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Interstage Application Server V12.1.0 J2EE ユーザーズガイド(旧版互換)
FUJITSU Software

15.8.2 policytoolコマンドの設定

policytoolコマンドの具体的な設定方法について、以下の環境を例に説明します。

使用ライブラリ

プレインストール型Javaライブラリ

オペレーティングシステム

Microsoft(R) Windows Server(R) 2012

Javaのバージョン

JDK/JRE 8

CORBAクライアントのインストールディレクトリ

C:\Interstage\ODWIN

ユーザ名

guest

インポートした証明書の別名

sampleuser

(1)policytoolコマンドの起動

policytoolコマンドを起動します。
表示される「Policy Tool」画面を以下に示します。



(2)キーストア(証明書データベース)の格納位置の指定

キーストアファイルの格納位置、およびキーストアのタイプを指定します。
policytool起動後最初に表示される「Policy Tool」画面内で、プルダウンメニュー「編集」→「キーストアの変更」を選択すると、以下のような「キーストア」画面が表示されます。



「新規キーストアのURL」フィールドへ使用するキーストアの格納位置を指定し、「新規キーストアのタイプ」フィールドにはキーストアタイプを指定します。それぞれのフィールドへ指定する内容を以下に示します。
設定後は、「キーストア」画面上の「了解」ボタンを押下してください。

[キーストアのURL]フィールド

[キーストアURL]フィールドに、“(5)証明書のインポート”で作成されたキーストアの格納位置をキーストアファイル名も含めてURL形式で指定します。
デフォルトの場合の格納先、キーストアおよびポリシーファイルのファイル名を以下に示します。

格納先

キーストアファイル

ポリシーファイル

ログインユーザのプロファイルディレクトリ

「Microsoft(R) Windows Server(R) 2012」およびログイン名「guest」の場合

キーストア格納位置

file:c:/Users/guest/.keystore

ポリシーファイル格納位置

c:\Users\guest\.java.policy

.keystore

.java.policy

ログインユーザのホームディレクトリ


ポイント

キーストアの格納位置には、URL上のキーストアを指定することも可能です。URL上のキーストアを指定する場合は、“(4)証明書のエクスポート”、“(5)証明書のインポート”の手順は不要となります。

[キーストアタイプ:]フィールド

[キーストアタイプ]フィールドに、「jks」を指定します。

設定画面の例を以下に示します。



(3)エントリの作成

[ポリシー・ツール]画面の[ポリシー・エントリの追加]ボタンをクリックすると、以下の[ポリシー・エントリ]画面が表示されます。

本画面で各権限を設定します。



(4)権限の設定

「ポリシーエントリ」画面上の「アクセス権の追加」ボタンを押下し、「アクセス権」画面を表示します。この画面上で権限を設定します。



1組の[アクセス権:]、[ターゲット名:]、および[アクション:]の値を指定し、[OK]ボタンをクリックして権限を設定します。[OK]ボタンをクリックすると、[ポリシー・エントリ]画面に戻ります。次の1組の値を設定する場合は、[アクセス権の追加]ボタンを再度クリックして、本操作を繰り返し、必要な情報を設定します。

なお、設定する権限は、「プレインストール型Javaライブラリを使用する場合」と「Portable-ORBを使用する場合」で異なります。

設定が必要な権限を以下に示します。


プレインストール型Javaライブラリを使用する場合

◇通常運用で必要な権限

通常の運用では、セキュリティ上の安全性を確保するため、この権限以外は設定しないでください。

権限種別

設定する権限

アクセス権

ターゲット名

アクション

ランタイム権限

RuntimePermission
(java.lang.RuntimePermission)

loadLibrary.<ライブラリ名> (注1)

設定不要

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

com.fujitsu.*

read

注1インストールしている機能により以下のダイナミックリンクライブラリ(DLL)名を指定します。なお、拡張子を指定する必要はありません。

インストールしている機能

ダイナミックリンクライブラリ

CORBAサービスクライアント(クライアント機能)

ODjava4

CORBAサービス(サーバ機能)

ODjavas4


◇CORBAサービスの内部ログを採取する場合に必要な権限 (注2)

権限種別

設定する権限

アクセス権

ターゲット名

アクション

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

user.dir

read

java.class.path

read

ファイル権限

FilePermission
(java.io.FilePermission)

${user.dir}\*

read, write

%OD_HOME%\etc\config (注3)

read

2) CORBAサービスの内部ログの詳細は、“チューニングガイド”の“config”を参照してください。なお、ログ採取後は追加した権限を削除してください。
3) %OD_HOME%は、CORBAサービス、CORBAサービスクライアントのインストールパスを指定します(デフォルトは、C:\Interstage\ODWIN)。


Portable-ORBを使用する場合

◇通常運用で必要な権限

通常の運用では、セキュリティ上の安全性を確保するため、この権限以外は設定しないでください。

権限種別

設定する権限

アクセス権

ターゲット名

アクション

通信権限

SocketPermission
(java.net.SocketPermission)

通信先サーバ名 (注1)

connect

注1)JavaアプレットをダウンロードしたWebサーバ以外のサーバマシンと通信する場合に、通信先サーバ分の通信先サーバ名を設定します。通信するサーバマシンがJavaアプレットをダウンロードしたWebサーバだけの場合、設定する必要はありません。
通信先サーバ名として、以下のホスト名を指定します。

  • porbeditenvコマンドの「ホスト情報」で設定したホスト名
    詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“porbeditenv”を参照してください。

  • 通信するサーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスに設定されているホスト名
    odlistnsコマンド(-lオプション指定)で表示される「オブジェクトのホスト名」です。


EJBアプリケーションを使用する場合に必要な権限 (注2)

権限種別

設定する権限

アクセス権

ターゲット名

アクション

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

com.fujitsu.*

read

java.class.path

read

ランタイム権限

RuntimePermission
(java.lang.RuntimePermission)

getClassLoader

(指定不要)

) EJBアプリケーションの詳細については、“第3部 EJB編”を参照してください。


◇Portable-ORBのログ情報を採取する場合に必要な権限 (注3)

権限種別

設定する権限

アクセス権

ターゲット名

アクション

ファイル権限

FilePermission
(java.io.FilePermission)

ログ採取ファイル (注4)

read, write, delete

ログ採取ディレクトリ (注5)

read

注3)Portable-ORBのログ情報の詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“porbeditenv”を参照してください。なお、ログを採取する場合は、事前にporbeditenvコマンドの「ログ格納ディレクトリ」で指定したディレクトリを作成しておく必要があります。また、「ログ格納ディレクトリ」にはログ採取ファイル以外のユーザ資源などを格納しないでください。ログ採取後は、追加した権限を削除してください。
注4)porbeditenvコマンドの[ログ格納ディレクトリ]で指定したディレクトリ名に「\*」を付加したパスを指定します。[ログ格納ディレクトリ]に「c:\log\porb」と指定した場合は、「c:\log\porb\*」です。
注5)porbeditenvコマンドの[ログ格納ディレクトリ]で指定したディレクトリ名を指定します。


◇SSL連携機能を使用する場合に必要な権限 (注6)

権限種別

設定する権限

アクセス権

ターゲット名

アクション

ファイル権限

FilePermission
(java.io.FilePermission)

keystoreディレクトリ (注7)

read

注6)SSL連携機能の詳細については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“Portable-ORBでSSLを利用する方法”を参照してください。
注7)porbeditenvコマンドの[キーストア格納位置]で指定した格納位置、または-ORB_FJ_PORB_SSLPathパラメタで指定した格納位置を指定します。例えば、格納位置が「C:\Interstage\PORB\etc\keystore」の場合は、「C:\Interstage\PORB\etc\keystore」です。キーストアの格納位置がネットワーク上(HTTP指定)である場合、指定する必要はありません。


◇サーバアプリケーションでユーザ情報獲得用のAPIを使用する場合に必要な権限 (注8)

権限種別

設定する権限

アクセス権

ターゲット名

アクション

プロパティ権限

PropertyPermission
(java.util.PropertyPermission)

user.name

read

注8)ユーザ情報獲得用のAPIの詳細については、“リファレンスマニュアル(API編)”の“TD_get_user_information”、“TD::get_user_information”、“TDGETUSERINFORMATION”を参照してください。

「アクセス権」画面の設定例

ランタイム権限の設定画面の例を以下に示します。


プロパティ権限の設定画面の例を以下に示します。


(5)署名付きJavaクラスのための証明書の指定

どの証明書に対する権限かを指定します。

[SignedBy:]フィールドに、キーストアにインポートした名前(別名)を指定し、[完了]ボタンをクリックします。



(6)プレインストール型Javaライブラリの権限の設定

プレインストール型Javaライブラリの権限を設定します。
[ポリシー・ツール]画面の[ポリシー・エントリの追加]ボタンをクリックし、ランタイム権限、プロパティ権限、およびファイル権限をそれぞれ設定します(“(3)エントリの作成”、“(4)権限の設定”)。
各権限の設定後、[ポリシーエントリ]画面の[CodeBase:]フィールドにプレインストール型Javaライブラリを指定し、[完了]ボタンをクリックします。



(7)保存

設定した権限をセキュリティポリシーファイルとして保存します。
初回作成時は、プルダウンメニューの[ファイル]の[別名保存]をクリックし、ポリシーファイルの名前および格納位置を指定します。2回目以降は、[ポリシー・ツール]画面の[ポリシーファイル:]フィールドで指定します。
デフォルトで指定するディレクトリは使用するオペレーティングシステムにより異なります。格納ディレクトリについては、[キーストアのURL]フィールドの表を参照してください。

プルダウンメニューの[ファイル]の[保存]をクリックすると、ポリシーファイルから以下のダイアログメッセージが表示されます。




(8)policytoolコマンドの終了

[ポリシーファイル:]フィールドに保存されたポリシーファイルが表示されていることを確認し、[ポリシー・ツール]画面で、プルダウンメニューの[ファイル]の[終了]をクリックします。