認証基盤の環境構築を行う前にSSL環境の構築を行う必要があります。
SSL環境の構築の流れを以下に示します。
■認証サーバでSSL通信を行う場合
認証サーバでSSL通信を行う場合は、運用により以下に示す設定を行ってください。
必要な設定
証明書の有効性を確認する場合
上記の設定に加え、“証明書認証の有効性確認を行うための準備”を行ってください。
Interstage Security Directorを使用して運用する場合
上記の設定に加え、“Interstage Security Directorを使用して運用する場合の設定”を行ってください。
■SSL通信をSSLアクセラレータで行う場合
SSL通信をSSLアクセラレータで行う場合は、運用により以下に示す設定を行ってください。
必要な設定
証明書の有効性を確認する場合
上記の設定に加え、“証明書認証の有効性確認を行うための準備”をしてください。
■SSL通信をInterstage Security Directorで行う場合
Interstage Security Directorと認証サーバ間を非SSL通信で行う場合は、運用により以下に示す設定を行ってください。
必要な設定
証明書の有効性を確認する場合
上記の設定に加え、“証明書認証の有効性確認を行うための準備”をしてください。
各サーバでSSL通信する場合、サイト証明書を取得し、Interstage証明書環境に登録する必要があります。サイト証明書の取得、およびInterstage証明書環境への登録方法については“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage証明書環境の構築と利用”を参照してください。
なお、すでにサイト証明書を取得、登録済みの場合は、登録済みのサイト証明書を使用できます。
以下に、SSL通信を行うための準備例を示します。
Interstage証明書環境のアクセス権限の設定
Interstage証明書環境を構築する前に、Interstage証明書環境へのアクセスを許可する、所有グループを作成しておく必要があります。作成した所有グループは、Interstage証明書環境を構築時にscsmakeenvコマンドの-gオプションに指定してください。
なお、Interstage証明書環境の所有グループに登録する実効ユーザは、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)のUserディレクティブに設定されているユーザを使用する必要があります。
Interstage証明書環境のアクセス権限の設定については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage証明書環境の構築と利用”を参照してください。
Interstage証明書環境の作成とSSL通信に使用する証明書の取得申請
申請情報として、識別名(国名、英数字氏名、英数字組織名、英数字組織単位名、都道府県名、市区町村名など)を指定して、SSL通信に使用する証明書の取得申請を行うための証明書取得申請書(CSR)を作成します。このとき同時に、Interstage証明書環境も作成します。
証明書取得申請書(CSR)の作成にはscsmakeenvコマンドを使用します。その証明書取得申請書(CSR)を認証局に取得申請して証明書の発行を依頼します。
証明書取得申請書(CSR)の作成については、“D.3 Interstage証明書環境の作成とSSL通信に使用する証明書の取得申請書の作成”を参照してください。
認証局については、“セキュリティシステム運用ガイド”を参照してください。
SSL通信に使用する証明書の登録
認証局から発行されたサイト証明書と、その証明書の発行者である認証局証明書を取得し、証明書・CRL登録コマンド(scsenter)を使用してInterstage証明書環境に登録します。
Interstage証明書環境への証明書の登録については、“D.4 SSL通信に使用する証明書の登録”を参照してください。
Interstage管理コンソールを使用して、SSLの定義を作成します。
SSLの定義を作成するには、[システム] > [セキュリティ] > [SSL] > [新規作成]タブを選択し、[簡易設定]を行います。確認したサイト証明書のニックネームを選択し、SSL定義を作成してください。
Interstage管理コンソールの起動については“運用ガイド(基本編)”を、Interstage管理コンソールで定義する項目の詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
SSL環境定義の各項目については以下のように設定してください。
定義名
SSL定義を識別する名前を設定してください。ここで設定した定義名は認証サーバ構築時に指定します。
サイト証明書のニックネーム
“2.4.1.1 SSL通信を行うための準備”で、Interstage証明書環境にサイト証明書を登録した際に指定したニックネームを設定してください。登録したサイト証明書はInterstage管理コンソールの[システム] > [セキュリティ] > [証明書] > [サイト証明書]画面で参照できます。
プロトコルバージョン
Interstage管理コンソールのヘルプを参照し、必要に応じて変更してください。ただし、“SSL 2.0”は選択しないでください。
クライアント認証
証明書認証を行う場合は、“する(クライアント証明書が提示された場合、認証する)”を選択し、証明書認証を行わない場合は、“しない”を選択してください。
暗号化方法
Interstage管理コンソールのヘルプを参照し、必要に応じて変更してください。
認証局証明書のニックネーム
Interstage管理コンソールのヘルプを参照し、必要に応じて変更してください。
証明書認証時にCRL(Certificate Revocation List)による証明書の有効性確認を行うことができます。以下に、証明書の有効性確認の運用を行う場合の準備について説明します。
証明書の有効性確認の運用を行わない場合、以下の準備を行う必要はありません。
■認証サーバでSSL通信を行う場合
認証サーバでSSL通信を行う場合は、以下に示す設定を行ってください。
注)“2.4.1.1 SSL通信を行うための準備”で登録したサイト証明書とは異なる認証局から発行されたCRLを登録する場合に行ってください。
■SSL通信をSSLアクセラレータで行う場合、またはSSL通信をInterstage Security Directorで行う場合
SSL通信をSSLアクセラレータ、またはInterstage Security Directorで行う場合は、以下に示す設定を行ってください。
注)Interstage証明書環境がすでに作成されている場合は、作業を行う必要はありません。
SSLアクセラレータを使用する場合は、運用に合わせてSSLアクセラレータの設定を行う必要があります。設定方法については、“1.6.3 SSLアクセラレータとの連携”を参照してください。
Interstage Security Directorを使用して運用する場合は、Interstage Security Directorの環境設定を行う必要があります。設定方法については、“1.6.4 Interstage Security Directorとの連携”のInterstage Security Directorの設定に関する説明を参照してください。