ここでは、クローニングイメージの作成と取込みについて説明します。
以下の手順でクローニングイメージをイメージプールに登録します。
クローニングイメージの作成
本製品のマネージャーの「サンプルイメージの格納場所」にデフォルトで用意されている「サンプルのイメージファイル」を「イメージ格納ディレクトリ」にコピーします。
必要に応じて、サンプルのイメージファイルを編集し、新たなクローニングイメージを作成します。
イメージファイルを新規に作成する場合は、「イメージファイルを新規に作成する場合の注意点」を参照してください。
クローニングイメージの取込み
rcxadm image refreshコマンドを実行してクローニングイメージを取り込みます。
詳細は、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。
イメージプールにクローニングイメージを登録
クローニングイメージをイメージプールに登録します。
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「14.7.1 仮想イメージリソース」を参照してください。
サンプルイメージの格納場所
サンプルイメージの格納場所は下記のとおりです。
サンプルイメージをそのまま利用する場合、「イメージ格納ディレクトリ」にディレクトリごとコピーしてください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\vm_image\zone\sample\zone_sol11
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/vm_image/zone/sample/zone_sol11
サンプルのイメージファイル
zone_sol11
Solaris11用のイメージを構成するファイルは、下記のとおりです。
各ファイルは省略できません。存在しないファイルがあった場合、L-Server作成中に異常終了します。
各ファイルの詳細については、Solarisのマニュアルを参照してください。
zone.conf
以下のコマンドの出力結果を記載したファイルです。
zonecfg -z 非大域ゾーン名 export |
ただし、zonepath、anetについては記載を削除する必要があります。
このファイルを元に非大域ゾーンを作成します。
サンプルファイルには以下を記載します。
create -b |
注意
L-Server作成では、以下のリソースと属性を必要に応じて追加、変更します。
そのため、これらの属性と排他関係にあるリソースや属性をzone.confに記載しないでください。
zonepath
zonepathを記載した場合でも、内容に問題がなければ無視されます。
zonepathの記載内容に問題がある場合はL-Server作成処理が異常終了します。
pool
capped-memory: physical
capped-cpu: ncpus
anet
anetリソースを記載した場合でも、内容に問題がなければL-Server作成は成功します。
しかし、その後の運用中にMACアドレスの競合が発生する可能性があります。その場合、L-Server停止後の起動に失敗します。
anetリソースの記載内容に問題がある場合はL-Server作成処理が異常終了します。
fs
排他関係にあるリソースと属性の組合せ例
capped-cpu とdedicated-cpu
anetとip-type=shared
ai_manifest.xml
OSインストール時に指定するAIマニフェストです。
インストールするパッケージやディスクのパーティションなどがXML形式で定義されています。
ファイル中のSOLARIS_REPOは、L-Server作成時に大域ゾーンの設定値に置き換えられます。
ユーザーが変更できない箇所は、下線で示しています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!--
All rights reserved, Copyright Fujitsu LIMITED 2014
-->
<!DOCTYPE auto_install SYSTEM "file:///usr/share/install/ai.dtd.1">
<auto_install>
<ai_instance name="zone_ror">
<target>
<logical>
<zpool name="rpool">
<filesystem name="export" mountpoint="/export"/>
<filesystem name="export/home"/>
<be name="solaris">
<options>
<option name="compression" value="on"/>
</options>
</be>
</zpool>
</logical>
</target>
<software type="IPS">
<destination>
<image>
<!-- Specify locales to install -->
<facet set="false">facet.locale.*</facet> |
sc_profile.xml
OSインストール時に指定するSCプロファイルです。
ホスト名やIPアドレスなどのOSに設定する情報がXML形式で定義されています。
ユーザーが変更できない箇所は、下線で示しています。
<!DOCTYPE service_bundle SYSTEM "/usr/share/lib/xml/dtd/service_bundle.dtd.1"> <service_bundle type="profile" name="sysconfig"> <service version="1" type="service" name="system/config-user"> |
イメージ格納ディレクトリ
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\vm_image\zone\sol11
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/vm_image/zone/sol11
イメージファイルを新規に作成する場合の注意点
イメージファイルを新規に作成する場合の注意点は以下のとおりです。
サンプルイメージを元にして新しいイメージを作成してください。
また、サンプルイメージのファイル名は変更しないでください。
サンプルイメージのファイルに記載されている以下の値は変更しないでください。
zone.conf、ai_manifest.xmlに記載されている定義値
新しい定義は追加できます。
sc_profile.xmlに記載されている以下の項目の定義値
rootアカウントのパスワード (ROOT_PASSWORD)
rootのタイプ (ROOT_TYPE)
ユーザアカウントの設定項目 (USER_NAME、USER_PASSWORD)
タイムゾーン (TIMEZONE)
システムロケール (LOCALE)
ホスト名 (HOSTNAME)
IPアドレスのタイプ (ADDRESS_TYPE)
IPアドレス、サブネットマスク (IP_ADDRESS)
デフォルトゲートウェイ (DEFAULT_ROUTE)
NIC名 (LINK_NAME)
rcxadm image refreshコマンドにより検出されるイメージの名前は、作成したフォルダー名と同じになります。
例
Solaris11用のイメージを作成するために、"test"というフォルダを作成した場合、"test"という名前のイメージが検出されます。
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\vm_image\zone\sol11\test
ディレクトリ名は、先頭文字を半角英字(大文字/小文字)とし、半角英数字(大文字/小文字)とアンダースコア("_")で構成された32文字以内の文字列にしてください。この規約に反するイメージは取り込まれません。
以下の手順でクローニングイメージをイメージプールに登録します。
BladeLogicの仮想パッケージの作成
BladeLogicのコンソールから、以下のフォルダーにBladeLogicの仮想パッケージを作成します。
デポ/ROR/Solaris/vm/container |
仮想パッケージ名は、先頭文字を半角英字(大文字/小文字)とし、半角英数字(大文字/小文字)とアンダースコア("_")で構成された32文字以内の文字列を入力します。
詳細は、当社技術員に連絡してください。
ポイント
パッケージの作成には、サーバ管理製品の登録時に作成された仮想パッケージをコピーする方法と、使用せずに新規に作成する方法があります。
以下のいずれかの方法で作成してください。
新規に作成する場合
仮想パッケージに以下の項目を設定したあと、必要に応じて設定を追加してください。
[全般設定]
- ゾーン名: zone
- ゾーンパス: /zone
- リソースプール: pool_resource
- ホストの再起動での自動設定: チェックなし
- 作成後にゾーンを起動: チェックなし
- プロセッサの設定: デフォルト
- メモリの設定: デフォルト
[ネットワーク設定]
- IPタイプ: 排他
[ZFSデータセット]
- UFSだけをファイルシステムとして使用できます。本項目は指定しないでください。
[継承パッケージ ディレクトリ]
- ゾーンタイプ: 完全ルート
[カスタム属性]
- zone.cpu-capはL-Serverの作成および変更時に再設定されます。
コピーする場合
以下に格納されているBladeLogicの仮想パッケージからコピーしてください。
デポ/ROR/Solaris/vm/container/template/Zones |
これらの仮想パッケージには、「新規に作成する場合」に記載されている、動作に必要な最小限のパラメーターが設定されています。環境に合わせてパラメーターを修正してください。
また、仮想パッケージは本製品にサーバ管理製品を登録したときに追加されます。
作成したイメージをSolarisゾーンのVMホストに配備する場合、そのVMホスト以外でも利用できます。
BladeLogicの仮想パッケージの本製品への登録
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.5.1 採取・登録」を参照してください。
仮想イメージリソースをリソースプールに登録
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「14.7.1 仮想イメージリソース」を参照してください。