作成したCOBOLプログラムをデバッグする手段として、NetCOBOL自身の持つ次のデバッグ機能を使用することができます。
誤った領域参照など代表的な誤りをチェックする機能(CHECK機能)
実行したCOBOLの文のトレース(TRACE機能)
実行したCOBOLの文ごと、文種別ごとの実行回数とその比率を出力(COUNT機能)
これらのデバッグ機能は、非対話的に実行され、結果はファイルに出力されます。このため、対話型デバッガによるデバッグでは見つけにくい次のような問題を発見するのに力を発揮します。
多数の繰り返し処理の実行後に発生する問題
他のプログラムから多数回呼び出された末に発生する問題
問題の発生する条件が確定できない問題
ここでは、これらの機能について概要を述べます。詳細については、“NetCOBOL ユーザーズガイド”を参照してください。
CHECK機能は、プログラム実行時に以下の誤り検査を行います。
データ例外(属性形式に合った値が数字項目に入っているかおよび除数がゼロでないか)
添字・指標および部分参照の範囲外検査
INVOKE文のパラメタと呼び出すメソッドの仮パラメタの適合検査
CALL文によるプログラム呼び出し時の引数、返却項目の検査
異常を検出するとエラーメッセージを出力して、プログラムの実行を強制的に終了させます(指定した回数の異常が検出されるまで、続行するように指定することもできます)。
TRACE機能は次のような目的で使用されるデバッグ機能です。
どの文で異常終了したのかを知りたい
異常終了までに実行した文の経路を知りたい
実行の途中で出力されたメッセージを確認したい
TRACE機能では、プログラムの異常終了時に、それまでに実行したCOBOLの文のトレース情報をフ
ァイルに出力します。出力されたトレース情報により、異常終了した文やそこまでの経緯を知る
ことができます。
COUNT機能は次のような目的で使用されるデバッグ機能です。
プログラムの実行した全ルートの走行を確認したい
プログラムの効率化を図りたい
翻訳オプションCOUNTが有効な場合、環境変数情報SYSCOUNTに指定されたファイルに、COUNT情報が出力されます。
利用者は、COUNT機能により、各文の実行頻度を的確に把握し、プログラムの最適化に役立てることができます