PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker の留意事項について説明します。
仕様・機能
本製品の仕様、機能に関する留意事項です。
NetWorker サーバが動作するノードについて
運用時、NetWorker サーバは運用ノードで起動されており、待機ノードでは起動できません。したがって、待機ノードで共用ディスクをバックアップすることはできません。
環境設定
環境構築に関する留意事項です。
サーバクラスタ運用の構築の際に、ラベルテンプレートや管理者などのデフォルト設定が物理ノード名となる場合がありますが、動作に支障はありません。適切な設定に変更して使用してください。
NetWorker環境変数ファイル/nsr/nsrrc、/opt/nsr/admin/networkerrcに環境変数を定義できます。PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerのNetWorker起動処理では/opt/FJSVclntw/etc/networker.envに加えてこれらのファイルも読み込みます。環境変数の定義については"2.6.3.1 NetWorker 起動時の動作環境の定義" を参照してください。
運用
運用に関する留意事項です。
テープライブラリ装置共用運用時の注意点
テープ搬送中などライブラリのロボット操作を行っている時にフェイルオーバが発生した場合は、正常にバックアップが終了しない場合があります。その場合には、NetWorker のコマンド「nsrjb -H」 「nsrjb -I」 を実行し、手動でバックアップを行ってください。
テープ装置へのアクセスについて
テープ装置を共用する環境において、テープ装置にアクセスした状態でクラスタアプリケーションの切替えを行うと、ハードから応答を待つ状態となり、プロセス停止ができずに PRIMECLUSTER がノードをパニックさせる場合があります。このため、クラスタアプリケーションの切替えはテープ装置へのアクセスが無い状態で実施してください。
file.xxxx ファイルについて
ノードの異常などでディテクタが正常に終了しなかった場合は、/var/opt/FJSVclntw/logsに、file.xxxx (xxxx は任意の数字) という名前の作業用ファイルが残る場合があります。
このファイルは、異常時の調査に使用する場合があります。
システムのメッセージについて
ノード起動時やクラスタアプリケーション切替え時に、コンソール画面に以下のようなメッセージが表示される場合がありますが、動作に影響はありません。
syslogd: /nsr/logs/messages: 入出力エラー syslogd: /nsr/logs/messages: ファイルもディレクトリもありません。 syslogd: /nsr/logs/summary: ファイルもディレクトリもありません。
当メッセージにあるファイルは NetWorker サーバのログファイルで、syslogd を使用してこれらのログファイルへの書き込みを行っています。/nsr は共用ディスク上の NetWorker ディレクトリを指すシンボリックリンクであり、ノード起動時またはクラスタアプリケーション切替え時に、共用ディスクのマウント処理が行われます。このとき、一時的にこれらのファイルが参照できなくなった状態で、他の syslogd を使用するアプリケーションによるメッセージ出力が行われる際に、このメッセージ出力が発生します。syslogd を使用している /var/log 配下のメッセージファイルは、このメッセージが表示される間も正常に出力されます。また、NetWorker サーバのこれらのログファイルは、NetWorker が起動されていない状態であるため、使用されません。
NetWorker リソース起動時のWarning状態について
NetWorker リソース起動時に、Online 状態になるまでの間で一時的に Warning 状態となり、以下のようなメッセージが出力される場合がありますが、動作に影響はありません。
LOG3.013147036261080023 11 4 0 4.3 RMS (DET, 29): WARNING: Resource <ManageProgram000_Nwsv_APP1> received detector report "DetReportsOnlineWarn", the WarningScript "/opt/FJSVclntw/sys/clntwwarning" will be run.
Warning 状態が続いて Online 状態にならない場合は、 "3.3.3 Warning 状態の NetWorker リソースを Online 状態にする" を参照して対処してください。
NetWorker のコンソール・サーバについて
NetWorker のコンソール・サーバをクラスタのノードで起動する場合、そのノードで NetWorker のクライアントデーモンが起動している必要があるため、NetWorker のクラスタアプリケーションを Online 状態または Standby 状態にしてください。
nsrjbコマンドの実行について
クラスタ環境でnsrjbコマンドを以下のオプションで実行する場合は、-fオプションまたは-Jオプションを付ける必要があります。nsrjbコマンドの詳細については、NetWorkerのマニュアルを参照してください。
○ -L
○ -L -R
○ -l
○ -l -n
NetWorkerリソースのWarningOnlyフラグが設定されている場合でも、NetWorker起動処理がタイムアウトした場合は、NetWorkerリソースはWarning状態ではなくFaulted状態となります。WarningOnlyフラグについては"2.6 NetWorker リソースの作成/設定"を参照してください。
NetWorker 9.2を使用していて、NetWorkerサーバリソースの異常が原因でフェイルオーバーした場合は、userApplicationを切戻す前に異常が発生したノードを再起動してください。