cloud Services Managementは、配備された仮想マシンに対しローカルIPアドレスでアクセスします。ローカルIPアドレスで接続するために必要な作業です。
セキュリティグループを作成します。
ベンダー定義ファイルに指定する各項目の情報を確認します。項目については"2.11.2 ベンダー情報"を参照してください。
Azureの場合
Azureに接続するための接続情報ファイルを登録します。
登録手順については、"FUJITSU Software Cloud Services Management 導入ガイド"の"Azure接続情報の設定(Azure連携を行う場合のみ)"を参照してください。
リソースグループおよびサブネットを作成します。
ベンダー定義ファイルに指定する各項目の情報を確認します。項目については"2.11.2 ベンダー情報"を参照してください。
RORの場合
Cloud Services Managementで利用するテナントを作成します。
テナントのリソースを設定します。
ベンダー定義ファイルに指定する各項目の情報を確認します。項目については"2.11.2 ベンダー情報"を参照してください。
テナント利用者およびテナント管理者の導入を行い、L-Platformテンプレートを作成します。Cloud Services Managementでは1つの業務システムに1つのL-Platformを対応付けて管理します。L-Platformテンプレートは、以下の条件で作成してください。
ベンダー定義ファイル(systemDiskImageOptions)のserviceOption単位にL-Platformテンプレートを用意する。
1つの仮想マシンだけ定義する。
1つのNICだけ定義する。
ベンダー定義ファイル(instanceOptions)のserviceOption(COUNT_CPU/PROCESSORSPEED/MEMORYSIZE)で指定したパラメーター値と同じ値を設定する。ベンダー定義ファイルに複数のinstanceOptionsを定義する場合、業務システムの1台目に配備する仮想マシンに設定するパラメーター値を設定する。
ベンダー定義ファイル(systemDiskImageOptions)のserviceOption(DISKIMG_ID/NETWORK_ID/VSERVER_TYPE)で指定したパラメーター値と同じ値を設定する。
ベンダー定義ファイル(dataDiskImageOptions)のserviceOption(BLOCK_DEVICE_SIZE)で指定したパラメーター値と同じ値を設定する。
ベンダー定義ファイル(deployParameters)のdeployParameter(VM_POOL/STRAGE_POOL)で指定したパラメーター値と同じ値を設定する。
上記以外のL-Platformテンプレートのパラメーターは、メニュー単位で共通の値を設定する。
参照
RORが使用しているSVOMのバージョンが6.10以降の場合、SVOMが使用するTLS/SSL通信について設定の変更が必要になります。
詳細は"FUJITSU Software Cloud Services Management 導入ガイド"の"SVOMの設定"を参照してください。
FJCS for OSSの場合
Cloud Services Managementで利用するFJCS for OSSプロジェクトを作成します。
作成したFJCS for OSSプロジェクトに、Cloud Services ManagementがFJCS for OSSへのアクセスに使用するユーザーを所属させてください。
FJCS for OSSへのアクセスに使用するユーザーに対して、FJCS for OSSプロジェクト上で仮想マシン、スナップショット、キーペアを操作するため適切なロールを付与してください。
また、必要に応じてFJCS for OSSプロジェクト内に作成可能な仮想マシンの最大数を増やす申請を行ってください。
作成したプロジェクトに、以下のリソースを作成します。
仮想ルータ
仮想ネットワーク
セキュリティグループ
仮想ネットワークは、仮想マシンに対してIPアドレスの自動割り当てを行うように設定します。
また、仮想ネットワークは、社内ネットワーク(業務システム提供部門が仮想マシンを利用するときのアクセス元)から、仮想マシンのプライベートIPアドレスで直接通信できるように構成します。
セキュリティグループは、業務システム提供部門が仮想マシン利用時に使用するリモートデスクトップおよびSSHを許可するよう設定してください。
複数のFJCS for OSSプロジェクトを利用する場合は、手順1と手順2を繰り返してください。
ベンダー定義ファイルに指定する各項目の情報を確認します。項目については"2.11.2 ベンダー情報"を参照してください。
注意
複数のFJCS for OSSプロジェクトを利用する場合、作成する仮想ルータ、および仮想ネットワークは、ベンダー定義ファイルで指定したアベイラビリティゾーン(AVAILABILITY_ZONE)に所属する必要があります。
ベンダー定義ファイルにアベイラビリティゾーン(AVAILABILITY_ZONE)を指定していない場合、FJCS for OSSに接続するためのユーザーのデフォルト・アベイラビリティゾーンに所属する必要があります。
VMwareの場合
vCenter Server、データセンターを作成します。
必要に応じて、クラスタ、フォルダーを作成します。
リソースプール、データストアを作成します。
vSphere Clientを利用して、Cloud Services ManagementがvSphere APIで接続するためのユーザーを作成します。
作成したユーザーに、以下のロールを割り当ててください。
仮想マシン(すべてのロール)
リソース(仮想マシンのリソースプールへの割り当て)
データストア(領域の割り当て)
VMwareテンプレートを作成します。このとき設定するNICの数は1つにしてください。
仮想マシンが配備される仮想ネットワーク上にDHCPサーバを用意してください。
ベンダー定義ファイルに指定する各項目の情報を確認します。項目については"2.11.2 ベンダー情報"を参照してください。