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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.3.0 導入ガイド
FUJITSU Software

8.2.1 定義ファイルの作成

ここでは、定義ファイルの作成について説明します。

仮想L-Serverで共通な定義ファイルは、「8.1 仮想L-Server作成で共通に利用する定義ファイル」を参照してください。

ここでは、VMware固有の定義ファイルについて説明します。

サーバ仮想化ソフトウェア定義ファイル

事前に以下の定義ファイルに値を設定すると、サーバ仮想化ソフトウェアに関する動作を変更できます。

定義ファイルの文字コードはUTF-8にしてください。

定義ファイルの格納先

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data

【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data

定義ファイル名

vm.rcxprop

定義ファイルの形式

定義ファイルでは、1行ごとに以下の形式で記述します。

キー =

定義ファイルの指定項目
表8.9 指定項目一覧

項目

キー

備考

VMware DRS/DPM用電源制御設定

drs_power_on_vm

true|false

サーバ仮想化ソフトウェアがVMwareのとき、有効です。

  • L-Server(VMゲスト)の起動時に、VMware DRSによるL-Server(VMゲスト)のVMホスト間の移動や、VMware DPMによるVMホストの電源ONを行う場合

    "true"を指定します。

  • 上記以外の場合

    "false"を指定します。

省略時は、"false"が設定されます。
本設定の変更後、再起動は必要ありません。

"true"を指定する場合、VMware DRSとVMware DPMは、以下の設定にしてください。

  • VMware DRS

    "一部自動化"または"完全自動化"

  • VMware DPM

    "オフ"または"自動"

なお、"手動"を指定した場合、L-ServerとVMゲストの起動に失敗する場合があります。

VMware DRS/DPMの詳細は、「設計ガイド CE」の「E.1.2 サーバの事前準備」の「VMware DRS、VMware DPMを利用する場合」を参照してください。


業務LANからのコンソール接続で設定する定義ファイル

業務LANからのコンソール接続を利用する場合、以下の定義ファイルにVMホストの接続先を設定します。

定義ファイルの格納先

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data

【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data

定義ファイル名

vm_console.rcxprop

定義ファイルの形式

1行に1つのフォルダーまたはテナント名、VMホストの物理サーバ名、およびそれに対応する接続先をカンマ(",")で区切って指定します。

フォルダーまたはテナント名, 物理サーバ名, 接続先

定義ファイルの指定項目
表8.10 指定項目一覧

項目

説明

フォルダーまたはテナント名

フォルダー名またはテナント名をフルパス(先頭の"/"は必須)で指定します。

物理サーバ名

VMホストの物理サーバ名を指定します。

接続先

管理クライアントから接続できるVMホストのIPアドレス、または管理クライアント環境で名前解決可能なホスト名(またはFQDN)を指定します。

定義ファイル例

/, bx900-1, 192.168.10.100 (注1)
/folderA, bx900-1, host1 (注2)
/folderA/tenantB, bx900-1, 192.168.30.100 (注3)
/folderA/tenantB, bx900-2, 192.168.30.200 (注3)

注1) ルートフォルダー(/)の定義です。全テナントでデフォルトの設定です。
注2) フォルダー(/folderA)の定義です。テナントの接続先はホスト名で指定します。
注3) テナント(/folderA/tenantB)の定義です。複数のホストを設定します。

注意

  • 1行にカンマ(",")を3つ以上記述した場合、3つ目のカンマ以降の記述は無視されます。

  • 行の先頭に"#"を記述すると、コメント行になります。

  • 定義ファイルの読込みに失敗した場合、本製品に登録されたVMホストの管理LANのIPアドレスを接続先にします。

  • フォルダーまたはテナント名、および物理サーバ名が定義ファイルの指定と一致しない場合、VMホストの管理LANのIPアドレスを使用してコンソール接続を行います。

  • フォルダーまたはテナントで使用するVMホストが複数ある場合、同一のフォルダーまたはテナントの設定を複数行に分けて記述します。

  • フォルダーを指定した場合、配下のサブフォルダーまたはテナントにも当該設定が適用されます。

  • 配下のサブフォルダーまたはテナントを対象とした設定があり、かつ、同じ物理サーバ名の定義が存在する場合はそちらが優先されます。

    以下の(1)、(2)の定義が存在する場合、フォルダーまたはテナント名が"/folderA/tenantB"で物理サーバ名が"bx900-1"の仮想L-Serverでは、(2)のIPアドレスを使用してコンソール接続を行います。

    (1)/folderA,bx900-1,192.168.10.100
    (2)/folderA/tenantB,bx900-1,192.168.20.100

  • 同一のフォルダーまたはテナントで同一の物理サーバの設定を複数行記述した場合、あとに記述した設定が有効になります。

    以下の(1)、(2)の定義が存在する場合、(2)の定義が有効になります。

    (1)/folderA,bx900-1,192.168.10.100
    (2)/folderA,bx900-1,192.168.20.100

  • 以下の環境で仮想L-Serverのコンソール接続を業務LANからプロキシサーバ経由で利用する場合、プロキシサーバと通信可能なIPアドレスを指定してください。

    • VMware vSphere 5.1

    • VMware vSphere 5.5

    • VMware vSphere 6.0

GUIRunOnce定義ファイル

仮想L-ServerのOSがWindowsの場合、イメージを指定した仮想L-Serverの作成で、GUIRunOnceコマンド(注)を指定できます。

注: ゲストOSに初めてユーザーがGUIログインしたときに実行されるコマンドです。
GUIRunOnceコマンドを指定する場合は、以下の定義ファイルを設定してください。
GUIRunOnceコマンドの詳細は、Microsoft WindowsのSysprepのドキュメントを参照してください。

サポート範囲

本製品でのサポート範囲は、下記のとおりです。
ただし、仮想化ソフトウェアのバージョンによって、仮想化ソフトウェアのサポート外となる仮想L-ServerのOS種別があります。詳細は、仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

対象

サポート範囲

仮想化ソフトウェア

VMware vSphere 4.0
VMware vSphere 4.1
VMware vSphere 5.0
VMware vSphere 5.1
VMware vSphere 5.5
VMware vSphere 6.0
VMware vSphere 6.5

仮想L-ServerのOS種別

Microsoft(R) Windows(R) 2008
Microsoft(R) Windows(R) 2008 R2
Microsoft(R) Windows(R) 2012
Microsoft(R) Windows(R) 2012 R2
Microsoft(R) Windows(R) Vista
Microsoft(R) Windows(R) 7
Microsoft(R) Windows(R) 8
Microsoft(R) Windows(R) 8.1

本製品のマネージャー

Windowsマネージャー
Linuxマネージャー

定義ファイルの格納先

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\sysprep_guirunonce

【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data/sysprep_guirunonce

定義ファイル名

拡張子を.rcxpropとし、任意のファイル名としてください。ただし、ファイル名は以下の文字列で定義してください。

先頭半角英数字で、半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された64文字以内の文字列

定義ファイルの形式

定義ファイルには、1行ごとに以下のように記述します。

GUIRunOnceコマンドとして指定するコマンド文字列

改行を区切りとして記述します。

指定された文字列をそのまま使用するため、ダブルクォーテーション、シングルクォーテーションなどの記号については、Windowsが、コマンド文字列として認識できる書式で指定してください。

空行は無視されます。

最大で500コマンド(500行)まで指定できます。501行目以降については指定されても無視されます。

"#"で始まる行はコメントとして扱います。

コマンドは、最初の行から最後の行まで順に実行されます。前のコマンドが終了するまで次のコマンドは実行されません。

文字コード

ファイルの文字コードはUTF-8としてください。

改行コード

ファイルの改行コードは以下のように設定してください。

【Windowsマネージャー】
CR+LF

【Linuxマネージャー】
LF

c:\setup\setup_first.bat

netsh advfirewall firewall set rule group="remote desktop" new enable=yes

...

c:\setup\setup_last.bat

SCSIコントローラー定義ファイル

ゲストOSに接続する仮想ディスクのSCSIコントローラーを、以下の定義ファイルでOS種別ごとに設定できます。

定義ファイルの文字コードはUTF-8にしてください。

定義ファイルの格納先

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data

【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data

参考

上記の格納場所には、定義ファイルのサンプル(scsicontroller.rcxprop.sample)が格納されています。
サンプルを流用する場合、ファイルの内容を変更したあと、ファイル名に含まれる".sample"を削除して配置してください。

定義ファイル名

scsicontroller.rcxprop

定義ファイルの形式

定義ファイルでは、1行ごとに以下の形式で記述します。

キー =

文字コード

ファイルの文字コードはUTF-8としてください。

改行コード

ファイルの改行コードは以下のように設定してください。

【Windowsマネージャー】
CR+LF

【Linuxマネージャー】
LF

定義ファイルの指定項目
表8.11 指定項目一覧

項目

キー

備考

SCSIコントローラー種別

OS種別を指定します。(注)

以下のいずれかのSCSIコントローラー種別を指定します。

  • buslogic

    BUS logic パラレル

  • lsilogic

    LSI logic パラレル

  • lsilogicsas

    LSI logic SAS

  • paravirtual

    VMware 準仮想化

指定がないOS種別に対しては、以下のSCSIコントローラーが接続されます。

  • LSI logic パラレル

注) 使用するvCenterの版数に応じたVMware社の以下の情報を参照し、該当するOSの"NAME"カラムの値を指定します。

参照

VMware vSphere API Reference - VirtualMachineGuestOsIdentifier

vSphere 5.5

URL:
http://pubs.vmware.com/vsphere-55/topic/com.vmware.wssdk.apiref.doc/vim.vm.GuestOsDescriptor.GuestOsIdentifier.html

vSphere 6.0

URL:
http://pubs.vmware.com/vsphere-60/topic/com.vmware.wssdk.apiref.doc/vim.vm.GuestOsDescriptor.GuestOsIdentifier.html

参考

本定義ファイルには、デフォルト値として以下が設定されています。

windows8Server64Guest=lsilogicsas
windows8Guest=lsilogicsas
windows8_64Guest=lsilogicsas
windows9Server64Guest=lsilogicsas
windows9Guest=lsilogicsas
windows9_64Guest=lsilogicsas

注意

  • SCSIコントローラーは、定義ファイルの内容を基に以下のタイミングで作成されます。

    • クローニングイメージを使用せずに仮想L-Serverを作成したとき

    • 14個目、28個目、42個目のデータディスクを増設したとき

    なお、すでに作成済みのSCSIコントローラーの種別は変更できません。

  • VMware製品の仕様により、Windows Server 2012とWindows Server 2012 R2は区別されません。このため、それぞれのOSに対して別々のSCSIコントローラーを設定できません。

  • 2行以上記載した場合、最下行の設定が有効になります。

  • イコール("=")の前後に含まれるスペースおよび半角空白、タブは無視されます。

  • 行の先頭が("#")である場合、コメント行とみなします。

  • Windowsのメモ帳を使用してUTF-8のテキストを編集し保存すると、ファイルの先頭3バイトにByte Order Mark(BOM)が格納され、ファイルの1行目に記載した情報が正しく解析されません。メモ帳を使用する場合、2行目から情報を記述してください。

定義ファイルの記述

###########################################################################
# scsicontroller.rcxprop
#
#All Rights Reserved, Copyright(C) FUJITSU LIMITED 2016
###########################################################################
windows8Server64Guest=lsilogicsas
windows8Guest=lsilogicsas
windows8_64Guest=lsilogicsas


VSANデータストアに対応する仮想ストレージリソースの空き容量表示定義ファイル

VSANデータストアに対応する仮想ストレージリソースの空き容量の表示内容を指定します。なお、この仮想ストレージリソースは、シン・プロビジョニング属性が設定されたストレージプールに登録されていることが前提です。

ポイント

定義ファイルを編集した場合、マネージャーを再起動してください。

定義ファイルの格納先

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data

定義ファイル名

storage.rcxprop

定義ファイルの形式

定義ファイルでは、1行に1つの設定項目を記述します。各行は、以下の形式で記述します。

キー =

定義ファイルの指定項目
表8.12 指定項目一覧

キー

説明

DISPLAY_ACTUAL_FREE_OF_VSAN_AT_THIN_PROVISIONING_POOL

  • "true"を指定した場合

    vCenter Serverに表示されるVSANデータストアの空き容量が、仮想ストレージリソースの空き容量として以下に表示されます。

    • RORコンソールの[リソース]タブのストレージツリー

    • rcxadm vstorageコマンドの実行結果

    参考

    仮想ストレージリソースの空き容量は、以下に表示されるストレージプールの情報に反映されます。

    • RORコンソールのオーケストレーションツリー

    • rcxadm poolコマンドの実行結果

    • ダッシュボード

  • "false"を指定した場合

    • 仮想的に割り当てた容量が、仮想ストレージリソースの総容量以下の場合

      空き容量には、仮想的に割り当てられていない領域の容量が表示されます。

    • 仮想的に割り当てた容量が、仮想ストレージリソースの総容量を超えた場合

      空き容量には、超えた容量の値がマイナス("-")符号付きで表示されます。

  • 何も指定しない場合

    "false"が設定されます。

定義ファイルの例を以下に示します。

DISPLAY_ACTUAL_FREE_OF_VSAN_AT_THIN_PROVISIONING_POOL = true