NetWorker 起動時の動作環境を定義することができます。
PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker では、以下の NetWorker スタートアップスクリプトを実行して、NetWorker を起動しています。
サーバクラスタ運用の場合
/opt/FJSVclntw/sys/v_nsrd_start
クライアントクラスタ運用の場合
/opt/FJSVclntw/sys/networker_start
NetWorker を起動する直前に行いたい処理がある場合、PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker が提供する定義ファイル(networker.env)を使用して、処理を定義することができます。
例
以下に例を示します。
NetWorker定義ファイルの雛形(/opt/FJSVclntw/etc/networker.env_draft ファイル)を、cp(1) で /opt/FJSVclntw/etc/networker.env に複写します。
# cp -p /opt/FJSVclntw/etc/networker.env_draft /opt/FJSVclntw/etc/networker.env
vi(1) などを使用して networker.env ファイルを編集します。
# vi /opt/FJSVclntw/etc/networker.env
以下に記述例を示します。
# networker.env executed as a part of the NetWorker startup script # All Rights Reserved, Copyright Fujitsu 2006 # # Users can write commands and the setting of environmental variables # executed just before starting NetWorker. # # Examples: # NSR_DEV_BLOCK_SIZE_4MM_20GB=64 # export NSR_DEV_BLOCK_SIZE_4MM_20GB # LANG=C # export LANG # LC_ALL=$LANG # export LC_ALL # ulimit -n 1024 # NSR_DEV_BLOCK_SIZE_4MM_20GB=128
export NSR_DEV_BLOCK_SIZE_4MM_20GB
注意
NetWorker環境変数ファイル/nsr/nsrrc、/opt/nsr/admin/networkerrcに環境変数を定義できます。PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerのNetWorker起動処理では/opt/FJSVclntw/etc/networker.envに加えてこれらのファイルも読み込みます。
ファイルを読み込む順番は以下の通りです。同じ環境変数が複数のファイルに定義されていた場合は、後で読み込んだものが有効になります。
/nsr/nsrrc
/opt/nsr/admin/networkerrc
/opt/FJSVclntw/etc/networker.env
PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker をインストールしたすべてのノードで定義を行ってください。
参考
NetWorker が動作する際の言語を変更する場合は、環境変数 LANG と LC_ALL を設定してください。
PRIMECLUSTER においては、各リソースの起動・停止をスクリプトファイルにて行っています。PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker においても NetWorker の起動・停止をスクリプトで実現しています。この起動・停止に連動して動作するスクリプトを設定することにより、NetWorker の起動・停止に連動してアプリケーションやバッチ処理を実行することができます。
スクリプト
PreOnlineScript
Online 処理の前に実行されます。
PostOnlineScript
Online 処理の後に実行されます。
PreOfflineScript
Offline 処理の前に実行されます。
PostOfflineScript
Offline 処理の後に実行されます。
FaultScript
Fault 発生時に実行されます。
留意事項
root ユーザーで実行されます。
exit コード 0 で正常終了です。0 以外の場合は異常終了となり、Online処理またはOffline処理が異常となります。
スクリプトの実行時間が ScriptTimeout を超えると異常終了となり、Online処理またはOffline処理が異常となります。
各スクリプトには、RMS で定義された環境変数が設定されています。
スクリプトは、フルパスで設定してください。引数を指定する場合は、"半角空白"で区切ります。
参照
各スクリプトの詳細は、「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」 を参照してください。
PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerを使用したクラスタ環境において、NetWorker Management Console (NMC)を使用する場合は、手順1、手順2および手順3のいずれかの対応を行ってください。
[手順1] NMCサーバを別途用意する
クラスタ環境とは別のマシンにNMCをインストールします。 NMCをインストールするためには、NetWorkerクライアントパッケージがインストールされている必要があります。
[手順2] NMCをPRIMECLUSTERのリソースとして登録する
NMCをPRIMECLUSTERのCmdlineリソースに登録して制御します。この方法については当社技術員にご確認ください。
[手順3] NMCをPRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerに組み込む
NMCをクラスタの片方のノードにインストールして、NMCの起動処理をPRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerに組み込みます。
NMCのインストール時にNetWorker Management Consoleデータベースを、常時アクセス可能なディスク(ローカルディスクなど)の/nsr配下以外の場所に作成してください。
/opt/FJSVclntw/sys/v_nsrd_start ファイルを以下のように編集します。 ファイル最後の"exit 0"の前に、"/etc/init.d/gst start &" (NMC起動コマンド)を追記します。編集後の記載例を以下に示します。
例
${CMD_RM} -f ${MSG_FILE} /etc/init.d/gst start & exit 0
/opt/FJSVclntw/sys/networker_start ファイルを以下のように編集します。 ファイル最後の"exit 0"の前に、"/etc/init.d/gst start &" (NMC起動コマンド)を追記します。編集後の記載例を以下に示します。
例
[ -f "${MSG_FILE}" ] && ${CMD_RM} -f ${MSG_FILE} /etc/init.d/gst start & exit 0
NMCの起動スクリプトを変名します。
# mv /etc/rc3.d/S97gst /etc/rc3.d/FJSVclntw.S97gst # mv /etc/rc5.d/S97gst /etc/rc5.d/FJSVclntw.S97gst
注意
手順実施後NMCへ接続する際は、NMCをインストールした物理ノードのIPアドレスへ接続してください。
NMCをアンインストールする場合は、[手順3]で変更したファイルを元に戻した後でNMCをアンインストールしてください。