SAP ERP システムジョブの稼働実績をCSV形式で出力することができます。稼働実績をCSV形式で出力するには、r3statコマンドの“-v”オプションを使用します。出力されたCSVファイルを表計算ソフトに読み込んでグラフ化すれば、ジョブの稼働実績が一目で分かります。システムの負荷分散などを検討する時に便利です。
出力される項目は、終了コード、開始日付、開始時刻、終了日付、終了時刻、およびSAP ERP システムジョブの名前です。
稼働実績をCSV形式で出力する時のコマンドの使用例およびコマンドに指定するオプションと値を以下に示します。
コマンドの使用例
$ r3stat -v -f file01 example
コマンドに指定するオプションと値
“-f”オプション
“-f”オプションには、SAP ERP システムジョブの管理ファイルを指定します。SAP ERP システムジョブの管理ファイルとは、r3jobファイルまたはこのファイルを改名したファイルのことです。このファイルには、SAP ERP システムジョブのジョブ名とジョブ番号が管理されています。
指定した“example”
“example”は、システム導入時に登録したセション開設用情報名を指定します。
上記の例では、r3statコマンドは、セション開設用情報“example”にしたがってSAP ERP システムに接続し、SAP ERP システムジョブの管理ファイル“file01”で管理されているSAP ERP システムジョブについて情報を収集します。収集した情報は、CSV形式で出力します。
注意
SAP ERP システムジョブの管理ファイルについての注意
SAP ERP システムジョブの管理ファイルは、一定期間ごとに名前を変更するか、削除してください。名前の変更や削除を行わない場合、SAP ERP システムジョブの管理ファイルにより、ディスクの空き容量が不足し、システムが正常に動作しなくなることがあります。
なお、SAP ERP システムジョブの管理ファイルは、r3execコマンド実行時に自動的に作成されるので、改名や削除したあとに作成する必要はありません。
SAP ERP システムジョブの管理ファイルは、以下に格納されています。
UNIX版の場合
/var/spool/mjes/r3/r3job
Windows版の場合
Systemwalker Operation Managerインストール先ディレクトリ¥MPWALKER.JM¥Mpmjessv¥R3¥R3job
参考
SAP ERP システム上で同時に実行できるSAP ERP システムジョブの数は、バックグラウンド用に割り当てられたSAP ERP システムのWP(ワークプロセス)の数に依存します。このWP数は、時間指定などによって動的に変化させられます。夜間はバックグラウンドのWP数を多くして、同時に実行できるSAP ERP システムジョブの数を増やすとよいでしょう。WPの詳細は、SAP ERPのドキュメントを参照してください。