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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.3.0 導入ガイド
FUJITSU Software

8.3.5 ネットワークの手動設定

以下の場合、ネットワークの手動設定を行います。

事前に手動で仮想ネットワークを設定する場合、かつHyper-V以外のサーバ仮想化ソフトウェアを同一のマネージャーで利用している場合、ほかのサーバ仮想化ソフトウェア上の、仮想スイッチ、仮想ネットワークおよび仮想ブリッジで使用している名前と異なる名前を設定してください。


ネットワーク設定の自動化をサポートするVMホストの構成パターンとは異なる物理ネットワークアダプターの番号を使用する場合のネットワーク設定

上記の構成パターンとは異なる物理ネットワークアダプターの番号を使用する場合、以下の手順でネットワークを設定します。

  1. クラスタを構成するすべてのVMホストで、同じ名前(大文字/小文字も含む)の仮想ネットワークを作成します。

    これにより、VMホスト間でVMゲストを移動できます。System Center 2012 Virtual Machine Manager以降をVM管理製品として利用している場合、VMゲストの接続先の仮想ネットワークの種類は"外部"だけ使用できます。
    作成方法については、SCVMMのヘルプを参照してください。

  2. 同じ名前の仮想ネットワーク間が、タグVLANを利用して相互に通信できるようにLANスイッチブレードを設定します。

    RORコンソールのサーバリソースツリーで対象のLANスイッチブレードを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ネットワーク情報]を選択します。

    [VLANの設定]ダイアログが表示されます。

  3. VLANを設定します。

  4. 以下の定義ファイルに、仮想ネットワークとVLAN IDの対応を定義します。

    インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\vnetwork_hyperv.rcxprop

    定義ファイルの書式については、「仮想ネットワーク定義ファイルの書式」を参照してください。

  5. ネットワークリソースの作成

    • GUIの場合

      1. 手順2.~4.で指定したVLAN IDを持つ[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、[設定済の仮想スイッチ/ポートプロファイルを利用]チェックボックスにチェックを入れ、ネットワークリソースを作成します。

    • コマンドの場合

      1. ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成します。

        手順2.~4.で指定したVLAN IDをXMLファイルに定義します。

        このとき、Networkタグに、auto="false"を指定します。

      2. ネットワークリソースの作成は、手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。

        ネットワークリソースが作成されます。

参照

  • LANスイッチブレードの外部接続ポートのVLAN設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。

  • ネットワークリソースを定義したXMLファイルの作成、およびNetworkタグについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.6 ネットワークリソース」を参照してください。

  • rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.9 rcxadm network」を参照してください。

図8.6 ネットワーク構成図


事前に作成された仮想ネットワークとの接続

ブレードサーバでL-Serverのネットワークを冗長化しない場合、およびブレードサーバ以外の環境では、事前に作成されている仮想ネットワークに対して、VMゲストのNICにIPアドレスとVLAN IDを設定し、仮想ネットワークと接続する機能だけ提供します。仮想ネットワークは、事前に手動で設定してください。

また、事前に以下の設定が必要です。

事前準備
  1. 仮想ネットワークの作成

    クラスタを構成するすべてのVMホストで、同じ名前(大文字小文字も含む)の仮想ネットワークを作成します。
    これにより、VMゲストをVMホスト間で移動できます。System Center 2012 Virtual Machine Manager以降をVM管理製品として利用している場合、VMゲストの接続先の仮想ネットワークの種類は"外部"だけ使用できます。
    作成方法については、SCVMMのヘルプを参照してください。

  2. 仮想ネットワークの通信の設定

    同じ名前の仮想ネットワーク間が、タグVLANを利用して相互に通信できるようにLANスイッチブレードを設定します。

    1. RORコンソールのサーバリソースツリーで対象のLANスイッチブレードを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ネットワーク情報]を選択します。

      [VLANの設定]ダイアログが表示されます。

    2. VLANを設定します。

  3. 仮想ネットワークとVLAN IDの対応を定義

    本製品の以下の定義ファイルに、仮想ネットワークとVLAN IDの対応を定義します。

    インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\vnetwork_hyperv.rcxprop

    定義ファイルの書式については、「仮想ネットワーク定義ファイルの書式」を参照してください。

  4. ネットワークリソースの作成

    • GUIの場合

      手順2.~3.で指定したVLAN IDを持つ[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、[設定済の仮想スイッチ/ポートプロファイルを利用]チェックボックスにチェックを入れ、ネットワークリソースを作成します。

    • コマンドの場合

      1. ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成します。

        手順2.~3.で指定したVLAN IDをXMLファイルに定義します。
        このとき、Networkタグに、auto="false"を指定します。

      2. ネットワークリソースの作成は、手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。

        ネットワークリソースが作成されます。

参照

  • LANスイッチブレードの外部接続ポートのVLAN設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。

  • rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.9 rcxadm network」を参照してください。


VMゲストの仮想NIC自動設定

VMゲストの仮想NICにVLANを設定し、仮想ネットワークと接続します。

また、イメージを指定した場合、IPアドレスが自動で設定されます。IPアドレスの自動設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「16.3.1 [基本情報]タブ」の「ネットワーク(NIC)」を参照してください。

ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバで、ネットワークリソースを用いた仮想NICの設定と仮想ネットワークとの接続の構成例は以下のとおりです。

図8.7 ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバで、ネットワークリソースを用いた仮想NICの設定と仮想ネットワークとの接続


仮想ネットワーク定義ファイルの書式

仮想ネットワーク定義ファイルは、1行ごとに以下のように記述してください。

"VMホストに作成した仮想ネットワーク名"=VLAN ID[,VLAN ID...]

VLAN IDには、1~4094が指定できます。連続した数値を指定する場合、"1-4094"のようにハイフン("-")を用いて記述してください。

"Network A"=10
"Network B"=21,22,23
"Network C"=100-200,300-400,500

イコール("=")やカンマ(",")の前後に空白があっても無視されます。

仮想ネットワーク名は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。
ファイルは、文字コードをUTF-8にして保存してください。

同じ仮想ネットワーク名の行が複数あった場合、すべての行の指定が有効になります。

異なる仮想ネットワーク名の行に同じVLAN IDが含まれていた場合、ファイルの先頭に近い行が有効になり、それ以降の行は無視されます。

"Network D"=11
"Network D"=12 (注1)
"Network E"=11,15 (注2)

注1) "Network D"=11,12と記述した場合と同じになります。
注2) 11は無視されます。

L-Serverの作成時に、NICに接続したネットワークリソースのVLAN IDに対応する定義が見つからなかった場合、エラーになります。


MACアドレスプールに関する設定

System Center 2012 Virtual Machine Manager以降において、SCVMMと連携してNICを接続したL-Serverを作成する場合はNICに割り当てるMACアドレスを払い出すためにSCVMMのMACアドレスプールを使用します。

SCVMMでMACアドレスプールを既定の状態から変更していない場合、またはHyper-V環境用のMACアドレスプールが1つだけ存在する場合は、そのMACアドレスプールを使用します。

SCVMMにHyper-V環境用のMACアドレスプールが存在しない場合は、MACアドレスを払い出すMACアドレスプールをSCVMMから作成します。

SCVMMにMACアドレスプールが複数存在する場合は、以下の手順で、使用するMACアドレスプールを定義します。

  1. 本製品でテナントを利用する場合の設定

    SCVMMに複数のホストグループを作成している場合は、以下の手順で、ホストグループとテナントの構成を合わせます。

    1. 本製品でホストグループの数だけテナントを作成します。

    2. 各ホストグループに配置されたVMホストを、対応するテナントのローカルプールに登録します。

  2. L-Server作成時に使用するMACアドレスプールを定義

    本製品のMACアドレスプール定義ファイルに、L-Server作成時に使用するMACアドレスプールを定義します。

    また、1.で作成した各テナントごとに使用するMACアドレスプールを分ける場合は、MACアドレスプール定義ファイルに、各テナントで使用するMACアドレスプールを定義します。

    なお、SCVMMに複数のホストグループを作成している場合は、各テナント用の定義を作成し、ホストグループに割り当てられたMACアドレスプールを指定します。

    MACアドレスプール定義ファイルの書式については「MACアドレスプール定義ファイルの書式」を参照してください。


MACアドレスプール定義ファイルの書式

定義ファイルの格納先

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data

定義ファイル名

定義ファイル名には、テナントごととシステム共通で利用できる定義を分けて使用できます。

テナントごとの定義ファイルとシステム共通の定義ファイルが両方存在した場合、テナントごとの定義ファイルに記載されている定義が優先されます。

  • テナントごと

    scvmm_mac_pool_テナント名.rcxprop

  • システム共通

    scvmm_mac_pool.rcxprop

文字コード

UTF-8

改行コード

CR/LF

定義設定ファイルの形式

キー = 値

表8.24 定義ファイルの指定項目

項目

説明

キー

  • 登録されているSCVMMが1つの場合

    all

  • 複数のSCVMMが登録されている場合

    scvmm[SCVMMの登録名]

SCVMMで作成したMACアドレスプールの名前を指定します。

指定するMACアドレス名に空白が含まれる場合は、MACアドレスプール名の前後をダブルクォーテーション( " )で囲みます。

なお、MACアドレスプールに使用できる文字種についてはSCVMMのマニュアルを参照してください。

  • 登録されているSCVMMが1つの場合、または複数のSVMMが登録されており、各SCVMMで使用するMACアドレスプール名が同じ場合

    all = "MAC pool A"

  • 複数のSCVMMが登録されており、各SCVMMで使用するMACアドレスプール名が異なる場合

    scvmm[scvmm1] = "MAC pool A"
    scvmm[scvmm2] = "MAC pool B"

注意

  • 使用するVM管理製品がSystem Center Virtual Machine Manager 2008 R2の場合は定義ファイルが存在しても、無視されます。

  • Windowsのメモ帳を使用してUTF-8のテキストを編集し保存すると、ファイルの先頭3バイトにByte Order Mark(BOM)が格納されるため、ファイルの1行目に記載した情報が正しく解析されません。メモ帳を使用する場合、2行目から情報を記述してください。

  • 行の先頭、末尾、および、イコール("=")の前後に1つ以上の空白、タブを記述することができます。

  • 行の先頭に"#"を記述した場合は、行の末尾までがコメントとみなされます。

  • 上記の形式に従って記述されていない行の内容は無視されます。

  • キーに使用する"all"、"scvmm[SCVMMの登録名]"の"scvmm"は小文字のみ有効とします。大文字のキーがある場合は無視されます。

  • 同一のキーが存在する場合は、最後の行に記載した定義が有効になります。

  • "all"キーと"scvmm[SCVMMの登録名]"キーが混在する場合は、"scvmm[SCVMMの登録名]"の定義が優先されます。

  • 本製品のマネージャーを再起動しなくても定義ファイルの設定が反映されます。

VM Networkを使用した構成の場合のネットワーク設定

System Center 2012 Virtual Machine Manager (以下SCVMM) SP1以降の機能であるVM Network を使用した構成の場合、事前に設定したVM Networkと仮想L-Serverを接続する機能を提供します。

以下の事前設定を行ってください。

  1. SCVMM上で論理ネットワークを作成します。

    論理ネットワークはVLANベースの構成だけ使用できます。
    論理ネットワーク内には、使用するVLAN IDに応じたネットワークサイトを作成してください。
    作成方法については、SCVMMのヘルプを参照してください。

  2. 管理対象ホスト上で仮想スイッチを設定します

    手順1.で作成した論理ネットワークを使用可能な論理スイッチ、または標準仮想スイッチを設定してください。
    設定方法については、SCVMMまたはWindowsのヘルプを参照してください。

  3. 手順1.で設定した論理ネットワークを使用するVM NetworkをSCVMM上で作成します。

    このVM Networkで使用するVLAN IDは自動割り当てを行わず、必ず指定してください。
    作成方法については、SCVMMのヘルプを参照してください。

  4. RORマネージャーの以下の定義ファイルに、VM NetworkとVLAN IDの対応を定義します。

    インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\vnetwork_hyperv.rcxprop

    定義ファイルの書式については、「仮想ネットワーク定義ファイルの書式(VM Networkを使用した構成の場合)」を参照してください。

  5. ネットワークリソースの作成

    • GUIの場合

      手順4.で指定したVLAN IDを持つ[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、[設定済の仮想スイッチ/ポートプロファイルを利用]チェックボックスにチェックを入れ、ネットワークリソースを作成します。

    • コマンドの場合

      1. ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成します。

        手順2.~4.で指定したVLAN IDをXMLファイルに定義します。
        このとき、Networkタグに、auto="false"を指定します。

      2. ネットワークリソースの作成は、手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。

    ネットワークリソースが作成されます。

参照

  • LANスイッチブレードの外部接続ポートのVLAN設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。

  • rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.9 rcxadm network」を参照してください。

仮想ネットワーク定義ファイルの書式(VM Networkを使用した構成の場合)

定義ファイルの形式

定義ファイルでは、以下の形式で記述します

"仮想ネットワーク名(標準仮想スイッチ名)"=VLAN ID[,VLAN ID]

[VM Networks]
"VM Network名"= VLAN ID

"Network A"=10
"Network B"=21,22,23
"Network C"=100-200,300-400,500
[VM Networks]
"vm network" = 100

VLAN IDには、1~4094が指定できます。連続した数値を指定する場合、"1-4094"のようにハイフン("-")を用いて記述してください。

イコール("=")やカンマ(",")の前後に空白があっても無視されます。

仮想ネットワーク名は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。

ファイルは、文字コードをUTF-8にして保存してください。

同じ仮想ネットワーク名の行が複数あった場合、すべての行の指定が有効になります。

異なる仮想ネットワーク名の行に同じVLAN IDが含まれていた場合、ファイルの先頭に近い行が有効になり、それ以降の行は無視されます。

異なるVM Network名の行に同じVLAN IDが含まれていた場合、ファイルの先頭に近い行が有効になり、それ以降の行は無視されます。

仮想ネットワーク名とVM Network名に同じVLAN IDが含まれていた場合、VM Network名が有効になります。

[VM Networks]の記述の前に空白があっても無視されます。

管理製品がSCVMM2012 SP1より前のバージョンの場合、VM Network名を指定しても無視されます。