V7.0以前のInfoProvider ProからInterstage HTTP Server 2.2(Apache HTTP Server 2.2ベース)に移行する手順を、以下に示します。
注意
ahsrestoreコマンドやメンテナンスの一括実行のバッチファイル(Windows(R))/シェルスクリプト(Solaris/Linux)を使用して、V7.0以前のInfoProvider Proの資源をInterstage HTTP Server 2.2環境に移行できません。
■移行手順
移行元のInfoProvider Proでマルチホスト運用を行っている場合で、Interstage HTTP Server 2.2においても複数Webサーバ運用を行う場合は、「4.3.1 Webサーバ動作環境の作成」を参照してWebサーバ動作環境を作成し、デフォルトのWebサーバおよび複数Webサーバ運用の各Webサーバに対して手順2.以降の操作を行ってください。
以下を参考にして、移行元のInfoProvider Proの各ファイルに設定されている定義を、必要に応じてInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。
InfoProvider Proのコンテンツを使用する場合は、移行元のInfoProvider Pro環境定義ファイルの「公開する最上位のディレクトリ名」に設定されているファイル/ディレクトリ配下を、Interstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)に設定したDocumentRootディレクティブ(必要に応じてAlias/ScriptAliasディレクティブ)の格納パスにコピーします。
(1) InfoProvider Pro環境定義ファイル
InfoProvider Pro環境定義ファイルの定義項目を、以下の表に対応するInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。
注意
ここでは、InfoProvider Proの環境定義ファイルの定義とInterstage HTTP Server 2.2のディレクティブの違いだけを説明しています。
Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブの詳細については、「Interstage HTTP Server 2.2 ディレクティブ一覧」を参照してください。
InfoProvider Proの環境定義ファイルおよび定義項目の詳細については、移行するInfoProvider Proのバージョンの「Webサーバ運用ガイド(InfoProvider Pro編)」を参照してください。
InfoProvider Proの定義項目 | InfoProvider Proの定義名 | Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブ名 | Interstage HTTP Server 2.2の定義詳細 |
---|---|---|---|
説明 | comment | ディレクティブは、ありません。 | 各行の先頭にハッシュマーク(#)で指定します。 |
インストールディレクトリ | installdir | ディレクティブは、ありません。 | インストールディレクトリを設定する必要はありません。 |
動作ディレクトリ | exedir | ServerRoot | |
ホスト名 | hostname | ServerName | 「3.1 ホスト名の設定」を参照してください。 |
IPアドレス | IP-address | Listen | (注1) |
ポート番号 | port | Listen | 「3.3 ポート番号とIPアドレスの設定」を参照してください。 |
IPバージョン |
| Allow | ディレクティブのIPアドレスに、直接IPv4/IPv6アドレスを指定します。 |
公開する最上位のディレクトリ名 | acstop | DocumentRoot | 「3.2 公開用ルートディレクトリの設定」を参照してください。 |
ホームページ | topHTML | DirectoryIndex | 「3.18 ディレクトリリストの設定」を参照してください。 |
代表するHTMLファイル文書 | typical-HTML | ||
データタイプとファイルの拡張子の関連を指定するファイル名 | content-type | DefaultType | 「3.19 デフォルトMIMEタイプの設定」を参照してください。 |
ステータスコードファイル名 | statusfile | ErrorDocument | |
仮想ディレクトリ | link | Alias | 「3.12 仮想ディレクトリの設定」を参照してください。 |
DNSの逆引き動作 | dns-resolve | HostnameLookups | CGI要求だけのDNSの逆引きは、設定できません。 |
InfoProvider Proから起動したアプリケーションに渡すコード系 | input-code | ディレクティブは、ありません。 | コード変換できません。 |
Webブラウザへ送信するコード系 | output-code | ディレクティブは、ありません。 | |
サーバ内にあるHTML文書のコード系 | server-file-code | ディレクティブは、ありません。 | |
HTTPプロトコルバージョン | http-ver | ディレクティブは、ありません。 | HTTPプロトコルバージョンは、HTTP/1.1(固定)です。 |
同時アクセス最大数 | concurrency |
| |
最大プーリング数 | pool-max | ListenBacklog | |
最大接続時間 | connection-limit | KeepAliveTimeout | 「3.22 HTTP Keep-Alive機能の設定」を参照してください。 |
ブラウザ送受信タイムアウト時間 | browser-timeout | Timeout | |
アプリケーション送受信タイムアウト時間 | timeout | ||
受け入れ可能リクエストサイズ | acceptance-request-size | LimitRequestBody | |
キャッシュヘッダ制御 | cache-control | Header | |
サーバヘッダ | server-header | ServerTokens | Serverヘッダの抑止および任意文字列の指定はできません。 |
サーバ名 | server-name | ディレクティブは、ありません。 | |
キャッシュファイル数 | cache-file-no | MCacheMaxObjectCount | |
キャッシュファイルサイズ | cache-file-size | MCacheMaxObjectSize | |
アクセスログ採取方法 | acslog | CustomLog | 「3.4 アクセスログの設定」を参照してください。 |
アクセスログの形式 | logformat | ||
処理時間の出力 | acslog-proctime | ||
Cookie情報の出力 | acslog-cookie | CustomLog | 「3.24 クッキーログの設定」を参照してください。 |
エラーログのファイル名 | errlog | ErrorLog | 「3.5 エラーログの設定」を参照してください。 |
エラーログの形式 | errlog-format | ||
全アクセスのログ出力 | acslog-all | ディレクティブは、ありません。 | アクセスログの採取対象の例外は、設定できません。Webブラウザからのすべての要求をアクセスログに出力します。 |
ログ出力異常時の動作 | log-erraction | ディレクティブは、ありません。 | 異常検出時の動作は、制御できません。 |
受信データ改ざん通知ログ出力しきい値 | falsification-threshold | ディレクティブは、ありません。 | 改ざん発生時の動作は、制御できません。 |
改ざん検知によるInfoProvider Pro停止 | falsification-term | ディレクティブは、ありません。 | |
受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数ログ出力しきい値 | reqsize-threshold | ディレクティブは、ありません。 | 受信可能なデータの最大値超過時の動作は、制御できません。 |
受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数によるInfoProvider Pro停止 | reqsize-term | ディレクティブは、ありません。 | |
Servletサービスのアクセスログ出力形式 | acslog-jsformat | ディレクティブは、ありません。 | Servletサービスのアクセスログ出力形式は、設定できません。 |
異常終了時サービス同期停止 |
| ディレクティブは、ありません。 | 異常終了時のサービス停止は、制御できません。 |
CGIアプリケーションの格納場所と識別名 | cgi-path-idnt | ScriptAlias | 「CGIプログラムの実行方法」を参照してください。 |
タイムアウトしたCGIアプリケーションへの対応 | timeout-kill | ディレクティブは、ありません。 | CGIアプリケーションに対する動作は、制御できません。 |
Location返却フラグ | location-redirect | ディレクティブは、ありません。 | |
拡張CGI定義 | gai-gw | ディレクティブは、ありません。 | 拡張CGIは、使用できません。 |
セション管理型拡張CGIのログアウト監視時間間隔 | alarmtime | ディレクティブは、ありません。 | |
フィルタアプリケーションのパス | filter-file | LoadModule | 「フィルタアプリケーション」を参照してください。 |
InfoProvider Proの実行時のユーザ名 |
|
| |
InfoProvider Proの実行時のグループ名 |
|
| |
セキュリティ管理ファイル名 | authfile | ディレクティブは、ありません。 | 「セキュリティ管理ファイルの対処」を参照してください。 |
認証URL形式 | auth-target-url | ディレクティブは、ありません。 | |
オンライン照合機能ログ | dirservlog | ディレクティブは、ありません。 | オンライン照合機能は、サポートしていません。 |
SSL環境定義ファイル名 | sslfile | ディレクティブは、ありません。 | (注2) |
使用SSLライブラリ | ssllib | ディレクティブは、ありません。 | SSLライブラリは、SMEE3(固定)です。 |
InfoProvider Proのマルチホスト機能をInterstage HTTP Server 2.2で使用する場合は、複数Webサーバ運用で代替えすることができます。複数Webサーバ運用を行う場合は、「4.3.1 Webサーバ動作環境の作成」を参照して、Webサーバ動作環境を作成してください。
InfoProvider Proにおいて構築したSSL環境は、Interstage HTTP Server 2.2のSSL環境に移行できません。「3.10 SSLの設定」を参照して、SSL環境を再構築してください。
(2) セキュリティ管理ファイル
InfoProvider Proのセキュリティ管理ファイルの定義項目を、以下の表に対応するInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。
参照
Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブの詳細については、「Interstage HTTP Server 2.2 ディレクティブ一覧」を参照してください。
InfoProvider Proのセキュリティ管理ファイルおよび定義項目の詳細については、Interstage Application Server V7.0以前のマニュアルの「セキュリティシステム運用ガイド」の「InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定」を参照してください。
InfoProvider Proの定義項目 | InfoProvider Proの定義名 | Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブ名 | Interstage HTTP Server 2.2の定義詳細 | ||
---|---|---|---|---|---|
パスワード管理ファイル名 | PasswdFile | AuthUserFile | 「3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。 | ||
グループ管理ファイル名 | GroupFile | AuthGroupFile | |||
IPグループ管理ファイル名 | IPGroupFile | ディレクティブは、ありません。 | IPアドレス/ホスト名のグループ化は、サポートしていません。 | ||
[URL部] | ありません。 | <Location> | |||
[プロテクトパス設定部] | ユーザ管理ファイル名 | UserFile | ディレクティブは、ありません。 | ユーザ管理ファイルは、使用できません。 | |
アクセスを許可するユーザ名 | User | Require | 「3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。 | ||
IPアドレス/ホスト名 | IPAddress | Allow | 「3.8 IPアクセスコントロールの設定」を参照してください。 | ||
認証名 | AuthName | AuthName | 「3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。 | ||
認証方法 | AuthType | AuthType | 「3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。 | ||
クライアント証明書条件ファイル名 | ClientCert | ディレクティブは、ありません。 | 「クライアント証明書条件ファイルの対処」を参照してください。 | ||
ディレクトリサーバ情報管理ファイル名 | DirServFile | ディレクティブは、ありません。 | オンライン照合機能は、サポートしていません。 |
(3) クライアント証明書条件ファイル
InfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイルの定義項目を、以下の表に対応するInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。
注意
「3.10 SSLの設定」を参照して、事前にSSL環境を構築してください。
参照
Interstage HTTP Server 2.2のクライアント認証の詳細については、「3.9 クライアント認証の設定」を参照してください。
InfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイルおよび各定義項目の詳細については、Interstage Application Server V7.0以前の「セキュリティシステム運用ガイド」の「InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定」を参照してください。
InfoProvider Proの定義項目 | InfoProvider Proの定義内容 | Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブ定義内容 (注1) | |
---|---|---|---|
条件項目 | 氏名 | n = 氏名 | RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_CN} 氏名 |
組織名 | o = 組織名 | RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_O} 組織名 | |
組織単位名 | u = 組織単位名 | RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_OU} 組織単位名 | |
肩書 | t = 肩書 | RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_T} 肩書 | |
国名 | c = 国名 | RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_C} 国名 | |
電話番号 | te = 電話番号 | RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_PHONE} 電話番号 | |
メールアドレス | m = メールアドレス | RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_EMAIL} メールアドレス | |
クライアント認証識別子 | ID = 識別子 | RewriteRule .* - [E=REMOTE_USER:識別子,E=GAI_REMOTE_USER:識別子] (注2) |
RewriteCondディレクティブ(複数指定可能)のあとに、RewriteRuleディレクティブ(Lフラグ付)を指定してください。また、最後のRewriteRuleディレクティブ(Lフラグ付)のあとに、RewriteRuleディレクティブ(Fフラグ付)を指定してください。
RewriteRuleディレクティブは、以下のようにLフラグとEフラグを同時に指定できます。
RewriteRule .* - [L, E=REMOTE_USER:識別子,E=GAI_REMOTE_USER:識別子]
例
以下のInfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイルの定義を、Interstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)に設定する場合
InfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイル
{ ID = FJ-D1 o = "Fujitsu Ltd" u = development1* t = c = jp } { ID = FJ-D2 o = "Fujitsu Ltd" t = c = jp m = *dev2.fujitsu.co.jp }
Interstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)
RewriteEngine On RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_O} "^Fujitsu Ltd$" RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_OU} "^development1.*" RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_C} ^JP$ RewriteRule .* - [L,E=REMOTE_USER:FJ-D1,E=GAI_REMOTE_USER:FJ-D1] RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_O} "^Fujitsu Ltd$" RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_C} ^JP$ RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_EMAIL} .*dev2.fujitsu.co.jp$ RewriteRule .* - [L,E=REMOTE_USER:FJ-D2,E=GAI_REMOTE_USER:FJ-D2] RewriteRule .* - [F]