各J2EE1.4アプリケーションをInterstage Application ServerのJ2EEコンテナ(IJServer)で動作確認する方法を説明します。
J2EEアプリケーションを動作確認するには、J2EEアプリケーションをサーバに配備して、サーバを起動します。これらの操作はサーバビューで行います。クライアントからJ2EEアプリケーションを呼び出すことで動作確認を行います。また、プログラムの実行を中断してコードを1行ずつ実行したり、変数の値を確認するには、デバッグを行います。
サーバを操作するための準備
サーバの起動や停止といった操作を行うために、サーバビューに操作対象とするサーバを追加します。
サーバを追加する
動作確認を行うアプリケーションの配備先となるサーバをサーバービューに追加します。サーバの追加には、新規サーバウィザードを使用します。サーバビューでコンテキストメニューから[新規] > [サーバー]を選択します。ウィザードの設定項目については、以下を参考にしてください。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
サーバーのホスト名 | サーバがあるホストの名前を指定します。ローカルマシンの場合は"localhost"を指定します。リモートマシンの場合はホスト名(IPアドレス)を指定します。 |
サーバーのタイプを選択 | サーバのタイプを選択します。対象とするバージョンのサーバタイプを選択します。Interstage Application ServerのJ2EEアプリケーション実行環境の場合は、[FUJITSU LIMITED] > [Interstage Application Server V12.1 (J2EE)]を選択します。 |
サーバー名 | サーバ名をカスタマイズできますが、Interstage Studioでは、ここでの変更は反映されず、以下の形式となります。 「[サーバタイプ名] (ホスト名)」 |
サーバー・ランタイム環境 | サーバのタイプに対応するランタイム設定を指定します。サーバタイプとサーバランタイムは1対1で関連付いているため、特に変更する必要はありません。Interstage Application ServerのJ2EEアプリケーション実行環境の場合は、[Interstage Application Server V12.1 (J2EE)]を選択します。 |
管理コンソールへの接続にHTTPS通信を使用する | Interstage管理コンソールを表示する際に、SSL暗号化通信を使用する場合にチェックします。サーバの設定に合わせる必要があります。 Interstage管理コンソールの運用に、SSL暗号化通信を使用するかどうかの設定は、Interstage Application Serverのインストール先の\gui\etc\httpd.confファイルの "# ---- Configuration for SSL ---" に続く行を参照してください。 詳しくは"Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)"を参照してください。 例) C:\Interstage\APS\gui\etc\httpd.conf |
Interstage管理コンソールのポート番号 | Interstage管理コンソールのポート番号を指定します。通常は変更する必要はありません。デフォルトのポート番号は12000です。サーバ環境に合わせて変更してください。 サーバの設定はInterstage Application Serverのインストール先の\gui\etc\httpd.confファイルのListenに設定されている値を参照してください。 例) C:\Interstage\APS\gui\etc\httpd.conf |
Interstage JMX サービスのポート番号 | Interstage JMXサービスが、Interstage管理コンソールの要求を受け付けるポート番号を指定します。デフォルトのポート番号は12200です。サーバ環境に合わせて変更してください。ホストがリモート環境の場合に設定可能です。 |
ログイン | サーバへの接続を行います。既に接続済みもしくは、ボタンを押してログインに成功するとボタンは押せない状態となります。 接続先のサーバがlocalhost以外の場合は、認証ダイアログボックスが表示されるので、ユーザ名とパスワードを指定します。ただし、localhostの場合でも、管理者権限のないユーザの場合は、認証ダイアログボックスが表示されるので、Windowsの管理者権限を持つユーザ名および、パスワードを設定してください。 |
ユーザ名 | サーバ接続に使用するユーザ名を指定します。ここで指定したユーザ名でアプリケーションサーバの認証が行われます。認証に使用するユーザ名によっては、操作が制限されます。認証と制限される操作の詳細は、"Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)"を参照してください。 |
パスワード | 認証に使用するパスワードを指定します。 |
IJServer | 接続したサーバに定義されているIJServerの一覧が表示されるので、対象とするIJServerを選択します。 |
HTTPポート番号 | サーバのHTTPポート番号を指定します。デフォルト値が表示されるので、サーバの設定に合わせて変更してください。 WebサーバとしてFJapacheを使用している場合、サーバの設定はInterstage Application Serverのインストール先の\F3FMihs\servers\FJapache\conf\httpd.confファイルのListenディレクティブの値を参照してください。 例) C:\Interstage\APS\F3FMihs\servers\FJapache\conf\httpd.conf |
プロジェクトの追加および除去 | サーバに配備するプロジェクトを指定します。使用可能なプロジェクトにプロジェクトの一覧が表示されるので、配備するプロジェクトを構成プロジェクトに追加します。 プロジェクトの追加は、サーバ追加後にもコンテキストメニューから実施することができます。 |
注意
EJB2.1のアプリケーションおよび、Webサービスアプリケーションが動作可能なIJServerの種別はWebアプリケーションとEJBアプリケーションを同一JavaVMで運用のみとなります。
追加したサーバの情報を変更することはできません。変更したい場合は、追加したサーバを削除した後、再度サーバを追加してください。サーバを削除するには、サーバビューでサーバを選択し、コンテキストメニューから[削除]を選択します。
プロジェクトとサーバの関連付け
サーバに配備するプロジェクトの指定は、プロジェクトをサーバビューのサーバに追加することによって行います。サーバに配備するプロジェクトを追加するには、プロジェクトの追加および除去ウィザードを使用します。プロジェクトの追加および除去ウィザードを起動するには、サーバビューでサーバを選択し、コンテキストメニューから[追加および除去]を選択してください。
ダイアログボックスの設定項目については、以下を参考にしてください。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
追加および除去 | サーバに配備するプロジェクトを指定します。使用可能なプロジェクトにプロジェクトの一覧が表示されるので、配備するプロジェクトを構成プロジェクトに追加します。 |
注意
サーバに既に別環境などで配備済みのアプリケーションが存在する場合は、サーバビューでは、プロジェクト名ではなく、モジュール名で表示されます。既存で配備済みのアプリケーションがあり、そのプロジェクトをインポートして配備した場合、サーバビュー上は「プロジェクト名」と「アプリケーション名」の両方が表示される状態となりますが、Interstage Application Serverへの配備モジュールは同一のものとなります。
サーバの起動
サーバビューでサーバを選択し、コンテキストメニューから[開始]または[デバッグ]を選択します。サーバを起動するときにアプリケーションを自動的に配備することができます。
ポイント
IJServerへの接続がまだ行われていない場合には、サーバビューでのIJServerの[状態]欄に何も表示されず、起動や停止といった操作が行えません。その場合はサーバビューでそのIJServerを選択し、コンテキストメニューから[接続/ログイン]を選択してIJServerへの接続を行ってください。
サーバを停止するには、サーバビューでサーバを選択して、ツールバーの[停止]を選択します。
注意
IJServerへ接続されている状態で、サーバのInterstage基盤サービスが停止された場合は、IJServerへの接続が切断されるため、サーバビューでのIJServerの操作に失敗します。操作に失敗した場合は、サーバビューでIJServerを選択し、コンテキストメニューから[最新表示]を選択してIJServerの状態を更新してから、コンテキストメニューの[接続/ログイン]を選択してIJServerへの再接続を行ってください。
IJServerにアプリケーションが配備されていない場合、[デバッグ]や[開始]を選択しても以下のエラーが表示されます。[追加および除去]ダイアログからプロジェクトを追加後、再度操作してください。
タイトル:警告
内容:サーバの起動に失敗しました。
タイトル:問題が発生
内容:'開始中 XXXXX [Interstage Application Server V12.1(J2EE)](YYYYY)'に問題が発生しました。
サーバー XXXXX [Interstage Application Server V12.1(J2EE)](YYYYY)は始動に失敗しました。
アプリケーションの実行
サーバに配備したJ2EEアプリケーションの動作を確認するには、J2EEアプリケーションを呼び出すクライアントアプリケーションを実行します。
クライアントアプリケーションが、Webアプリケーションの場合は、Webブラウザを起動し、アプリケーションのURLにアクセスすることで動作確認を行います。
ポイント
Webプロジェクトの場合は、サーバビューで、配備されているWebプロジェクトを選択して、コンテキストメニューから[Webブラウザ]を選択すると、URLを内部的に組み立ててWebブラウザを起動します。
J2EEアプリケーションを自動起動させるには、"ワークユニット自動起動"の設定を行うと共に、Interstage基盤サービスとINTERSTAGEサービスの起動が必要です。
"ワークユニット自動起動"の設定は、Interstage管理コンソールでワークユニットを選択し、環境設定タブ > ワークユニット設定 > ワークユニット自動起動で行います。
詳細はInterstage Application Serverのマニュアルを参照してください。
アプリケーションのデバッグ
アプリケーションをデバッグするには、サーバビューでサーバを選択し、コンテキストメニューから[デバッグ]を選択します。ブレークポイントを設定して、起動されたプログラムを中断し、コードを1行ずつ実行し、変数の内容を確認することによって行います。
デバッグの詳細については、"6.2.7.1 デバッグする"を参照してください。
一般ユーザ権限での動作確認
Windowsの一般ユーザ権限でJ2EEアプリケーションを動作確認する手順を示します。
注意
ドメイン環境のユーザ(ドメインコントローラが管理するユーザ)は使用することができません。
事前準備として管理者権限での操作が必要です。管理者権限でWindowsにログインし、以下の操作を行ってください。
Interstage基盤サービス操作ツールを起動します。
[J2EE実行環境を使用する]を選択し、[スタートアップの種類の変更]ボタンを押します。
[スタートアップの種類]画面では、[デバッグに必要なサービス]の[自動]を選択し、[OK]をクリックします。
[閉じる]をクリックして、Interstage基盤サービス操作ツールを終了します。
Windowsの[コントロールパネル] > [サービス]または[コントロールパネル] > [管理ツール] > [サービス]を実行し、"INTERSTAGE"サービスのスタートアップの種類を[自動]に変更します。
開発に使用するサーバとして、ローカルマシンにJ2EEのIJServerを作成します。
IJServerは、Interstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドを使用して作成してください。詳細は"C.4.1 アプリケーションの動作確認を行う配備先の準備"を参照してください。
以降の操作は、一般ユーザ権限で可能です。必要なサービスを起動するためにWindowsを再起動して、一般ユーザ権限でログインしてください。
ワークベンチを起動し、[サーバー]ビューで[新規] > [サーバー]を実行し、[新規サーバー]ウィザードでlocalhostのサーバを作成します。
注意
[新規Interstage Application Server]で[ログイン]ボタンを押すと、ユーザ名とパスワードの入力を要求されます。一般ユーザのユーザ名とパスワードを入力してください。
[IJServerの選択]では、事前準備で作成したIJServerを選択します。
作成したIJServerにアプリケーションを配備して実行/デバッグを行います。