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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.3 (伝送路二重化機能編)

3.2.2 ネットワークの設定

3.2.2.1 各方式共通の設定

(1) 物理インタフェースの確認

使用する物理インタフェースがシステムに実装されているかどうかを、prtconf(1M)コマンドを実行して確認してください。

# prtconf -D | grep “物理インタフェース名”

例えば、qfeを使用する場合、以下のように実行してください。

# prtconf -D | grep qfe
                SUNW,qfe, instance #0 (driver name: qfe)
                SUNW,qfe, instance #1 (driver name: qfe)
                SUNW,qfe, instance #2 (driver name: qfe)
                SUNW,qfe, instance #3 (driver name: qfe)

上記例の場合、qfe0,qfe1,qfe2,qfe3が使用可能であることがわかります。prtconf(1M)コマンドの詳細については、Solarisのマニュアルを参照してください。

使用する物理インタフェースがシステムに実装されていない場合は、NICを本体装置に追加してください。なお、NICを本体装置に追加した場合は、okプロンプトからboot -rコマンドを実行してシステムを起動するなどして、予め本体装置に追加したNICを認識させてから、再度上記の処理を行ってください。

参考

タグVLANインタフェースを使用する場合は、使用するNICがタグVLAN機能(IEEE802.1Q)に対応していることを確認してください。また、タグVLANインタフェースの設定方法については、各イーサネットドライバのドキュメントを参照してください。なお、伝送路二重化機能として指定可能なVLAN-IDの有効範囲は、1~4094までです。

(2) ネームサービスの設定確認

DNS運用、NIS運用などのネームサービスを使用する場合には、hosts、netmasks、ipnodesのキーワードには、先にローカルファイルを参照するように設定(/etc/nsswitch.confファイル)してください。本設定により、DNSサーバまたはNISサーバと通信ができない状態でもアドレス解決が正常に実行されます。以下に、/etc/nsswitch.confファイルの設定例を示します。

#
# /etc/nsswitch.files:
#
# An example file that could be copied over to /etc/nsswitch.conf; it
# does not use any naming service.
#
# "hosts:" and "services:" in this file are used only if the
# /etc/netconfig file has a "-" for nametoaddr_libs of "inet" transports.

passwd:     files
group:      files
hosts:      files dns
ipnodes:    files
networks:   files
protocols:  files
rpc:        files
ethers:     files
netmasks:   files
bootparams: files

注意

伝送路二重化機能で設定するアドレスおよびホスト名(仮想IPや物理IPに付加するホスト名)を定義する際、IPv4アドレスのみを使用する場合でも、/etc/inet/hostsと/etc/inet/ipnodesファイルの両方に設定を行ってください。

(3) OSのネットワーク設定ファイルの確認

OSのネットワーク設定ファイル(/etc/hostname.interfaceファイル、または/etc/hostname6.interfaceファイル)でIPアドレスを設定する場合、NICやSB(システムボード)などのハードウェアが故障したときに備えて、以下のように設定することを推奨します。

高速切替方式の場合

[Solaris 10の場合]
二重化する両物理インタフェースに対するネットワーク設定ファイルとして、以下のいずれか、または両方のファイルを作成します。

  • /etc/hostname.interface

  • /etc/hostname6.interface

[Solaris 11の場合]
ipadm(1M)コマンドを用いて、二重化する両物理インタフェースの設定を行います。

NIC切替方式の場合

[Solaris 10の場合]
二重化する物理インタフェースのうち、どちらかの物理インタフェースのネットワーク設定ファイルとして、以下のいずれか、または両方のファイルを作成します。

  • /etc/hostname.interface

  • /etc/hostname6.interface

[Solaris 11の場合]
ipadm(1M)コマンドを用いて、二重化する物理インタフェースのうち、どちらか一方の物理インタフェースの設定を行います。

GS/SURE連携方式の場合

二重化する物理インタフェースのネットワーク設定ファイルを作成する必要はありません。

注意

システム起動時にハードウェア故障などが原因で、hostname.interface または ipadmコマンドにより設定した、すべてのIPアドレスが割り当てられない場合、伝送路二重化機能を含むネットワークに関連するサービスが起動されません。

以下の図のように、ハードウェア故障時でも、伝送路二重化機能が起動するように設定してください。

  • Solaris 10の場合

    hostname.interfaceファイルを作成します。

  • Solaris 11の場合

    ipadmコマンドでIPアドレスを設定します。

NIC切替方式の場合は、以下の図のように、システム起動時に少なくとも1つの物理インタフェースが活性化の対象となるように、ネットワーク設定ファイルを作成することを推奨します。

図3.2 NIC切替方式におけるOSの設定ファイルの配置例(Solaris 10の場合)

図3.3 NIC切替方式におけるOSの設定ファイルの配置例(Solaris 11の場合)

また、システムボードを冗長化している場合や、複数のポートをもつNICを使用している場合に、システムボードやNICに故障が発生した状態でシステムの再起動を行うと、IPアドレスを割り当てることができないため、ネットワークサービス(svc:/network/physical)の起動に失敗する場合があります。この場合、伝送路二重化機能のサービス(svc:/network/fjsvhanet)を含めたネットワークサービスが起動されません。

このため、以下の図のように、システム起動時に少なくとも1つの物理インタフェースが活性化の対象となるように、それぞれのシステムボードに、1つ以上の活性化する物理インタフェースを設定することを推奨します。

Solaris 10の場合は、ネットワーク設定ファイルを作成することで設定します。

Solaris 11の場合は、ipadmコマンドで設定します。

搭載されているNICの数が少ないなどの理由によって上記の対処ができない場合は、システムの再起動時に、ネットワーク設定ファイルに対する活性化対象の物理インタフェースが異常でないことを確認してからシステムを再起動してください。

図3.4 システムボードを冗長化している環境におけるOSの設定ファイルの配置例(Solaris 10の場合)

図3.5 システムボードを冗長化している環境におけるOSの設定ファイルの配置例(Solaris 11の場合)

NIC切替方式(物理IP引継ぎII)の場合は、クラスタのノード間でIP重複が発生しないようする必要があります。Solaris 10の場合、ネットワーク設定ファイルを空ファイルとして作成し、IPアドレスが設定されないようにしてください。ネットワーク設定ファイルを作成する場合は、二重化する物理インタフェース以外に、システム起動時に少なくとも1つの物理インタフェースが活性化の対象となるように、ネットワーク設定ファイルを作成してください。

3.2.2.2 高速切替方式の設定

3.2.2.3 NIC切替方式の設定

IPv4アドレスを使用する場合

IPv6アドレスを使用する場合

3.2.2.4 GS/SURE連携方式の設定