ここでは、MF COBOLファイル移行ツールの変換仕様について説明します。
MF形式のファイルからFJ形式のファイルへの変換については、大きく分けて次の2つがあります。
データ形式の変換
ファイル形式の変換
MFのデータ形式とFJのデータ形式の非互換について、以下に示す場合は本ツールで変換できます。
データ形式/属性 | 非互換の内容 | MF | FJ |
---|---|---|---|
符号付き外部10進(TRAILING SEPARATE/LEADING SEPARATEの指定がない場合) | 符号部の内部表現が異なる | 符号部の値 正数:X'3x' 負数:X'7x' | 符号部の値 正数:X'4x' 負数:X'5x' |
指標データ項目 | 属性が異なる | COMP形式 | COMP-5形式 |
上記のデータ項目がファイル(レコード)内に含まれている場合、FJ形式への変換が必要です。変換をするには、「変換情報ファイル」にその旨を指定してください。指定がない場合には変換しません。
MFとFJのファイル形式の互換性について、以下にファイル種別ごとに示します。
ファイル種別 | レコード形式 | 互換 | 変換 | 備考 |
---|---|---|---|---|
行順ファイル | - | ○ | 不要 | *1、*2 |
順ファイル | 固定長 | ○ | 不要 | *1、*3 |
可変長 | × | 要 | ||
相対ファイル | 固定長 | × | 要 | |
可変長 | × | 要 | ||
索引ファイル | 固定長 | × | 要 | 索引ファイルについては、ツールは中間ファイル(可変長順ファイル)に変換します。さらに、この中間ファイルから索引ファイルに変換する必要があります。詳細については“3.1.4 使用方法”を参照してくだい。 |
可変長 | × | 要 |
*1: 符号付き外部10進項目で、TRAILING SEPARATE およびLEADING SEPARATE形式のない場合には変換が必要です。
*2: 実行時スイッチ「-N」の指定が必要なファイル(LEVEL II COBOL バージョン 2.1以前の行順ファイル)の場合、変換処理(可変長順ファイルと同様)が必要です。
*3: 指標データ項目がある場合は、変換が必要です。
ファイルを変換するには、ファイルの情報を「変換情報ファイル」に指定してください。詳細については、“3.1.4.2 変換情報ファイル”を参照してください。
ツールは、変換したファイルの情報を「変換結果情報リスト」に出力します。また、変換時にエラーが発生した場合も、その情報を「変換結果情報リスト」に出力します。
変換結果の情報について以下に示します。
変換結果情報リストの出力例
MF COBOLファイル移行ツール V12.1.0 DATE 2018-02-29 TIME 11:22:33 <エラー情報> エラーメッセージ … *1 <ファイル名> 変換元ファイル名 =C:\MFDATA\SEQFIL01.FIL … *2 変換後ファイル名 =C:\FJDATA\SEQFIL01.FIL … *3 変換情報ファイル名 =C:\MFDATA\SEQFIL01.INF … *4 変換結果情報リスト名=C:\FJDATA\SEQFIL01.LST … *5 <ファイル情報> ファイル種別=順ファイル … *6 レコード形式=可変長 … *7 最大レコード長=100 … *8 最小レコード長=30 … *9 <データ変換> 符号付き外部10進の変換:有り … *10 指標データ項目の変換 :無し … *11 <入出力件数> 入力レコード件数=100000 … *12 出力レコード件数=100000 … *13 変換開始時刻:11時22分33秒 … *14 変換終了時刻:11時25分00秒 … *15 変換所要時間:00時02分27秒 … *16 最大重大度コード:00 … *17
【説明】
*1:エラーメッセージ … 変換時にエラーを検出した場合、メッセージを出力します。
※エラーの場合、*3、*6~*16の内容は出力しません。
*2:変換元ファイル名 … 変換元ファイル名を示します。
*3:変換後ファイル名 … 変換後ファイル名を示します。
*4:変換情報ファイル名 … 変換情報ファイル名を示します。
*5:変換結果情報リスト名 … 変換結果情報リスト名を示します。
*6:ファイル種別 … ファイルの種別を示します。
・行順ファイル
・順ファイル
・相対ファイル
・索引ファイル
*7:レコード形式 … レコードの形式を示します。
・固定長
・可変長
※順、相対または索引ファイルの場合に出力します。
*8:最大レコード長 … 最大レコード長を示します。
*9:最小レコード長 … 最小レコード長を示します。
※可変長ファイルの場合に出力します。
*10:符号付き外部10進の変換… 符号付き外部10進の変換をしたかどうかを示します。
*11:指標データ項目の変換 … 指標データ項目の変換をしたかどうかを示します。
*12:入力レコード件数 … ツールが入力したレコード件数を示します。
*13:出力レコード件数 … ツールが出力したレコード件数を示します。
*14:変換開始時刻 … ツールが変換を開始した時刻を示します。
*15:変換終了時刻 … ツールが変換を終了した時刻を示します。
*16:変換所要時間 … 変換に要した時間を示します。
*17:最大重大度コード … 復帰値を示します。
・00:正常終了した
・04:正常終了した(変換に影響はない)
・12:異常終了した(変換情報誤り/矛盾等)
・16:異常終了した(ファイルの入出力エラー等の致命的なエラー)