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NetCOBOL V12.0.0 リリース情報
FUJITSU Software

2.2.6 障害修正に関する互換情報について

ここでは、NetCOBOL運用環境について、NetCOBOL V10.2.0以降で修正された障害により動作が変わるものを、下表で説明します。

表2.2 NetCOBOL運用環境の障害修正に関する互換情報

項番

V/L(*)

P番号

変更内容

1

V10.1.0

V10.5.0A

PG76651

以下の条件の場合、COBOLプログラム実行時に、長さの異なる日本語項目(日本語編集項目、組込み関数を含む)同士の大小比較の結果が正しくない問題を修正しました。

  1. 翻訳オプションRCS(UTF16,LE)またはRCS(UCS2,LE)が有効である(*1)。かつ、

    (*1)翻訳オプションの省略値はRCS(UTF16,LE)です。

  2. 日本語項目と、日本語項目または日本語文字定数の大小比較である。かつ、

  3. 少なくとも一方が部分参照された項目またはANY LENGTH句の指定がある項目である。かつ、

  4. 比較対象の長さが異なる場合。

2

V10.1.0

V10.5.0A

PH01026

以下の条件の場合、翻訳オプションNSPCOMP(ASP)を指定したとき、実行時に日本語空白を2バイトのANK空白とみなした文字比較が正しく判定されないことがあります。

  1. 翻訳オプションNSPCOMP(ASP)を指定して翻訳したプログラムを実行している。かつ、

  2. 翻訳オプションRCS(SJIS)の指定により、データ項目のエンコードがシフトJISである。かつ、

  3. 次のいずれかの文字比較を行っている。かつ、

    • 日本語項目を作用対象とする日本語文字比較

    • 集団項目を作用対象とする文字比較

      ただし、次に示す条件を除く。

      • 日本語項目を含まない集団項目同士の比較

      • 明または暗に属性が表示用でない項目を含む集団項目の比較

  4. 3.の文字比較で比較対象の文字が次の文字コードの範囲である。かつ、

    • X"8181"~X"819F"

    • X"81E0"~X"81FC"

  5. 比較対象のどちらか一方は、4.の文字位置の次の文字が日本語空白(X"8140")である。かつ、

  6. 5.の他方が次のいずれかである場合。

    • 5.の日本語空白と同じ文字位置に2バイトのANK空白(X"2020")がある。

    • 4.の文字位置がデータ項目の末尾である。

3

V10.5.0

V10.5.0A

PH02722

以下の条件の場合、Reduceアプリケーション実行時、Shuffle&sort(※)によりレコードが常に10個のReduceタスクにのみ割り振られるため、Hadoopジョブの実行性能が低下する場合があります。

  1. Hadoop連携機能を使用している。かつ、

  2. Reduceアプリケーションを使用している。かつ、

  3. HadoopのプロパティであるReduceタスク数(mapred.reduce.tasks)に、 16の倍数を指定している場合。

※ Shuffle&sortでは、ハッシュ値を利用してレコードを振り分けます。正常な処理では、Reduceタスク数(mapred.reduce.tasks)に対して振り分けます。

4

V10.5.0

V10.5.0A

PH02724

以下の条件の場合、Reduceアプリケーション実行時、Reduce入力データファイルを読み込むことができません。

  1. Hadoop連携機能を使用している。かつ、

  2. 複数のReduce入力データファイルを使用している。かつ、

  3. Reduce入力データファイル識別名(extjoiner.reduce.input.nn.filename)のファイル番号と同じファイル番号が、Hadoop出力データファイルディレクトリ名(extjoiner.output.nn.filename)に指定されていない場合。

5

V10.1.0

V10.2.0

PG87520

以下のいずれかの条件のとき、実行時に内部ブール項目の転記結果に誤りが発生する問題を修正しました。

【条件1】

  1. 内部ブール項目から内部ブール項目への転記である。かつ、

  2. 送出し側データ項目と受取り側データ項目のデータ開始位置(*)が異なる。かつ、

  3. 送出し側データ項目のデータ開始位置(*)+(送出し側データ項目の長さと受取り側データ項目の長さの小さい方) > 32 である。または受取り側データ項目のデータ開始位置(*)+受取り側データ項目の長さ > 32 である。かつ、

  4. 受取り側データ項目が集団項目に従属している。かつ、

  5. 受取り側データ項目の転記開始位置が、4.の集団項目のバイト境界の位置にない。かつ、

  6. 「送出し側データ項目のビット長」<「受取り側のビットデータ開始位置から最初のバイト境界までのビット長」である。かつ、

  7. 送出し側データ項目のビットデータがバイト境界を跨ぐ位置にある。または、送出し側データ項目の開始位置から6.の「受取り側の最初のバイト境界までのビット長」までの間にバイト境界がある場合

* : バイト内相対ビット位置を指します。

条件1の例)

        DATA DIVISION.
        WORKING-STORAGE SECTION.
        01  DATA1.
           02  DATA1-1    PIC 1(5) BIT.
           02  DATA1-2    PIC 1(4) BIT.
           02  DATA1-3    PIC 1(7) BIT.
        01  DATA2.
           02  DATA2-1    PIC 1(1) BIT.
           02  DATA2-2    PIC 1(32) BIT.
        01 ANS-DATA       PIC 1(32) BIT VALUE B"1111".
        PROCEDURE DIVISION.
              MOVE X"FFFF" TO DATA1.
              MOVE DATA1-2 TO DATA2-2.
              IF DATA2-2 = ANS-DATA
                THEN DISPLAY "OK"
                ELSE DISPLAY "NG"       *> B"11111110-00000000"
              END-IF.
【条件2】
  1. 内部ブール項目から内部ブール項目への転記である。かつ、

  2. 送出し側データ項目または受取り側データ項目が添え字参照されている。かつ、

  3. 受取り側データ項目の長さ>1 である。かつ、

  4. 以下のいずれかである。かつ、

    • 送出し側データ項目の長さ>1 である。

    • 受取り側データ項目が添え字参照されている。

    • 受取り側データ項目の長さ>25 である。

  5. 受取り側データ項目の転記開始位置が、バイト境界の位置にない。かつ、

  6. 「送出し側データ項目のビット長」<「受取り側のビットデータ開始位置から最初のバイト境界までのビット長」である。かつ、

  7. 送出し側データ項目のビットデータがバイト境界を跨ぐ位置にある。または、送出し側データ項目の開始位置から6.の「受取り側の最初のバイト境界までのビット長」までの間にバイト境界がある場合

条件2の例)

        DATA DIVISION.
        WORKING-STORAGE SECTION.
        01  DATA1.
           02  DATA1-1    PIC 1(5) BIT.
           02  DATA1-2    PIC 1(4) BIT.
           02  DATA1-3    PIC 1(7) BIT.
        01  DATA2.
           02   DATA2-1 PIC 1(10) BIT OCCURS 5 TIMES.
        01 ANS-DATA       PIC 1(10) BIT VALUE B"1111".
        01 CNT            PIC 9 VALUE 2.
        PROCEDURE DIVISION.
              MOVE X"FFFF" TO DATA1.
              MOVE DATA1-2 TO DATA2-1(CNT).
              IF DATA2-1(CNT) = ANS-DATA
                THEN DISPLAY "OK"
                ELSE DISPLAY "NG"       *> B"1111110000"
              END-IF.

6

V10.1.0

PG72597

以下の条件の場合、NetCOBOL V10.1.0では、実行時にWRITE AFTER ADVANCING PAGEの実行が有効となりませんでしたが、NetCOBOL V10.2.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。

  1. 行順ファイルで外部ファイルハンドラと連携している。かつ、

  2. 1.に対するOPEN文の実行直後にAFTER ADVANCING PAGE指定のWRITE文を実行している。

7

V10.1.0

PG73346

以下の条件の場合、NetCOBOL V10.1.0では、実行時に実行時メッセージJMP0320I-I/Uに埋め込まれる8桁の16進文字の下位4桁に不要なゼロ列が設定される問題がありましたが、NetCOBOL V10.2.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。

  1. COBOLファイルシステム(注)を使用したファイル操作を行っている。かつ、

  2. 以下のいずれかの入出力文を実行している。かつ、

    • READ文

    • WRITE文

    • REWRITE文

    • DELETE文

    • START文

  3. 2.の入出力文の実行が失敗した。

注:ファイルの高速処理(BSAM)を指定している場合、該当しません。

8

V10.1.0

PG75097

以下の環境・発生条件の場合、NetCOBOL V10.1.0では、Windows版 NetCOBOL Studioのリモートデバッグ機能を使用して、Red Hat Enterprise Linux (for Intel64)上で動作するCOBOLアプリケーションに対するリモートデバッグを開始する際、「デバッガ本体部またはエンジン部でエラーが発生しました。(65535)」が表示され、デバッグを開始できない問題がありましたが、NetCOBOL V10.2.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。

[環境]

NetCOBOLのリモート開発において、サーバ環境が以下に該当する場合、本現象が発生します。

  1. サーバがRed Hat Enterprise Linux (for Intel64)である。かつ、

  2. サーバに、以下のいずれかの製品がインストールされている。かつ、

    • Linux Intel64版 NetCOBOL Enterprise Edition 開発・運用パッケージV10.1.0

    • Linux Intel64版 NetCOBOL Enterprise Edition 運用パッケージV10.1.0

  3. サーバ上で使用しているgdbが7.0版以降である(RHEL5.5以降をインストールしている場合、またはgdb-7.0以降を単独でインストールしている場合が該当します)。

[発生条件]

COBOLアプリケーションを、Windows版 NetCOBOL Studioからリモートデバッグする場合。

9

V10.2.0

V11.0.0

PH08017

以下の条件の場合、NetCOBOL V10.2.0~V11.0.0では、COBOLプログラム実行時に、ACCEPT文の実行で、リダイレクション指定の入力ファイルから、データが読み込めない問題がありましたが、NetCOBOL V11.1.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。

  1. 翻訳オプションRCS(SJIS)を指定して翻訳したCOBOLプログラムを実行している。かつ、

  2. リダイレクション指定でシステムの標準入力に対するACCEPT文を実行している。かつ、

  3. 2.で指定した入力ファイルに改行コードが含まれていない場合。

10

V11.0.0

PH10390

以下の条件の場合、NetCOBOL V11.0.0では、COBOLアプリケーション実行時、DISPLAY-OF関数で後置空白を含む日本語文字を英数字文字に変換すると、後置空白が除去されずに変換されてしまう問題(発生頻度はメモリの状態に依存)がありましたが、NetCOBOL V11.1.0以降は、障害修正により正しく動作するようになりました。

  1. 次のいずれかを指定してUnicodeアプリケーションを作成している。かつ、

    • 環境変数LANGにja_JP.UTF-8を設定して、翻訳オプションRCSを省略して翻訳している。または、

    • 翻訳オプション RCS(UTF16)またはRCS(UCS2)を指定して翻訳している。

  2. 翻訳時のコンパイラのバージョンがV10.1~V10.5(*)である。かつ、

  3. 実行時のランタイムシステムのバージョンがV11.0以降である。かつ、

  4. DISPLAY-OF関数を使用している。かつ、

  5. DISPLAY-OF関数の引数に後置空白を含む日本語文字を指定している場合。

*: Linux(64) NetCOBOL V10.1、V10.2、V10.3またはV10.5

* : V/Lは障害が存在する範囲を示します。