Interstage Application Serverおよびデータベース製品のタイマ監視および関連する処理時間には以下の項目があります。設定可能なタイムアウトの値とその振舞いについて説明します。
CORBAサービスのタイムアウト(period_receive_timeout)
トランザクションサービス(OTS、JTS)使用時のタイムアウト値
イベントチャネル(キュー)のタイムアウト値
メッセージのライフタイム値
Symfoware使用時のタイムアウト値
Interstage Application Serverのタイマ監視の詳細は、本製品に同梱の“Interstage Application Server OLTPサーバ運用ガイド”を参照してください。また、データベース製品のタイマ監視の詳細は、各データベース製品が提供するマニュアルを参照してください。
■CORBAサービスのタイムアウト(period_receive_timeout)
CORBAサービスのタイムアウトは、クライアントにおける、リクエスト送信(サーバメソッド発行)から返信までの待機時間です。
サーバメソッドからの返信がないままこの時間を経過すると、クライアントアプリケーションにタイムアウトが通知されます。
非同期アプリケーション連携実行基盤では、使用するイベントチャネルは、CORBAサービス上で動作しているために本タイムアウト(period_receive_timeout)が、Interstage Application Serverに関するタイムアウトの基底値となります。
◆設定箇所
Interstage管理コンソールの[Interstage Application Server] > [システム] > [環境設定]タブを選択した後、[CORBAサービス詳細設定]の設定項目に設定します。
◆設定項目
以下に設定項目を示します。
設定項目 | 説明 | 上段:省略値 | 設定方法 |
---|---|---|---|
クライアントタイムアウト時間(period_receive_timeout) | CORBAクライアントアプリケーションのリクエスト送信から返信までの待機時間です。この時間を超えてもサーバからの返信がない場合、CORBAクライアントアプリケーションにタイムアウトが通知されます。値は5秒単位に設定され、端数は切り捨てられます。 | 360(秒) | Interstage管理コンソール、またはCORBAサービスの動作環境ファイルで指定します。
定義例: |
■イベントチャネル(キュー)のタイムアウト値
キューとして使用されるイベントチャネルのタイムアウトについては、メッセージの待ち合わせ時間とローカルトランザクションで使用可能な実行時間について設定ができます。
◆設定箇所
イベントチャネル共通の動作を設定する場合は、Interstage管理コンソールの以下のどちらかの箇所で設定します。
[Interstage Application Server] > [システム] > [リソース] > [JMS] > [構成情報]タブを選択した後、[イベントチャネル共通動作環境]の設定項目に設定
[Interstage Application Server] > [システム] > [サービス] > [イベントサービス] > [構成情報]タブを選択した後、[イベントチャネル共通動作環境]の設定項目に設定
イベントチャネルごとの動作を設定する場合は、Interstage管理コンソールの以下のどちらかの箇所で設定します。
[Interstage Application Server] > [システム] > [リソース] > [JMS] > [イベントチャネル] > “グループ名::チャネル名” > [環境設定]タブを選択した後、[イベントチャネル環境情報]の設定項目に設定
[Interstage Application Server] > [システム] > [サービス] > [イベントサービス] > [イベントチャネル] > “グループ名::チャネル名” > [環境設定]タブを選択した後、[イベントチャネル環境情報]の設定項目に設定
定義項目の詳細は、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
◆設定項目
以下に設定項目の一覧を示します。
設定項目 | 説明 | 上段:省略値 | 設定方法 |
---|---|---|---|
イベントデータ待ち合わせ時間(Mixedモデル) | イベントデータの待ち合わせ時間(秒)を入力します。CORBAサービス動作環境のクライアントタイムアウト時間より小さい値を指定してください(値の差が20秒以上になるように指定することを推奨します)。なお、“0”を指定した場合、CORBAサービス動作環境のクライアントタイムアウト時間の値に依存します。 | 40(秒) | Interstage管理コンソール、またはessetcnfchnlコマンド(イベントチャネルの動作環境の参照と設定)か、essetcnfコマンド(イベントサービスの構成情報の管理)の、-wtime オプション(Mixedモデルのイベントデータの待ち合わせ時間) |
ローカルトランザクションのタイムアウト時間 | ローカルトランザクションのタイムアウト時間(秒)を入力します。 | 300(秒) | Interstage管理コンソール、またはessetcnfchnlコマンド(イベントチャネルの動作環境の参照と設定)か、essetcnfコマンド(イベントサービスの構成情報の管理)の、-ltrntimeオプション(ローカルトランザクションのタイムアウト時間) |
■メッセージのライフタイム値
イベントサービスの環境情報のイベントデータ生存時間を設定することにより、キューに格納するメッセージのライフタイムを設定することができます。
◆設定箇所
イベントチャネル共通の動作を設定する場合は、Interstage管理コンソールの以下のどちらかの箇所で設定します。
[Interstage Application Server] > [システム] > [リソース] > [JMS] > [構成情報]タブを選択した後、[イベントチャネル共通動作環境]の設定項目に設定
[Interstage Application Server] > [システム] > [サービス] > [イベントサービス] > [構成情報]タブを選択した後、[イベントチャネル共通動作環境]の設定項目に設定
イベントチャネルごとの動作を設定する場合は、Interstage管理コンソールの以下のどちらかの箇所で設定します。
[Interstage Application Server] > [システム] > [リソース] > [JMS] > [イベントチャネル] > “グループ名::チャネル名” > [環境設定]タブを選択した後、[イベントチャネル環境情報]の設定項目に設定
[Interstage Application Server] > [システム] > [サービス] > [イベントサービス] > [イベントチャネル] > “グループ名::チャネル名” > [環境設定]タブを選択した後、[イベントチャネル環境情報]の設定項目に設定
定義項目の詳細は、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
◆設定項目
以下に設定項目の一覧を示します。
設定項目 | 説明 | 上段:省略値 | 非同期アプリケーション連携実行基盤で推奨する設定値 |
---|---|---|---|
揮発運用時のイベントデータ生存時間 | 揮発型のイベントチャネルに蓄積したイベントデータの生存時間を入力します。 | 0(無制限) | 0を指定してください。 |
不揮発運用時のイベントデータ生存時間 | 不揮発型のイベントチャネルに蓄積したイベントデータの生存時間を入力します。 | 0(無制限) | 0を指定してください。 |
アクティビティに関連付けられたキュー内に滞留したメッセージの生存期間が、設定された「イベントデータ生存時間」値を超えた場合、メッセージは削除されます。
メッセージが削除された場合、イベントサービスのログが出力されます。
■Symfoware使用時のタイムアウト値(Javaの場合)
Symfowareデータベースとの接続中のタイムアウトについては、トランザクションで使用可能な実行時間とサーバからのデータ受信待ち時間を設定できます。
詳細は、“Symfoware Server アプリケーション開発ガイド(JDBCドライバ編)”および“Symfoware Server セットアップガイド”を参照してください。
◆設定箇所
設定は、SymfowareのJDBCデータソース登録ツールを使用します。[JDBCデータソース オプション設定]画面から[その他パラメタ]に設定項目を設定します。
JDBCデータソース登録ツールの詳細は、“Symfoware Server アプリケーション開発ガイド(JDBCドライバ編)”を参照してください。
◆設定項目
以下に設定項目の一覧を示します。
設定項目 | 説明 | 省略値 | 設定方法 |
---|---|---|---|
最大トランザクション実行時間 | 1つのトランザクションで使用可能な時間を指定します。単位は秒です。0を指定すると無制限になります。指定時間を超過した場合には、トランザクションをロールバックして、接続中のコネクションを切断します。 | 0(無制限) | ctuneparam='CLI_TRAN_TIME_LIMIT = (最大トランザクション実行時間)’ 注意 Symfowareの利用者制限機能を利用している場合には本項目で最大のトランザクション実行時間を設定することができません。“■Symfoware使用時のタイムアウト値(利用者制御機能を利用している場合)”を参照してタイムアウト値を設定してください。 |
待ち時間 | サーバからのデータ受信の待ち時間を指定します。 | 0(無制限) | ctuneparam='CLI_WAIT_TIME = (待ち時間)’ |
■Symfoware使用時のタイムアウト値(COBOLの場合)
Symfowareデータベースとの接続中のタイムアウトについては、トランザクションで使用可能な実行時間とサーバからのデータ受信待ち時間を設定できます。
詳細は、“Symfoware Server アプリケーション開発ガイド(埋め込みSQL編)”および“Symfoware Server セットアップガイド”を参照してください。
◆設定箇所
クライアント用の動作環境ファイルに指定します。クライアント用の動作環境ファイルの作成方法については、“Interstage Business Application Server セットアップガイド”に記載している“非同期アプリケーション連携実行基盤編”の“クライアント用の動作環境ファイルの作成(Symfowareの場合)”を参照してください。
◆設定項目
以下に設定項目の一覧を示します。
設定項目 | 説明 | 省略値 | 設定方法 |
---|---|---|---|
最大トランザクション実行時間 | 1つのトランザクションで使用可能な時間を指定します。単位は秒です。0を指定すると無制限になります。指定時間を超過した場合には、トランザクションをロールバックして、接続中のコネクションを切断します。 | 0(無制限) | TRAN_TIME_LIMIT=(最大トランザクション実行時間) TRAN_TIME_LIMIT=(360) 注意 Symfowareの利用者制限機能を利用している場合には、本項目で最大のトランザクション実行時間を設定することができません。“■Symfoware使用時のタイムアウト値(利用者制御機能を利用している場合)”を参照してタイムアウト値を設定してください。 |
待ち時間 | サーバからのデータ受信の待ち時間を指定します。 | 0(無制限) | WAIT_TIME=(待ち時間) |
■Symfoware使用時のタイムアウト値(利用者制御機能を利用している場合)
Symfowareデータベースとの接続中のタイムアウトについては、トランザクションで使用可能な実行時間と、Symfowareデータベースがサーバアプリケーションから次の処理依頼を待つ時間を設定できます。詳細は、“Symfoware Server セキュリティ運用ガイド”を参照してください。
◆設定箇所
SET SYSTEM PARAMETER文、CREATE USER文またはALTER USER文をrdbddlexコマンドに指定することにより設定することが可能です。SQL文およびrdbddlexコマンドの詳細については、“Symfoware Server SQLリファレンス”および“Symfoware Server コマンドリファレンス”を参照してください。
◆設定項目
以下に設定項目の一覧を示します。
設定項目 | 説明 | 省略値 | 設定方法 |
---|---|---|---|
最大トランザクション実行時間 | 1つのトランザクションで使用可能な時間を指定します。単位は秒です。0を指定すると無制限になります。指定時間を超過した場合には、トランザクションをロールバックして、接続中のコネクションを切断します。 | 300 | MAX_TRAN_TIME=最大トランザクション実行時間 |
無応答時間 | ある特定の利用者がコネクションを占有することによって、他の利用者のアプリケーションの実行を阻害する可能性があります。 これに対して、次の処理依頼を待つ最大時間を制限できるようにします。これにより、一定時間待っても処理依頼がなければ、強制的に切断します。 | 0(無制限) | MAX_WAIT_TIME=無応答時間 注意
|
■Oracle使用時のタイムアウト値
Oracleデータベースとの接続中のタイムアウトについては、コネクションの最大接続時間およびコネクションの無応答時間を設定できます。詳細は、Oracleのマニュアルを参照してください。
◆設定箇所
デフォルトのプロファイルを変更するか、データベースのユーザごとにプロファイルを作成することで設定することが可能です。プロファイルの詳細や設定方法については、Oracleのマニュアルを参照してください。
◆設定項目
以下に設定項目の一覧を示します。
設定項目 | 説明 | 省略値 | 設定方法 |
---|---|---|---|
最大接続時間 | コネクションの最大接続時間を指定します。最大接続時間には1つのトランザクションで使用する時間よりも大きな値を指定します。 | ※ | CONNECT_TIME 最大接続時間 定義例: |
無応答時間 | 次の処理依頼を待つ最大時間を制限できるようにします。一定時間待っても処理依頼がなければ、強制的に切断します。 | ※ | IDLE_TIME 無応答時間 |
※省略値、設定範囲についてはOracleのマニュアルを参照してください。
注意
最大接続時間または無応答時間に値を設定した場合、コネクションプーリング機能によりプーリングされているコネクションが設定値に従い切断されます。コネクション再接続機能を利用しない場合かつコネクションが切断されている場合には、サーバアプリケーションの呼び出し契機もしくはデータベースの操作時にエラーとなりますので、無制限(UNLIMITED)を指定するか、時間を設定する場合にはコネクションの再接続機能を利用します。