伝送路二重化機能で使用しているNIC(PCIカード)をPHP(PCI Hot Plug)によって交換または増設する際の操作手順を説明します。
各方式のPHP(PCI Hot Plug)対応状況は以下の通りです。
PHP(PCI Hot Plug)操作 | 高速切替方式 | NIC切替方式 | GS/SURE連携方式 |
---|---|---|---|
活性交換 (冗長化構成) | ○ | ○ | ○ |
活性増設 (非冗長化構成に対して増設) | ○ | ○ | ○ |
活性増設 (冗長化構成に対して増設) | ○ | × | ○ |
[PHP対応] ○: サポート ×:未サポート
注意
PHP(PCI Hot Plug)による活性交換/活性増設は、システムがマルチユーザモードで動作している場合にのみ実施することができます。
冗長化したNICを活性交換する場合、高速切替方式およびNIC切替方式では通信を停止せずに交換することが可能です。
注意
NIC切替方式の場合、伝送路監視機能および待機パトロール機能を停止する必要があります。
また、GS/SURE連携方式の場合、GS/SURE連携方式の仮想インタフェースを非活性化する必要があります。
以下に、冗長化構成の活性交換手順を示します。
1) NIC (PCIカード) の特定
交換対象となるPCIカードを冗長構成から切り離すために、コンソールに出力されたWARNINGメッセージなどから、切り離すインタフェース名 (例: igb1) を特定します。
注意
Solaris 11以降、Solaris 10 9/10リリース以降、 またはSolaris 10の142909-17以降のパッチが適用された環境で PHP を使用する場合は、以下のようにhotplugサービスを有効化してください。なお、詳細はご使用のサーバの「サービスマニュアル」を参照してください。
# svcadm enable hotplug |
2) 冗長構成からの切離し
交換対象のPCIカードを冗長構成から切り離すため、1)の手順で特定したインタフェース名を指定して、以下のコマンドを実行します。運用・待機の冗長構成において運用パスを切り離した場合には、自動的に待機側が運用中に切り替わります。
Solaris 10の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic delete -n sha0 -i igb1 <Return> # /usr/sbin/ifconfig igb1 unplumb <Return> # /usr/sbin/ifconfig igb1 inet6 unplumb <Return> |
Solaris 11の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic delete -n sha0 -i net1 <Return> # /usr/sbin/ipadm delete-ip net1 <Return> |
注意
冗長化構成に戻すときに、hanetnic deleteコマンドで指定したインタフェースのIPアドレスとネットマスクの設定が必要です。ifconfig コマンドなどを使用して、事前にメモしておいてください。
# /usr/sbin/ifconfig net1 <Return> |
交換対象のNIC(PCIカード)の状態により、以下の手順が必要となります。
Solaris 11である、かつNICがプライマリインタフェースである場合、システムボードの交換前にIPアドレスの設定を削除する必要があります。
NICが運用NICである場合、システムボードの交換前に手動でNICの切替えを行う必要があります。
プライマリインタフェース名の確認
プライマリインタフェース名を確認してください。プライマリインタフェース名は、Interface List列のリストの先頭に表示されます。この例では“net1”です。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
[IPv4,Patrol]
Name Hostname Mode MAC Adder/Phys ip Interface List
+-----------+---------------+----+-----------------+---------------------------+
sha0 192.168.70.1 d 192.168.70.2 net1,net2
sha1 - p 00:00:00:00:00:00 sha0
[IPv6]
Name Hostname/prefix Mode Interface List
+-----------+---------------------------------+----+---------------------------+
|
運用NIC名を確認してください。この例では“net1”です。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/dsphanet
[IPv4,Patrol]
Name Status Mode CL Device
+----------+--------+----+----+------------------------------------------------+
sha0 Active d ON net1(ON),net2(OFF)
sha1 Active p OFF sha0(ON)
[IPv6]
Name Status Mode CL Device
+----------+--------+----+----+------------------------------------------------+ |
HUB監視機能、パトロール監視機能の停止
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll off <Return> # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/stpptl -n sha1 <Return> |
物理インタフェースの切替え
交換するNICが運用NICの場合のみ実行してください。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n sha0 <Return> |
IPアドレス設定の削除
Solaris 11である、かつ交換するNICがプライマリインタフェースの場合のみ実行してください。
# /usr/sbin/ifconfig net2 <Return> # /usr/sbin/ipadm delete-ip net1 <Return> |
注意
冗長化構成に戻すときに、ipadm delete-ipコマンドで指定したインタフェースのIPアドレスとネットマスクの設定が必要です。
ifconfigコマンドの出力結果をメモしておいてください。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic delete -n sha0 -i sha2 <Return> |
3) NIC (PCIカード) の切離し
1)の手順で特定したインタフェース (例: igb1) をもとに、PCIカードのスロット位置を特定します。
求めたAp_Idを指定して、切離しを行うPCIカードのスロット状態が“connected configured”であることを確認します。
# cfgadm BB#0-PCI#0 Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#0-PCI#0 etherne/hp connected configured ok |
Ap_Idに対してunconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して、PCIカードの構成を解除します。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected unconfigured”になったことを確認します。
# cfgadm -c unconfigure BB#0-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#0-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#0-PCI#0 unknown connected unconfigured unknown |
Ap_Idに対してdisconnect指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して、PCIカードを切り離します。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“disconnected unconfigured”になったことを確認します。
# cfgadm -c disconnect BB#0-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#0-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#0-PCI#0 unknown disconnected unconfigured unknown |
交換作業時にスロット位置を確認しやすくするため、Ap_Idを指定してATTENTION LEDを点滅させます。
# cfgadm -x led=attn,mode=blink BB#0-PCI#0 <Return> |
4) NIC (PCIカード) の交換
3)の手順で切り離したPCIカードと新しいPCIカードを交換します。本作業は、当社技術員が行います。
5) NIC (PCIカード) の組込み
Ap_Idに対してconnect指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して、新規PCIカードを接続します。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected unconfigured”になったことを確認します。
# cfgadm -c connect BB#0-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#0-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#0-PCI#0 unknown connected unconfigured unknown |
Ap_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して新規PCIカードを組込みます。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected configured”になったことを確認します。
# cfgadm -c configure BB#0-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#0-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#0-PCI#0 etherne/hp connected configured ok |
6) 冗長構成への組込み
交換したPCIカードを冗長構成に組み込むため、1)で特定したインタフェース名を指定して、以下のコマンドを実行します。
以下の手順に記載されているインタフェース名は、環境によって異なりますので、環境に合わせて読み替えてください。なお、Solaris 11の場合、デフォルトのインタフェース名は、netX(Xは、インスタンス番号)になります。
Solaris 10の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n sha0 -i igb1 <Return> |
Solaris 11の場合
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n sha0 -i net1 <Return> |
高速切替方式の環境設定を行う場合、追加したインタフェースに対して、以下のコマンドを実行して事前に活性化してください。
IPv4アドレスを使用する場合
Solaris 10の場合
# /usr/sbin/ifconfig igb1 plumb <Return>
# /usr/sbin/ifconfig igb1 ipaddress netmask + broadcast + -trailers up <Return> |
Solaris 11の場合
# /usr/sbin/ipadm create-ip net1 <Return> # /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a ipaddress/netmask net1/v4 <Return> |
IPv6アドレスを使用する場合
Solaris 10の場合
# /usr/sbin/ifconfig igb1 inet6 plumb up <Return> |
Solaris 11の場合
# /usr/sbin/ipadm create-ip net1 <Return> # /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf net1/v6 <Return> |
交換したNIC(PCIカード)の状態により、以下の手順が必要となります。
Solaris 11である、かつNICがプライマリインタフェースである場合、システムボードの交換後に手動でNICの切替えを行い、IPアドレスの再設定をする必要があります。
物理インタフェースの切替え、およびIPアドレスの再設定
Solaris 11である、かつ交換したNICがプライマリインタフェースの場合のみ実行してください。それ以外の場合は、手順2. に進んでください。
IPv4アドレスを使用する場合
# /usr/bin/touch /var/opt/FJSVhanet/tmp/disable_watchif <Return>
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n sha0 <Return>
# /usr/sbin/ipadm delete-ip net1 <Return>
# /usr/sbin/ipadm create-ip net1 <Return>
# /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a ipaddress/netmask net1/v4 <Return>
# /usr/bin/rm -f /var/opt/FJSVhanet/tmp/disable_watchif <Return> |
IPv6アドレスを使用する場合
# /usr/bin/touch /var/opt/FJSVhanet/tmp/disable_watchif <Return> # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n sha0 <Return> # /usr/sbin/ipadm delete-ip net1 <Return> # /usr/sbin/ipadm create-ip net1 <Return> # /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf net1/v6 <Return> # /usr/bin/rm -f /var/opt/FJSVhanet/tmp/disable_watchif <Return> |
HUB監視機能、パトロール監視機能の開始
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/strptl -n sha1 <Return> # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll on <Return> |
物理インタフェースの切替え
必要に応じて、物理インタフェースの切替えを行ってください。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n sha0 <Return> |
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n sha0 -i sha2 <Return> |
7) 運用パスの切戻し (必要な場合のみ)
活性交換により運用パスを変更している場合、必要に応じて運用パスの切戻しを行ってください。
非冗長化構成から新規にPCIカードを活性増設することで、冗長化構成にすることができます。
以下に、非冗長化構成の活性増設手順を示します。
注意
Solaris 11以降、Solaris 10 9/10リリース以降、 またはSolaris 10の142909-17以降のパッチが適用された環境で PHP を使用する場合は、以下のようにhotplugサービスを有効化してください。なお、詳細はご使用のサーバの「サービスマニュアル」を参照してください。
# svcadm enable hotplug |
1) NIC (PCIカード) の増設
a.
PCIカードを増設する前に、prtpicl(1M)コマンドの実行結果(現在の構成情報)を保存します。
# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.pre <Return> |
b.
PCIカードを増設するPCIスロットの状態を確認します。
なお、以降ではIBB#1-PCI#0 に、PCIカード増設を行う場合を例にあげて説明します。
cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設するPCIカードのスロット状態が“empty unconfigured”であることを確認します。
# cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 unknown empty unconfigured unknown |
c.
スロット位置確認のため、1)のb.で求めたAp_Idを指定してPCIカードを増設するPCIスロットのATTENTION LEDを点滅させます。
# cfgadm -x led=attn,mode=blink BB#1-PCI#0 <Return> |
d.
PCIカードを増設するPCIスロットのPOWER LEDが消灯していることを確認し、PCIカードを増設します。本作業は、当社技術員が行います。
e.
cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設したPCIカードのスロット状態が“disconnected unconfigured”になったことを確認します。
# cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 unknown disconnected unconfigured unknown |
2) NIC (PCIカード) の組込み
Ap_Idに対してconnect指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して、新規PCIカードを接続します。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected unconfigured”になったことを確認します。
# cfgadm -c connect BB#1-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 unknown connected unconfigured unknown |
Ap_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して、増設したPCIカードを組込みます。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected configured”になったことを確認します。
# cfgadm -c configure BB#1-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 etherne/hp connected configured ok |
3) デバイスの増設
増設したPCIカードとネットワーク機器をケーブルで接続します。
4) ドライバの設定追加
以下の操作により、ドライバの設定を追加します。
a.
ドライバの設定追加や上位製品の追加に必要となるインタフェース名を求めます。
prtpicl(1M)コマンドの実行結果を保存し、1)のa.で採取した情報との差分をとり、追加したPCIカードに対するドライバのインスタンス番号を求めます。
以下の例では、インスタンス番号が1となっていることから、追加したPCIカードのインタフェース名はigb1と判断することができます。
# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.post <Return> # diff /tmp/prtpicl.pre /tmp/prtpicl.post | more <Return> : > :devfs-path /pci@8900/pci@4/pci@0/pci@0/network@0 > :driver-name igb > :binding-name pciex8086,1521 > :bus-addr 0 > :instance 1 > :_class network > :name network : |
b.
上記手順で得られたインタフェース名が、追加したPCIカードのスロット位置に該当するインタフェース名であることを確認します。
特に増設したPCIカードが複数あり、インタフェース名とスロット位置の関係を特定することができない場合には、本手順を実施してください。
c.
各ドライバに対する設定を追加します。
詳細は各ドライバのマニュアルを参照してください。
5) 冗長構成の構築
高速切替方式、NIC切替方式、またはGS/SURE連携方式の環境設定を行い、仮想インタフェースを活性化します。活性増設によりNIC(PCIカード)を増設した場合、各方式の環境設定完了後にシステムをリブートする必要はありません。
なお、高速切替方式の環境設定を行う場合、追加したインタフェース“igb1(net1)”は以下のコマンドを実行して事前に活性化しておく必要があります。また、以下の手順に記載されているインタフェース名は、環境によって異なりますので、環境に合わせて読み替えてください。なお、Solaris 11の場合、デフォルトのインタフェース名は、netX(Xは、インスタンス番号)になります。
IPv4アドレスを使用する場合
Solaris 10の場合
# /usr/sbin/ifconfig igb1 plumb <Return>
# /usr/sbin/ifconfig igb1 ipaddress netmask + broadcast + -trailers up <Return> |
Solaris 11の場合
# /usr/sbin/ipadm create-ip net1 <Return>
# /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a ipaddress/netmask net1/v4 <Return> |
IPv6アドレスを使用する場合
Solaris 10の場合
# /usr/sbin/ifconfig igb1 inet6 plumb up <Return> |
Solaris 11の場合
# /usr/sbin/ipadm create-ip net1 <Return> # /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf net1/v6 <Return> |
注意
[Solaris 10環境の場合]
高速切替方式(IPv4)の場合、ここで指定したIPアドレスは/etc/inet/hostsおよび/etc/hostname.igb1に必ず設定してください。
高速切替方式(IPv6)の場合、必ず/etc/hostname6.igb1を空ファイルとして作成してください。
これらのシステム設定を行わないと、システムリブートが行われた場合に高速切替方式の仮想インタフェースを活性化することができなくなります。
冗長化構成に、更にPCIカードを活性増設することができます。
注意
NIC切替方式では、冗長構成へ新しいインタフェースを追加することはできません。
また、GS/SURE連携方式にインタフェースを追加する場合には、GS/SURE連携方式で使用している仮想インタフェースの非活性化を行った後に、インタフェースの追加を実行する必要があります。
Solaris 11以降、Solaris 10 9/10リリース以降、 またはSolaris 10の142909-17以降のパッチが適用された環境で PHP を使用する場合は、以下のようにhotplugサービスを有効化してください。なお、詳細はご使用のサーバの「サービスマニュアル」を参照してください。
# svcadm enable hotplug |
以下に、冗長化構成の活性増設手順を示します。
1) NIC (PCIカード) の増設
a.
PCIカードを増設する前に、prtpicl(1M)コマンドの実行結果(現在の構成情報)を保存します。
# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.pre <Return> |
b.
PCIカードを増設するPCIスロットの状態を確認します。
なお、以降ではBB#1-PCI#0 に、PCIカード増設を行う場合を例にあげて説明します。
cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設するPCIカードのスロット状態が"empty unconfigured"であることを確認します。
# cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 unknown empty unconfigured unknown |
c.
スロット位置確認のため、1)のb.で求めたAp_Idを指定してPCIカードを増設するPCIスロットのATTENTION LEDを点滅させます。
# cfgadm -x led=attn,mode=blink BB#1-PCI#0 <Return> |
d.
PCIカードを増設するPCIスロットのPOWER LEDが消灯していることを確認し、PCIカードを増設します。本作業は、当社技術員が行います。
e.
cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設したPCIカードのスロット状態が"disconnected unconfigured"になったことを確認します。
# cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 unknown disconnected unconfigured unknown |
2) NIC (PCIカード) の組込み
Ap_Idに対してconnect指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して、新規PCIカードを接続します。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected unconfigured”になったことを確認します。
# cfgadm -c connect BB#1-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 unknown connected unconfigured unknown |
Ap_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行して、増設したPCIカードを組み込みます。
その後、cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が“connected configured”になったことを確認します。
# cfgadm -c configure BB#1-PCI#0 <Return> # cfgadm BB#1-PCI#0 <Return> Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition BB#1-PCI#0 etherne/hp connected configured ok |
3) デバイスの増設
増設したPCIカードとネットワーク機器をケーブルで接続します。
4) ドライバの設定追加
以下の操作により、ドライバの設定を追加します。
a.
ドライバの設定追加などに必要となるインタフェース名を求めます。
prtpicl(1M)コマンドの実行結果を保存し、1)のa.で採取した情報との差分をとり、追加したPCIカードに対するドライバのインスタンス番号を求めます。
以下の例では、インスタンス番号が2となっていることから、追加したPCIカードのインタフェース名はigb2であると判断することができます。
# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.post <Return> # diff /tmp/prtpicl.pre /tmp/prtpicl.post | more <Return> : > :devfs-path /pci@8900/pci@4/pci@0/pci@0/network@0 > :driver-name igb > :binding-name pciex8086,1521 > :bus-addr 0 > :instance 2 > :_class network > :name network : |
b.
上記手順で得られたインタフェース名が、追加したPCIカードのスロット位置に該当するインタフェース名であることを確認します。
特に増設したPCIカードが複数あり、インタフェース名とスロット位置の関係を特定することができない場合には、本手順を実施してください。
c.
各ドライバに対する設定を追加します。
詳細は各ドライバのマニュアルを参照してください。
5) 冗長化構成への組込み
増設したPCIカードを既存の冗長構成に組み込むため、以下のコマンドを実行します。
以下の手順に記載されているインタフェース名は、環境によって異なりますので、環境に合わせて読み替えてください。なお、Solaris 11の場合、デフォルトのインタフェース名は、netX(Xは、インスタンス番号)になります。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n sha0 -i igb2 -f <Return> |
高速切替方式の環境設定を行う場合、追加したインタフェースに対して、以下のコマンドを実行して事前に活性化してください。
IPv4アドレスを使用する場合
Solaris 10の場合
# /usr/sbin/ifconfig igb2 plumb <Return>
# /usr/sbin/ifconfig igb2 ipaddress netmask + broadcast + -trailers up <Return> |
Solaris 11の場合
# /usr/sbin/ipadm create-ip net2 <Return>
# /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a ipaddress/netmask net2/v4 <Return> |
IPv6アドレスを使用する場合
Solaris 10の場合
# /usr/sbin/ifconfig igb2 inet6 plumb up <Return> |
Solaris 11の場合
# /usr/sbin/ipadm create-ip net2 <Return> # /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf net2/v6 <Return> |
注意
[Solaris 10環境の場合]
高速切替方式(IPv4)の場合、ここで指定したIPアドレスは/etc/inet/hostsおよび/etc/hostname.igb2に必ず設定してください。
高速切替方式(IPv6)の場合、必ず/etc/hostname6.igb2を空ファイルとして作成してください。
これらのシステム設定を行わないと、システムリブートが行われた場合に高速切替方式の仮想インタフェースを活性化することができなくなります。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/stphanet -n sha0 <Return> # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha4 -m n -i 192.168.20.10 -t igb2 <Return> # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n sha0 -t sha2,sha3,sha4 <Return> # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/strhanet -n sha0 <Return> |
6) 運用パスの切替え (必要な場合のみ)
運用上必要な場合は、増設したパスに運用パスを切り替えてください。