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PRIMECLUSTER  コンセプトガイド 4.4
FUJITSU Software

2.3.5 GFS

GFS (Global File Services) は、複数のノードから同時共用できる GFS 共用ファイルシステムを提供します。

2.3.5.1 GFS共用ファイルシステム

GFS共用ファイルシステムは共用ディスク装置に接続している複数ノード (Linuxでは、最大2ノード)による同時アクセス機能を備えた信頼性と性能に優れたファイルシステムです。
GFS共用ファイルシステムには主要な機能に加え、以下のような機能があります。

整合性が保証された同時共用アクセス機能

GFS共用ファイルシステムでは、複数ノードからデータを更新する場合に整合性が保証されます。
また、Solaris版では複数ノードに及ぶファイルロック機能も従来のUFSのアプリケーションプログラムインタフェース (API) で利用することができます。このように分散アプリケーションが複数ノードで実行される場合、UFSのAPIをそのまま使って適切なアプリケーションデータを転送することができます。

高可用性(HA)

GFS共用ファイルシステムを複数ノードで使用する場合、1つのノードが停止中でも他のノードからファイルにアクセスすることが可能です。停止中のノードが保持しているファイルシステム情報の整合性は、他のノードのGFS共用ファイルシステムで自動的に回復されます。そのため、他のノードで実行中のアプリケーションは、ファイルシステムの操作エラーを起こすことなく処理を続行します。

ファイルの作成や削除など、ファイルシステム構造の変更に必要な処理はGFS共用ファイルシステムの更新ログと呼ばれる領域に記録されます。この領域に保存された情報を使うことにより、ファイルシステム構造全体をチェックしなくてもシステム障害をリカバリすることができます。

図2.11 ノードが停止中のときの処理続行

データアクセス性能

GFS共用ファイルシステムでは、共用ディスク装置のファイルシステムに複数ノードからアクセスすることができます。従来の分散ファイルシステムでは、データはLANによるネットワーク通信により、ファイルシステムデータを管理するサーバからのアクセスを要求したクライアントに転送されます。これに対してGFS共用ファイルシステムでは、要求側ノードからディスク装置に直接アクセスします。そのため、NFSよりネットワーク負荷が軽く、要求の読込み/書込みの応答時間も速くなります。

また、GFS共用ファイルシステムではファイルデータに連続したブロックを割当てることによりI/O処理をまとめて行い、ファイルシステムの性能を改善します。

GFS共用ファイルシステムには複数のパーティションを1つのファイルシステムに統合する機能があります。複数パーティション構成の場合、ラウンドロビン (Round Robin) 割当て方式を使用してファイルごとに異なるパーティションのファイルデータ領域を使用するようにします。そのため、I/O負荷は複数ディスク装置に分散され、ファイルシステムの性能が向上します。この機能を使用することにより後述するデータパーティションの追加が容易になります。

拡張性 (スケーラビリティ)

GFS共用ファイルシステムでは、空のディスクパーティションを指定するだけでファイルシステムを簡単に拡張することができます。この機能により、ファイルシステムの空き領域不足がすぐに解消されます。データパーティションはマウント中に追加することができます。

図2.12 パーティションの追加

2.3.5.2 メリット

GFS には以下のメリットがあります。