Global Link Services (以降、GLS) の伝送路二重化機能は、複数のNIC(Network Interface Card)を使用して、自システムが接続されるネットワークの伝送路を冗長化し、通信全体の高信頼化を実現します。GLSでは、以下の4つの方式による伝送路制御機能を提供しています。
高速切替方式
NIC切替方式
GS/SURE連携方式
仮想NIC方式
本書では、仮想NIC方式について説明します。その他の方式については、「PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 (伝送路二重化機能編)」を参照してください。
仮想NIC方式
仮想NIC方式は、同一ネットワーク上の複数のネットワークインターフェースを、仮想的な1つのインターフェースとしてグループ化することで通信の高信頼化を実現します。通信相手が限定されず、ルータを経由した別ネットワーク上のホストとの通信も可能です。同一ネットワーク上のネットワークインターフェースを冗長化するNIC切替方式と比較した場合、以下の特長があります。
障害監視機能で監視先IPアドレスの指定が不要
Solarisゾーン環境の場合、グローバルゾーンだけでなく、ノングローバルゾーンからも仮想NICを利用可能
Oracle VM環境の場合、仮想インターフェースを仮想スイッチに接続する構成が利用可能
図1.1 仮想NIC方式