NIC切替方式で接続するHUBは1台でも構いませんが、HUBにMAC学習機能がある場合、正常に通信ができないことがあります。この場合はHUBを2台にしてHUB-HUB間を接続し、それぞれのHUBにケーブルを接続してください。(2.1.2 NIC切替方式の“図2.7 NIC切替方式のシステム構成”参照)
使用するインタフェース種別がmpnetX(マルチパスの論理インタフェース)の場合には、待機パトロール機能を使用することはできません。
マルチキャストIPアドレスによる通信は、ノード名(uname -n)に対応する物理インタフェース(通常hme0)を使用して行われますが、このインタフェースをNIC切替方式で使用した場合、マルチキャストIPアドレスによる通信を行うことができません。これにより、システム起動時にin.rdiscが以下のようなWARNINGメッセージを出力することがあります。
in.rdiscd[xxx]: setsockopt(IP_DROP_MEMBERSHIP): Cannot assign requested address
この場合、/etc/defaultrouterを設定するなどして、in.rdiscを起動しないようにするか、またはノード名を別のインタフェースに割り当て直すようにしてください。
NIC切替方式の待機パトロール機能では、専用のイーサネットフレームを使用するため、VLAN(バーチャルLAN)運用の場合、VLANの設定によっては待機パトロール機能が利用できない場合があります。この場合は、待機パトロール機能、またはVLANの利用を止めるか、任意のイーサネットフレームが使用可能となるようVLANの設定を変更してください。
NIC切替方式では、pingによる異常監視を行うため、IPアドレスが設定できるHUBを使用する必要があります。IPアドレスが設定できない場合は、HUBに接続された他装置のIPアドレスを代用することも可能ですが、この場合、装置自身が異常となると伝送路異常として扱われますので、注意してください。
Solaris 10で、IPv6仮想インタフェースを使用する場合は、システム起動時に in.ndpdデーモンが起動されるようprimary物理インタフェースに対応する /etc/hostname6.interfaceファイルを作成してください。in.ndpdが起動されない場合、IPv6のアドレス自動構成は動作しません。なお、作成する/etc/hostname6.interfaceファイルは必ず空ファイルとしてください。
IPv6仮想インタフェースを使用する場合、EthernetのLinkUp遅延によりIPv6アドレス自動構成が遅延するのを防止するためin.ndpdの再起動を行う場合があります。これに伴い、in.ndpdよりメッセージ ”SIGHUP: restart and reread config file” が出力されますが異常ではありません。
ファイアウォールが動作しているシステム上でping監視を行う場合は、監視先IPに対するpingが通過するようファイアウォールの設定を行う必要があります。通過設定が行われていない場合には、ping監視に失敗します。なお、ファイアウォールの通過設定は、プライマリインタフェースとセカンダリインタフェースで同じ設定を行うようにしてください。
IPv6ルータによるアドレス自動構成を行わない環境でIPv6仮想インタフェースを使用する場合、監視先IPにはリンクローカルアドレスを設定してください。