通常、ユーザはネットワークが常に使用可能な状態にあると考えています。ところが、ネットワークには定期的な停止時間が存在します。これは、ネットワーク管理者はスイッチやルータの調整を行い、他のメンテナンス作業を行う必要があるためです。通常、このような作業はネットワークの使用率が低い時に行われ、かつ、そのための停止時間は数秒です。しかし、クラスタシステムではインタコネクトを24時間年中無休で継続的に使用しなければなりません。その結果、通常のネットワークメンテナンス作業を行っている状態でも、クラスタシステムは、システムをシャットダウンしてアプリケーションを切替えるクラスタリカバリ処理を実行することができるようになります。
メンテナンス作業以外にも、一時的なネットワーク停止は発生することがあります。今までは、イーサネットの最高の機能改善方法はハブ、スイッチ、ルータの高速化でした。通常、ユーザはイーサネットデバイスをポートに差し込むだけで、ネットワークインタフェースカード (NIC) とポートの速度を一致させることに配慮する必要はありません 。ところがこのテクノロジーには問題があります。それは、ハブまたはスイッチの使用率がきわめて高い場合に、NICと再調整することが必要になるケースがありえるということです。再調整には数秒かかり、その間にメッセージの受け渡しは行われません。このような場合、クラスタインタコネクトが切断され、コネクトは、クラスタがノードを緊急停止して、リカバリ処理を実行することになります。
その他にも、イーサネットデバイスが最初にオープンされた場合は、ネットワークの一時停止が発生することがあります。この場合、イーサネットデバイスを接続しているスイッチポートのイベント連鎖が始まり、構成設定を開始することになります。スイッチによっては設定に1分以上かかる場合があります。このような場合、PRIMECLUSTERはポートからの応答がないために、他のクラスタノードが構成設定されていないと判断するケースもあり得ます。
参照
ネットワーク構成やデバイスによって要件は異なるため、PRIMECLUSTERではシステム管理者がクラスタインタコネクトに関連するパラメタを調整することができるようになっています。詳細については、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 ” を参照してください。