共有IPゾーン構成のネットワークを高信頼化する構成の運用について説明します。
Solarisゾーンの共有IP構成のノングローバルゾーンは通常、物理インタフェースに対して割り当てられたノングローバルゾーン用の論理インタフェースを使用して、他システムまたは各ゾーン間との通信を行います。このため、物理インタフェースが故障したり、伝送路に異常が発生したりしてしまうと、対象となるノングローバルゾーンはすべて通信を継続することができなくなります。
図C.3 伝送路二重化機能を使用しない場合
上記の構成では、伝送路異常が発生した場合にアプリケーションAとアプリケーションBは共に通信を継続することができなくなります。
伝送路二重化機能を使用することにより、伝送路異常が発生した場合でもゾーン上のアプリケーションは通信を継続することができます。
共有IP構成のノングローバルゾーンのネットワークを高信頼化する場合、以下の方式が使用できます。
高速切替方式
NIC切替方式
GS/SURE連携方式
以下に、高速切替方式またはGS/SURE連携方式を使用した場合の例を示します。
図C.4 高速切替方式またはGS/SURE連携方式を使用した場合
仮想インタフェースが束ねている物理インタフェースのどちらか一方で伝送路異常が発生した場合でも、伝送路二重化機能により経路の切替えが行われるため、ノングローバルゾーン上のアプリケーションは通信を継続することができます。
以下に、NIC切替方式を使用した場合の例を示します。
図C.5 NIC切替方式を使用した場合
仮想インタフェースが束ねているプライマリ側の物理インタフェースで伝送路異常が発生した場合でも、伝送路二重化機能によりセカンダリ側の物理インタフェースへ切替えが行われるため、ノングローバルゾーン上のアプリケーションは通信を継続することができます。