ここでは、NetCOBOL運用環境について、NetCOBOL V10.2.0以降で修正された障害により動作が変わるものを、下表で説明します。
項番 | V/L(*) | P番号 | 変更内容 |
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1 | V10.1.0 ~ V10.5.0A | PG76651 | 以下の条件の場合、COBOLプログラム実行時に、長さの異なる日本語項目(日本語編集項目、組込み関数を含む)同士の大小比較の結果が正しくない問題を修正しました。
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2 | V10.1.0 ~ V10.5.0A | PH01026 | 以下の条件の場合、翻訳オプションNSPCOMP(ASP)を指定したとき、実行時に日本語空白を2バイトのANK空白とみなした文字比較が正しく判定されないことがあります。
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3 | V10.5.0 ~ V10.5.0A | PH02722 | 以下の条件の場合、Reduceアプリケーション実行時、Shuffle&sort(※)によりレコードが常に10個のReduceタスクにのみ割り振られるため、Hadoopジョブの実行性能が低下する場合があります。
※ Shuffle&sortでは、ハッシュ値を利用してレコードを振り分けます。正常な処理では、Reduceタスク数(mapred.reduce.tasks)に対して振り分けます。 |
4 | V10.5.0 ~ V10.5.0A | PH02724 | 以下の条件の場合、Reduceアプリケーション実行時、Reduce入力データファイルを読み込むことができません。
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5 | V10.1.0 ~ V10.2.0 | PG87520 | 以下のいずれかの条件のとき、実行時に内部ブール項目の転記結果に誤りが発生する問題を修正しました。 【条件1】
* : バイト内相対ビット位置を指します。 条件1の例) DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 DATA1. 02 DATA1-1 PIC 1(5) BIT. 02 DATA1-2 PIC 1(4) BIT. 02 DATA1-3 PIC 1(7) BIT. 01 DATA2. 02 DATA2-1 PIC 1(1) BIT. 02 DATA2-2 PIC 1(32) BIT. 01 ANS-DATA PIC 1(32) BIT VALUE B"1111". PROCEDURE DIVISION. MOVE X"FFFF" TO DATA1. MOVE DATA1-2 TO DATA2-2. IF DATA2-2 = ANS-DATA THEN DISPLAY "OK" ELSE DISPLAY "NG" *> B"11111110-00000000" END-IF. 【条件2】
条件2の例) DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 DATA1. 02 DATA1-1 PIC 1(5) BIT. 02 DATA1-2 PIC 1(4) BIT. 02 DATA1-3 PIC 1(7) BIT. 01 DATA2. 02 DATA2-1 PIC 1(10) BIT OCCURS 5 TIMES. 01 ANS-DATA PIC 1(10) BIT VALUE B"1111". 01 CNT PIC 9 VALUE 2. PROCEDURE DIVISION. MOVE X"FFFF" TO DATA1. MOVE DATA1-2 TO DATA2-1(CNT). IF DATA2-1(CNT) = ANS-DATA THEN DISPLAY "OK" ELSE DISPLAY "NG" *> B"1111110000" END-IF. |
6 | V10.1.0 | PG72597 | 以下の条件の場合、NetCOBOL V10.1.0では、実行時にWRITE AFTER ADVANCING PAGEの実行が有効となりませんでしたが、NetCOBOL V10.2.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。
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7 | V10.1.0 | PG73346 | 以下の条件の場合、NetCOBOL V10.1.0では、実行時に実行時メッセージJMP0320I-I/Uに埋め込まれる8桁の16進文字の下位4桁に不要なゼロ列が設定される問題がありましたが、NetCOBOL V10.2.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。
注:ファイルの高速処理(BSAM)を指定している場合、該当しません。 |
8 | V10.1.0 | PG75097 | 以下の環境・発生条件の場合、NetCOBOL V10.1.0では、Windows版 NetCOBOL Studioのリモートデバッグ機能を使用して、Red Hat Enterprise Linux (for Intel64)上で動作するCOBOLアプリケーションに対するリモートデバッグを開始する際、「デバッガ本体部またはエンジン部でエラーが発生しました。(65535)」が表示され、デバッグを開始できない問題がありましたが、NetCOBOL V10.2.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。 [環境] NetCOBOLのリモート開発において、サーバ環境が以下に該当する場合、本現象が発生します。
[発生条件] COBOLアプリケーションを、Windows版 NetCOBOL Studioからリモートデバッグする場合。 |
9 | V10.2.0 ~ V11.0.0 | PH08017 | 以下の条件の場合、NetCOBOL V10.2.0~V11.0.0では、COBOLプログラム実行時に、ACCEPT文の実行で、リダイレクション指定の入力ファイルから、データが読み込めない問題がありましたが、NetCOBOL V11.1.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。
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10 | V11.0.0 | PH10390 | 以下の条件の場合、NetCOBOL V11.0.0では、COBOLアプリケーション実行時、DISPLAY-OF関数で後置空白を含む日本語文字を英数字文字に変換すると、後置空白が除去されずに変換されてしまう問題(発生頻度はメモリの状態に依存)がありましたが、NetCOBOL V11.1.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。
*: Linux(64) NetCOBOL V10.1、V10.2、V10.3またはV10.5 |
* : V/Lは障害が存在する範囲を示します。