分散トランザクション機能(JTS)を利用したアプリケーションを運用するには、トランザクションサービス(OTS)が必要です。
また、JTSはJ2EEアプリケーションクライアント、Webアプリケーション、およびEJBアプリケーションから利用することが可能です。
それぞれのサービスのインストール手順、および環境設定方法については、“インストールガイド”および“運用ガイド(基本編)”を参照してください。
分散トランザクション機能、およびJTSの提供するJTAインタフェースについては、“第5部 JTS/JTA編 ”を参照してください。
JTSアプリケーションの運用開始までの手順を以下に示します。
注意
Interstage管理コンソールではJTS用リソース管理プログラムは、“トランザクションサービス(JTS RMP)”と表示されます。
1.リソースマネージャの環境設定
リソースマネージャの環境設定はリソースマネージャのマニュアルを参照してください。
JTSで各種リソースマネージャを利用するためには、必要なクラスパスを設定する必要があります。必要なクラスライブラリは各リソースマネージャのマニュアルを参照してください。
リソースマネージャのクラスパスを設定するには、Interstage管理コンソールのシステムの環境設定を開いて、[J2EEプロパティ]にクラスパスを設定してください。
データベースを利用する場合に設定する必要があります。
例
Oracleの場合
ojdbc6.jar
Connectorを利用してリソースアダプタと連携する場合に設定する必要があります。
注意
リソースマネージャの環境設定に関する注意事項
Interstage管理コンソールを使用しない場合、環境変数classpathはシステム環境変数に設定してください。
環境変数を有効にするためには、Interstageの再起動が必要になります。
注意
リソースマネージャにOracleを使用する場合の注意事項
データベースの構築
JTSとEJBを利用した分散トランザクション機能配下でOracleを利用する場合は、Oracle JVMが有効になるようにデータベースを構築する必要があります。
データベースの設定
Oracleデータベースで分散トランザクションを利用可能とするために、以下の設定が必要になります。
SYSユーザとして sqlplus にログオンします。
sqlplus "sys/password@ORACLE_SID AS SYSDBA" |
次の sql を実行します。
grant select on DBA_PENDING_TRANSACTIONS to username |
Oracle Real Application Clustersとの連携
JTSは、OracleのオプションであるOracle Real Application Clusterとの連携をサポートしていません。
2.トランザクションサービスの環境設定
Interstage管理コンソールで、トランザクションサービス(OTS)の環境設定を行います。
注意
トランザクションサービスの環境設定に関する注意事項
セットアップの詳細設定を変更した場合、トランザクションサービスの環境が再構築されます。
そのため、今まで登録されていたJTS用リソース定義情報は、すべて削除されます。
再度、対象のリソースをグローバルトランザクションで使用するには、リソースの環境設定でJDBCデータソースを使用する場合は、“分散トランザクションを使用する”を選択し、connectorを使用する場合は、“グローバルトランザクションの利用”を“する”に選択し、適用してください。
3.リソース定義情報の登録
Interstage管理コンソールを使用して、JTS用リソース定義の登録を行います。
JDBCデータソースをグローバルトランザクションで使用する場合
サービスリストからJDBCデータソースの新規作成を選択して、“分散トランザクションを使用する”をチェックし、適用してください。
connectorをグローバルトランザクションで使用する場合
サービスリストからリソースアダプタの配備を選択して、“グローバルトランザクションの利用”を“する”にチェックし、適用してください。
登録済みのリソース定義をグローバルトランザクションで使用する場合
サービスリストから対象リソースの環境設定を選択して、以下をチェックし、適用してください。
JDBCリソースの場合、“分散トランザクションを使用する”
connectorの場合、“グローバルトランザクションの利用”の“する”
注意
リソース定義情報の登録に関する注意事項
JDBCデータソースでサポートされるデータベースは、Oracleのみになります。
SymfowareとSQL Serverでは、“分散トランザクションを使用する”が選択できません。
JTSを使用した分散トランザクション処理で、リソースマネージャにOracleを利用する場合、かつ
同一ホスト上で、かつ同一データベースインスタンスを参照するデータソースを複数登録する場合、
以下の対処を行ってください。
データベースのあるホストのIPアドレスを異なるホスト名になるように以下のファイルに定義する。
%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts
/etc/hosts
例
記述例
192.0.2.110 oracle_db1 |
JDBCデータソース定義の接続ホスト名に上記のホスト名をデータソース単位に割り振って記述する。
その結果、同一ホスト、同一インスタンスのデータベースURLが異なるように設定する。
例
サーバURLの例
データソース1のサーバURL:jdbc:oracle:thin:@oracle_db1:1521:ORCL |
4.データベースの起動
データベースを起動します。
データベースの起動方法については、データベースのマニュアルを参照してください。
5.トランザクションサービスの起動
Interstage管理コンソールを使用して、Interstageを起動します。同時にトランザクションサービスも起動します。
システムの環境設定でトランザクションサービス(OTS)の環境設定が行われている場合は、Interstageの起動と一緒にトランザクションサービスも起動します。
注意
トランザクションサービスの起動に関する注意事項
“トランザクションサービス(JTS RMP)”は連携するデータベースの起動に依存してダウンリカバリ処理を実施するため、サーバマシンの再起動時には自動起動されません。そのため、データベースの起動後に以下のいずれかの作業が必要になります。
Interstage管理コンソールを使用して、Interstageを再起動する
otsstartrscコマンドを利用して、JTS用リソース管理プログラムを起動する。
6.アプリケーションの起動
Interstage管理コンソールで、ワークユニットを起動します。