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PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.5 導入運用手引書
FUJITSU Software

2.3.2 Oracle ASM (Automatic Storage Management)を使用する場合

Oracle ASM を PRIMECLUSTER 上で使用する場合は、スタンバイ運用での使用が可能です。

  

スタンバイ運用

Oracle ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録してください。
リソース登録された Oracle ASM インスタンスは、起動・停止制御のみが行われ監視は行われません。Oracle ASM インスタンスに異常が発生した場合でも、Oracle インスタンスリソースで異常を検出しますので、userApplication の切替えが発生し、業務を継続できます。

環境構築時の注意事項については「2.3.2.1 環境構築時の注意 を参照してください。

  

2.3.2.1 環境構築時の注意

Oracle ASMを使用する場合の注意事項は以下のとおりです。

ポートする構成

Oracle ASMを使用する場合はOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。Oracle Grid Infrastructureをインストールする場合はOracle DatabaseのインストールユーザーとOracle Grid Infrastructureのインストールユーザーを分割する構成をサポートします。単一インストールユーザーの構成はサポート対象外です。

また、Oracle Database のインストールユーザーの ORACLE_BASE 環境変数と Oracle Grid Infrastructure のインストールユーザーの ORACLE_BASE 環境変数は、異なるディレクトリを指定してください。

Oracle Grid InfrastructureのインストールとOracle ASMインスタンス、データベースの作成

付録C Oracle Grid InfrastructureのインストールとOracle ASMインスタンス、データベースの作成」を参照してOracle Grid InfrastructureのインストールとOracle ASMインスタンス、データベースの作成をしてください。

注意

  • Oracle ASMインスタンス作成時、Oracle ASMインスタンス名の先頭に「+」がつくように設定してください。(デフォルトでは“+ASM”となります)

  • 1台のサーバに複数のORACLE_HOMEを作成している場合(複数のOracle Databaseソフトウェアをインストールしている場合)、Oracleインスタンス名には異なるOracleインスタンス名を設定してください。

  • 1つのuserApplication内でOracle ASMインスタンスとデータベースの関係が1:1または、1:nになるように、Oracle ASMインスタンスとデータベースを作成してください。

    • Oracle ASMインスタンス:データベース = 1:1

    • Oracle ASMインスタンス:データベース = 1:n
      下図は、Oracle ASMインスタンス:データベース = 1:2の例です。

  • Oracle ASMをスタンバイ運用で使用する場合は、以下の運用形態のみサポートします。

    • 1:1運用待機

    Oracle ASMをスタンバイ運用で使用する場合は、以下の運用形態は未サポートです。

    • カスケード

    • 相互待機

    • N:1運用待機

    • 移動待機

    • N:M運用待機

参照

Oracle ASM インスタンス、データベースの作成は、Oracle Databaseのマニュアルを参照してください。

Oracle Restartの設定変更

PRIMECLUSTER Wizard for OracleからOracle ASMを制御するために、Oracle Restartの設定を変更してください。

コンポーネント

コマンド

Oracle Restart

crsctl enable has

CSS

crsctl modify resource ora.cssd -attr "AUTO_START=always"

Oracle ASM

srvctl disable asm

Oracle リスナー

srvctl disable listener [-l <listener_name>]

Oracle インスタンス

srvctl disable database -d <db_unique_name>

コンポーネント

コマンド

Oracle Restart

crsctl enable has

Oracle ASM

srvctl disable asm

Oracle リスナー

srvctl disable listener [-l <listener_name>]

Oracle インスタンス

srvctl disable database -d <db_unique_name>

userApplicationの作成

userApplication作成時は、Oracleインスタンスリソースと同様にOracle ASMインスタンスリソースを作成してください。Oracle ASMインスタンスリソースと、そのOracle ASMインスタンスリソースに関連するOracleインスタンスリソースは、同じOracleリソースに登録してください。

参考

  • Oracle ASM インスタンスをリソース登録する場合の手順については、「2.2.7.1 Oracle リソースの作成と userApplication への登録」の手順 5 を参照してください。

  • Oracle ASM インスタンスリソースのフラグ設定値には、NullDetector 属性のみが自動設定されます。この値を変更することはできません。

注意

  • Oracle ASM インスタンスリソースとOracle リスナーリソースの"OracleUser"にはGrid ユーザーを、Oracle インスタンスリソースの"OracleUser"にはOracle ユーザーを設定してください。

  • Oracle Database 11g R2/12c R1(12.1.0.1)の場合は、Oracle ASMの起動前にCSSの待ち合わせをするため、Oracle ASM インスタンスリソースのPreOnlineScript に以下のスクリプトを設定してください。Oracle Database 12c R1(PSR12.1.0.2以降)/12c R2 の場合は、以下のスクリプトを設定しないでください。

    /opt/FJSVclora/sbin/cloracsswait <Grid ユーザー名>

Oracleデータベース・サービスを使用する場合

Oracleデータベースの作成時にデフォルトで作成されるサービス以外のOracleデータベース・サービスを使用する場合は以下のスクリプトを設定してください。

参照

Oracleデータベース・サービスについては、Oracle Databaseのマニュアルを参照してください。

2.3.2.2 運用時の注意

Oracle ASM インスタンスで使用するディスクグループは、手動でマウント操作 (mount/umount) をしないでください。ディスクグループがマウントされている場合は、Oracle ASM リソース活性化時に以下のメッセージがコンソールに出力される場合がありますが、特に対処する必要はありません。