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Enterprise Postgres 10 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)
FUJITSU Software

1.1 データベース多重化運用とは

データベース多重化運用は、PostgreSQLのストリーミングレプリケーションに基づいた運用方式(ログシッピング方式)です。クラスタソフトウェアなどの他のソフトウェアを必要としません。

データベース多重化運用では、クラスタシステムを構成するすべてのサーバで複製されたデータベースを持ちます。更新を受け付けるサーバ(プライマリサーバ)から、データベースの更新トランザクションログをその他のサーバ(スタンバイサーバ)へと転送して、スタンバイサーバで更新トランザクションログを反映することで、これらの複製されたデータベースを維持します。クライアントドライバがプライマリサーバやスタンバイサーバを自動的に識別することで、アプリケーションは物理的なサーバを意識せずに透過的に接続できます。

また、データベースプロセス、ディスク、ネットワークなどのデータベース運用の継続に不可欠な要素の障害を検知する機能と簡易化されたスイッチオーバやスタンバイサーバの切り離し機能などを提供します。さらに、スタンバイサーバにおいて、参照系の業務を行うことができます。

複製方法には同期モードを用います。

注意

FUJITSU Enterprise Postgresでは、WebAdminまたはMirroring Controllerを使用する場合、1つのプライマリサーバと1つのスタンバイサーバで構成されたクラスタシステムをサポートしています。

  • クラスタシステムに非同期スタンバイサーバを追加で接続することも可能ですが、これらのスタンバイサーバをクラスタシステムに含めることはできません。

  • クラスタシステムに同期スタンバイサーバを追加で接続することはできません。

参照

本マニュアルでは、ストリーミングレプリケーション機能については説明しません。

ストリーミングレプリケーション機能の詳細は、”PostgreSQL文書”の“高可用性、負荷分散およびレプリケーション”を参照してください。


図1.1 プライマリサーバからスタンバイサーバへのフェイルオーバ


図1.2 スタンバイサーバの切り離し