ネットワークの障害や復旧に伴うネットワークトポロジーの変化に応じて、通信に使用する経路を切り替えます。
リンク状態監視機能で異常を検出した場合は、待機NICに切り替えることで通信を継続します。
ネットワーク監視機能で異常を検出した場合はすべてのNICで通信を継続し、通信経路が復旧すると、1つのNICだけで通信を行います。
ここでは、以下の状態を例に説明します。
正常時
NIC故障時
スイッチ間のリンク障害時
スイッチ故障時
スイッチ障害の復旧時
正常時
すべてのNICやスイッチが正常に動作している状態では、仮想NICは冗長化したNICを排他使用 (NIC1:Active状態、NIC2:Standby状態) して通信を行います。
この場合、NIC1ですべての相手システムに対する通信を行い、NIC2は待機状態となります。
図2.3 正常時の通信形態
NIC故障時
NIC1または接続先のスイッチ1で異常が発生し、NIC1がリンクダウン状態となった場合は、NIC2への切替えを行うことで通信を継続します。この場合、すべての相手システムに対する通信をNIC2で行います。
図2.4 NIC1故障時の通信形態
スイッチ間のリンク障害時
スイッチ2とスイッチ3との間のリンクが異常となった場合は、ネットワークが2つに分断されてしまうため、NIC1では相手システム1と相手システム2に対する通信は継続できますが、相手システム3と相手システム4に対する通信は途絶えます。この場合、NIC1に加え、NIC2もActive状態にすることで、相手システム3と相手システム4に対する通信を継続します。
図2.5 スイッチ2-スイッチ3間のリンク障害時の通信形態
スイッチ故障時
スイッチ3が故障した場合は、NIC2をActive状態にすることで、相手システム4に対する通信を継続します。相手システム3との通信は、物理的に到達可能な経路が存在しないため、途絶えます。
図2.6 スイッチ3故障時の通信形態
スイッチ障害の復旧時
故障したスイッチの交換など、保守作業によってネットワークの分断が解消された場合は、NIC2をStandby状態に戻し、再度、NIC1だけですべての相手システムと通信を行います。
図2.7 スイッチ復旧時の通信形態