本章では、Spring IDEの基本的な操作について説明します。
Springプロジェクトの作成
Spring IDEを使用してSpringプロジェクトを生成する手順を以下に示します。
メニュー [ファイル] > [新規] > [プロジェクト] を選択すると、[新規プロジェクト]画面に移行します。
[Spring] > [Spring レガシー・プロジェクト]を選択し、[次へ(N)>]ボタンをクリックすると、[Spring レガシー・プロジェクト]画面に移行します。
[プロジェクト名]にプロジェクト名を入力します。ここでは、例としてStudentsearchという名前を入力しています。
[デフォルトロケーションの使用]チェックボックスは、デフォルトでチェックを入れます。チェックを入れていない場合、[参照]ボタンをクリックすることで所在パスを変更できます。
[テンプレート]プルダウンメニューは、[Simple Project] > [Simple Java]を選択してください。
[次へ(N)>]ボタンをクリックすると、[Spring Configuration]画面に移行します。
[構成ファイルの <import/> 要素のサポートを使用可能にする]のチェックボックスにチェックを入れると、エレメント<import/>を利用し、リソースファイルがConfigファイルにインポートできます。
[欠損した名前空間ハンドラーを無視] のチェックボックスにチェックを入れると、「Unable to locate Spring NamespaceHandler for element 'nodename' of schema namespace 'namespacename'」のような警告メッセージが表示されません。
[構成ファイル接尾部のリスト]は、Configファイルの拡張子を設定します。デフォルトは、xmlです。
[次へ(N)>]ボタンをクリックすると、[Java 設定]画面に移行します。
[完了(F)]ボタンをクリックすると、以下のようなStudentsearchというSpring Projectが生成されます。生成されたSpring ProjectにはSpring43ライブラリが追加されています。
生成したプロジェクトを選択し、右クリックメニューから[プロパティ]を選択して、プロパティのダイヤログボックスを開いた後、、[Javaのビルド・パス]を選択し、[ライブラリー(L)]から[Spring43ライブラリ]を選択し[除去(R)]をクリックします。
[ライブラリーの追加(I)]をクリックして[ライブラリーの追加画面]を開いた後、[Spring32ライブラリ]を選択し、[次へ]をクリックします。
必要なライブラリをすべて選択して、[完了]をクリックします。
プロパティのダイヤログボックスに戻るので、[OK]をクリックすると、プロジェクトにSpring32ライブラリが追加されます。
Springの構成ファイルの作成
Spring IDEを使用してSpringの構成ファイルを生成する手順を以下に示します。
メニュー [ファイル] > [新規] > [その他] を選択すると、[新規]画面に移行します。
[Spring] > [Spring Bean 構成ファイル] を選択し、[次へ(N)>]ボタンをクリックすると、[新規 Spring Bean 定義ファイル]画面に移行します。
リストボックスから構成ファイルが所属するSpringプロジェクトフォルダを選択します。
[ファイル名]に構成ファイル名を入力します。
[次へ(N)>]ボタンをクリックすると、XSDのネームスペースを選択する画面に移行します。
XSDのネームスペースリストにおいて、必要となるネームスペースチェックボックスにチェックを入れ、かつ当該ネームスペース名を選択することで、下記のリストボックスから異なるバージョンを選択できます。バージョンを選択する場合、1つのみのチェックボックスにチェックを入れます。選択しない場合、デフォルトのバージョンを利用します。
[次へ(N)>]ボタンをクリックすると、構成セット選択画面に移行します。
リストからBean 構成セットを選択し、当該Spring Bean 定義ファイルをBean 構成セットに追加します。
参照
上記の図においてのtestはBean 構成セットです。その作成方法については、“複数の構成ファイルに分割する”を参照してください。
[完了(F)]ボタンをクリックすると、ターゲットプロジェクトにapplicationContext.xmlというファイルが新規作成されます。
Springプロジェクト・ネイチャーの追加
[Springプロジェクト・ネーチャーの追加]を使用して、普通のJavaプロジェクトをSpringプロジェクトに変更できます。
また、[Spring プロジェクト・ネーチャーの除去]を使用して、Springプロジェクトを普通のJavaプロジェクトに変更できます。
Javaプロジェクトを選択し、右クリックメニューから[Spring ツール]>[Spring プロジェクト・ネーチャーの追加]を選択します。
ポイント
当該プロジェクトがSpring プロジェクト・ネーチャーに追加されると、当該プロジェクトの右上の“J”フラグが“S”フラグに変更されます。また、Springライブラリが自動で追加されます。
当該プロジェクトが動的Webプロジェクトの場合は、WebContext/WEB-INF配下にSpring MVC用のタグライブラリファイルが追加されます。
注意
spring-form.tld および spring.tld は、Spring4用のTLDファイルです。Spring3でも使用することができますが、一部使用できないタグがあります。
複数の構成ファイルに分割する
Spring IDEは、Bean 構成セットをサポートします。複数のBean定義ファイルをBean 構成セットに追加して、管理することができます。
構成セットを作成する手順を以下に示します。
Spring Projectを選択し、右クリックメニューを開き、[プロパティ]を選択すると、プロパティのダイアログボックスがポップアップされます。
ダイアログボックスから[Spring] >[Beans サポート]を選択し、Beans サポートから[構成ファイル]タブインデックスを選択すると、以下の画面に移行します。
[Add XML Comfig...]ボタンをクリックすると、[Spring Bean 構成の選択]画面に移行します。
追加する構成ファイルを選択し、[OK]をクリックすると、構成ファイルが追加された、以下の画面に移行します。
ポイント
追加された後、構成ファイルがSpring エクスプローラービューに表示されます。
[構成セット]タブインデックスを選択すると、以下の画面に移行します。
[新規...]ボタンをクリックすると、[新規 Spring Bean 構成セット]画面に移行します。
名前
[名前]にBeans構成セットの名前を指定します。
プロファイル
選択した構成ファイルで定義したプロファイルを指定します。
Allow bean definitions to get overridden by later definition
[Allow bean definitions to get overridden by later definition]のチェックボックスにチェックを入れると、同じIDを持つ複数のBeansが最新のBeansに上書きされます(有効化した場合、Beanの複数定義はエラーとして扱いません)。
Mark references to missing bean definitions as warning only
[Mark references to missing bean definitions as warning only]のチェックボックスにチェックを入れると、この構成セットがほかの構成セットで定義されているBean設定を参照して解決しない場合、Beansはエラーとして扱いません。
Spring bean 構成ファイルの選択
[Spring bean 構成ファイルの選択]リストボックスから必要となる構成ファイルを選択します。
[OK]ボタンをクリックすると、構成セットが作成されます。
[OK]ボタンをクリックすると、構成セットがSpring エクスプローラービューに表示されます。
Spring エクスプローラー画面の表示
Spring エクスプローラービューは、フィルタツリーであり、作業領域における全てのSpringプロジェクトを表示します。
Spring エクスプローラービューを開く方式を以下に示します。
[ウィンドウ] > [ビューの表示] > [その他]を選択すると、[ビューの表示]画面に移行します。
[Spring] > [Spring エクスプローラー]を選択すると、Spring エクスプローラービューが開かれます。そのビューは、階層ビューであり、以下の内容を含みます。
SpringプロジェクトにおけるBeans 構成ファイルおよびBeans Config Sets
Beans 構成ファイルに定義されたBeanおよび異なるノードの調整アイコン
Beanノードのプロパティ、プロパティの値
選択したノードにより、右クリックメニューから、以下の機能を使用できます。
Springプロジェクトのプロパティを開く
対応するBean classを開く
対応するBean 構成ファイルを開く
対応するBean グラフを開き、Beanの構成およびBean間の依頼関係をグラフィカルに表示する
Spring Explorerビューのツールバーから、以下の機能を使用できます。
Beanエレメントのソート
ノードの縮小
Springエレメントのカスタマイズやフィルタリング
Spring構成ファイルをグラフィカルに表示する
Spring IDEでは、Bean グラフを使用して各beanの構成およびbean間の依頼関係の参照を容易に行うことができます。
Spring エクスプローラービューからBeans 構成ファイルを選択し、右クリックメニューから[Bean グラフを開く]を選択し、当該ファイルにおける全てのBeanのグラフを開きます。
以下の画面が表示されます。
Bean 構成セットを選択し、右クリックメニューから[Bean グラフを開く]を選択し、Bean 構成セットにおける全てのBean グラフを開きます。
ポイント
構成セットグラフ画面に、構成セットにおける全てのBeanの構成およびBean間の依頼関係が表示されます。
Spring AOPをグラフィカルに表示する
Spring IDEでは、Spring AOP機能をサポートします。主に、Spring AOP マーカーおよびBean 相互参照ビューという2つのサポートを提供しています。
Spring AOP マーカー機能
AOP マーカーは、bean通知が定義された構成ファイルおよびその構成ファイルに対応する、クラスを実装するメソッドに表示されます。
上記の図における赤い四角形で示した部分が、AOP マーカーです。
Beans 相互参照ビュー
Beans 相互参照ビューは、主にAOPに関する内容(定義されたbean、実装されたclass、ターゲットオブジェクトのメソッド、advicesなど)を表示します。当該ビューを使用して対応する内容を容易に位置づけることができるため、AOPの機能サービスをより良く実現できます。
[ウィンドウ] > [ビューの表示] > [その他] > [Spring] > [Bean 相互参照]を選択すると、Bean 相互参照ビューに移行します。
Bean 相互参照ビューツールバーのボタンを押すと、ビューに関連ノードの内容が表示されます。
Bean 相互参照ビューのツールバーの[ビューのカスタマイズ(C)]から[可能なカスタマイズ]画面を開き、ビューにおけるノード内容のフィルタを行うことができます。詳細を以下に示します。
注意
上記画面に示すように[アスペクト宣言]がチェックされた場合は、[アスペクト宣言]の内容がビューでフィルタリングされます。チェック無しのプロジェクトは、ビューに表示されます。