1) データベースの準備
国名と総人口のデータを格納するデータベースを作成します。データベースはava EE機能が提供する開発用の簡易データベースであるDerby(Java DB)を使用します。
以降の手順でDerbyに以下の設定項目のような環境を作成します。設定項目と異なる環境の場合は、その設定項目は以降の説明では読み替えてください。設定方法の詳細はInterstage Application Serverのマニュアルを参照してください。
項目 | 内容 |
---|---|
サーバ名 | localhost |
データベース | COUNTRYDATA |
リモート接続のポート番号 | 1527 |
ユーザ名 | データベースにアクセスできるユーザ名 |
パスワード | ユーザ名に対するパスワード |
スキーマ | STUDIO |
1-1) データベースの起動
以下のコマンドを実行してデータベースを起動してください。デフォルトでは、データベースとして1527ポートが使用されます。1527ポートが他のサービスですでに利用されている場合は起動エラーとなりますので、1527ポートを使用しているサービスを停止して再度コマンドを実行するか、--dbportオプションを指定して空いているポートを指定してください。詳細については、Interstage Application Serverのasadminコマンドの使用方法をご確認ください。
C:\Interstage\APS\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin start-database
(本製品をC:\Interstageにインストールした場合です。本章の以降の例も同様です。)
2) データベースへの接続
2-1) パースペクティブの切り替え
メニューバーから[ウィンドウ] > [パースペクティブ] > [パースペクティブを開く] > [その他]を選択すると、[パースペクティブを開く]ダイアログボックスが表示されます。[パースペクティブを開く]ダイアログボックスから[データベース開発]を選択して、[OK]をクリックします。
2-2) 接続プロファイルの作成
データソースエクスプローラビューから[データベース接続]を選択して、右クリックします。コンテキストメニューから[新規]を選択すると、[新規接続プロファイル]ウィザードが表示されます。
[接続プロファイル・タイプ]リストから[Derby]を選択します。以下の情報を設定後、[次へ]をクリックします。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
名前 | Derby_Studio |
[ドライバーおよび接続の詳細の指定]ページが表示されます。
[ドライバー]の右にある(新規ドライバー定義)をクリックすると、[新規ドライバー定義]ダイアログボックスが表示されます。[名前/タイプ]タブの[使用可能なドライバー・テンプレート]リストから[データベース]の[Derby クライアント JDBC ドライバー]の[システム・バージョン]10.8を選択し、[Jarリスト]タブをクリックします。
[ドライバー・ファイル]のderbyclient.jarを選択して、[Jar/Zipの編集]をクリックします。
[ファイルの選択]ダイアログボックスが表示されます。以下のファイルを選択して[開く]をクリックします。
C:\Interstage\APS\F3FMisje6\javadb\lib\derbyclient.jar
[OK]をクリックします。[ドライバーおよび接続の詳細の指定]ページに戻ります。
[プロパティー]グループの項目を以下のように設定します。 [次へ]をクリックすると[要約]ページが表示されます。
[プロパティー]グループの[一般]タブ
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
データベース名 | COUNTRYDATA |
ホスト | localhost |
ポート番号 | 1527 |
ユーザ名 | user |
パスワード | ユーザ名に対するパスワード(省略値はusrです) |
[要約]ページでは、入力した情報を確認することができます。
以下の情報を確認後、[完了]をクリックします。
確認項目 | 確認内容 |
---|---|
名前 | Derby_Studio |
説明 | なし |
開始時に自動接続 | false |
完了時に自動接続 | true |
データベース | COUNTRYDATA |
ホスト | localhost |
ポート番号 | 1527 |
ユーザ名 | データベースに接続するためのユーザID(user) |
デーテベースを作成(必要に応じて) | true |
データベースを現行バージョンへアップグレード | false |
パスワードの保管 | false |
URL | jdbc:derby://localhost:1527/COUNTRYDATA;create=true |
2-3) データベースとの接続
デフォルトでは、[新規接続プロファイル]ウィザードの[ドライバーおよび接続の詳細の指定]ページで[ウィザード完了時に接続]がチェックされています。この状態ではウィザード完了時に自動的にデータベースへ接続されます。
手動で接続する場合には、データソースエクスプローラビューから作成した接続プロファイル[Derby_Studio]を選択します。右クリックするとコンテキストメニューが表示されるので、コンテキストメニューから[接続]を選択します。
3) テーブルの作成
3-1) パースペクティブの切り替え
[パースペクティブを開く]ダイアログボックスで[リソース]を選択して、[OK]をクリックします。
3-2) プロジェクトの作成
SQLファイルを置くためのプロジェクトを作成します。既存のプロジェクトにSQLファイルを置く場合は、プロジェクトを作成する必要はありません。メニューバーから[ファイル] > [新規] > [プロジェクト]を選択すると、[新規プロジェクト]ウィザードが表示されます。新規プロジェクトウィザードから[一般] > [プロジェクト]を選択して、[次へ]をクリックします。
以下の設定項目を確認、入力してください。以下の情報を設定後、[完了]をクリックします。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
プロジェクト名 | DBSample |
3-3) SQLファイルの作成
テーブルを作成するSQLファイルをプロジェクトの直下に作成します。プロジェクトエクスプローラビューで[DBSample]プロジェクトを選択して、右クリックします。コンテキストメニューから[新規] > [その他]を選択します。[新規]ウィザードから[SQL開発] > [SQLファイル]を選択して、[次へ]を選択すると、[新規 SQL ファイル]ウィザードが表示されます。
以下の設定項目を確認、入力してください。以下の情報を設定後、[完了]をクリックします。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
ファイル名 | countrydata.sql |
データベース・サーバー・タイプ | Derby_10.8 |
接続プロファイル名 | Derby_Studio |
データベース名 | COUNTRYDATA |
3-4) SQLファイルの編集
作成したSQLファイルに以下のようにスキーマ定義、テーブル定義、インデックス定義、データ挿入を記述します。
SQLファイルの定義
CREATE SCHEMA STUDIO; CREATE TABLE STUDIO.C_DATA ( ID INTEGER PRIMARY KEY NOT NULL, C_NAME VARCHAR(80), T_POP NUMERIC(10) ); CREATE INDEX ID ON STUDIO.C_DATA(ID); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(1, '中国', 1373490000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(2, 'インド', 1292710000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(3, 'アメリカ', 321600000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(4, 'インドネシア', 255460000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(5, 'ブラジル', 204460000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(6, 'パキスタン', 189870000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(7, 'ナイジェリア', 178720000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(8, 'バングラデシュ', 159860000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(9, 'ロシア', 143460000); INSERT INTO STUDIO.C_DATA VALUES(10, '日本', 126980000); |
3-5) SQLの実行
SQLファイルエディタで作成したSQLファイルを開いて、エディタ領域上で右クリックします。コンテキストメニューから[すべて実行]を選択します。
SQLの実行結果は、[SQLの結果]ビューで確認します。
4) テーブルの確認
4-1) パースペクティブの切り替え
[パースペクティブを開く]ダイアログボックスで[データベース開発]を選択して、[OK]をクリックします。
4-2) テーブル定義の確認
作成したテーブルはデータソースエクスプローラビューで確認できます。内容を更新するには、接続プロファイル[Derby_Studio]を選択して、右クリックします。コンテキストメニューから[リフレッシュ]を選択します。
4-3) テーブルのデータ参照
作成したテーブルのデータをテーブルデータエディタで参照することができます。テーブルデータエディタは、データソースエクスプローラビューで[データベース接続] > [Derby_Studio] > [COUNTRYDATA] > [スキーマ] > [STUDIO] > [テーブル] > [C_DATA]を選択して、右クリックでコンテキストメニューを表示します。コンテキストメニューの[データ] > [編集]を選択することで起動します。
ポイント
エディタのセルを編集することで、値を変更することができます。またセルを選択して、コンテキストメニューから行の削除や行の追加などの編集が可能です。