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Interstage Application Server V12.0.0 Interstage HTTP Server 2.2運用ガイド
FUJITSU Software

10.4.1 移行手順

V7.0以前のInfoProvider ProからInterstage HTTP Server 2.2(Apache HTTP Server 2.2ベース)に移行する手順を、以下に示します。


注意

ahsrestoreコマンドやメンテナンスの一括実行のバッチファイル(Windows(R))/シェルスクリプト(Solaris/Linux)を使用して、V7.0以前のInfoProvider Proの資源をInterstage HTTP Server 2.2環境に移行できません。


■移行手順

  1. 移行元のInfoProvider Proでマルチホスト運用を行っている場合で、Interstage HTTP Server 2.2においても複数Webサーバ運用を行う場合は、「4.3.1 Webサーバ動作環境の作成」を参照してWebサーバ動作環境を作成し、デフォルトのWebサーバおよび複数Webサーバ運用の各Webサーバに対して手順2.以降の操作を行ってください。

  2. 以下を参考にして、移行元のInfoProvider Proの各ファイルに設定されている定義を、必要に応じてInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。

    1. InfoProvider Pro環境定義ファイル

    2. セキュリティ管理ファイル

    3. クライアント証明書条件ファイル

  3. InfoProvider Proのコンテンツを使用する場合は、移行元のInfoProvider Pro環境定義ファイルの「公開する最上位のディレクトリ名」に設定されているファイル/ディレクトリ配下を、Interstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)に設定したDocumentRootディレクティブ(必要に応じてAlias/ScriptAliasディレクティブ)の格納パスにコピーします。


(1) InfoProvider Pro環境定義ファイル

InfoProvider Pro環境定義ファイルの定義項目を、以下の表に対応するInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。

注意

ここでは、InfoProvider Proの環境定義ファイルの定義とInterstage HTTP Server 2.2のディレクティブの違いだけを説明しています。

Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブの詳細については、「Interstage HTTP Server 2.2 ディレクティブ一覧」を参照してください。

InfoProvider Proの環境定義ファイルおよび定義項目の詳細については、移行するInfoProvider Proのバージョンの「Webサーバ運用ガイド(InfoProvider Pro編)」を参照してください。


InfoProvider Proの定義項目

InfoProvider Proの定義名

Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブ名

Interstage HTTP Server 2.2の定義詳細

説明

comment

ディレクティブは、ありません。

各行の先頭にハッシュマーク(#)で指定します。

インストールディレクトリ

installdir

ディレクティブは、ありません。

インストールディレクトリを設定する必要はありません。

動作ディレクトリ

exedir

ServerRoot

ホスト名

hostname

ServerName

3.1 ホスト名の設定」を参照してください。

IPアドレス

IP-address

Listen

(1)

ポート番号

port

Listen

3.3 ポート番号とIPアドレスの設定」を参照してください。

IPバージョン


IP-version

Allow
Deny
Listen
NameVirtualHost
<VirtualHost>

ディレクティブのIPアドレスに、直接IPv4/IPv6アドレスを指定します。

公開する最上位のディレクトリ名

acstop

DocumentRoot

3.2 公開用ルートディレクトリの設定」を参照してください。

ホームページ

topHTML

DirectoryIndex

3.18 ディレクトリリストの設定」を参照してください。

代表するHTMLファイル文書

typical-HTML

データタイプとファイルの拡張子の関連を指定するファイル名

content-type

DefaultType
TypesConfig

3.19 デフォルトMIMEタイプの設定」を参照してください。

ステータスコードファイル名

statusfile

ErrorDocument

仮想ディレクトリ

link

Alias

3.12 仮想ディレクトリの設定」を参照してください。

DNSの逆引き動作

dns-resolve

HostnameLookups

CGI要求だけのDNSの逆引きは、設定できません。

InfoProvider Proから起動したアプリケーションに渡すコード系

input-code

ディレクティブは、ありません。

コード変換できません。

Webブラウザへ送信するコード系

output-code

ディレクティブは、ありません。

サーバ内にあるHTML文書のコード系

server-file-code

ディレクティブは、ありません。

HTTPプロトコルバージョン

http-ver

ディレクティブは、ありません。

HTTPプロトコルバージョンは、HTTP/1.1(固定)です。

同時アクセス最大数

concurrency


ThreadsPerChild

MaxClients

最大プーリング数

pool-max

ListenBacklog

最大接続時間

connection-limit

KeepAliveTimeout

3.22 HTTP Keep-Alive機能の設定」を参照してください。

ブラウザ送受信タイムアウト時間

browser-timeout

Timeout

アプリケーション送受信タイムアウト時間

timeout

受け入れ可能リクエストサイズ

acceptance-request-size

LimitRequestBody

キャッシュヘッダ制御

cache-control

Header

サーバヘッダ

server-header

ServerTokens

Serverヘッダの抑止および任意文字列の指定はできません。

サーバ名

server-name

ディレクティブは、ありません。

キャッシュファイル数

cache-file-no

MCacheMaxObjectCount

キャッシュファイルサイズ

cache-file-size

MCacheMaxObjectSize

アクセスログ採取方法

acslog
logauto
acslog-rotation

CustomLog
LogFormat

3.4 アクセスログの設定」を参照してください。

アクセスログの形式

logformat

処理時間の出力

acslog-proctime

Cookie情報の出力

acslog-cookie

CustomLog
LogFormat

3.24 クッキーログの設定」を参照してください。

エラーログのファイル名

errlog

ErrorLog

3.5 エラーログの設定」を参照してください。

エラーログの形式

errlog-format

全アクセスのログ出力

acslog-all

ディレクティブは、ありません。

アクセスログの採取対象の例外は、設定できません。Webブラウザからのすべての要求をアクセスログに出力します。

ログ出力異常時の動作

log-erraction

ディレクティブは、ありません。

異常検出時の動作は、制御できません。

受信データ改ざん通知ログ出力しきい値

falsification-threshold

ディレクティブは、ありません。

改ざん発生時の動作は、制御できません。

改ざん検知によるInfoProvider Pro停止

falsification-term

ディレクティブは、ありません。

受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数ログ出力しきい値

reqsize-threshold

ディレクティブは、ありません。

受信可能なデータの最大値超過時の動作は、制御できません。

受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数によるInfoProvider Pro停止

reqsize-term

ディレクティブは、ありません。

Servletサービスのアクセスログ出力形式

acslog-jsformat

ディレクティブは、ありません。

Servletサービスのアクセスログ出力形式は、設定できません。

異常終了時サービス同期停止


sync

ディレクティブは、ありません。

異常終了時のサービス停止は、制御できません。

CGIアプリケーションの格納場所と識別名

cgi-path-idnt

ScriptAlias

CGIプログラムの実行方法」を参照してください。

タイムアウトしたCGIアプリケーションへの対応

timeout-kill

ディレクティブは、ありません。

CGIアプリケーションに対する動作は、制御できません。

Location返却フラグ

location-redirect

ディレクティブは、ありません。

拡張CGI定義

gai-gw

ディレクティブは、ありません。

拡張CGIは、使用できません。

セション管理型拡張CGIのログアウト監視時間間隔

alarmtime

ディレクティブは、ありません。

フィルタアプリケーションのパス

filter-file

LoadModule

フィルタアプリケーション」を参照してください。

InfoProvider Proの実行時のユーザ名


uid


User

InfoProvider Proの実行時のグループ名


gid


Group

セキュリティ管理ファイル名

authfile

ディレクティブは、ありません。

セキュリティ管理ファイルの対処」を参照してください。

認証URL形式

auth-target-url

ディレクティブは、ありません。

オンライン照合機能ログ

dirservlog

ディレクティブは、ありません。

オンライン照合機能は、サポートしていません。

SSL環境定義ファイル名

sslfile

ディレクティブは、ありません。

(2)

使用SSLライブラリ

ssllib

ディレクティブは、ありません。

SSLライブラリは、SMEE3(固定)です。


注1)

InfoProvider Proのマルチホスト機能をInterstage HTTP Server 2.2で使用する場合は、複数Webサーバ運用で代替えすることができます。複数Webサーバ運用を行う場合は、「4.3.1 Webサーバ動作環境の作成」を参照して、Webサーバ動作環境を作成してください。

注2)

InfoProvider Proにおいて構築したSSL環境は、Interstage HTTP Server 2.2のSSL環境に移行できません。「3.10 SSLの設定」を参照して、SSL環境を再構築してください。


(2) セキュリティ管理ファイル

InfoProvider Proのセキュリティ管理ファイルの定義項目を、以下の表に対応するInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。

参照

  • Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブの詳細については、「Interstage HTTP Server 2.2 ディレクティブ一覧」を参照してください。

  • InfoProvider Proのセキュリティ管理ファイルおよび定義項目の詳細については、Interstage Application Server V7.0以前のマニュアルの「セキュリティシステム運用ガイド」の「InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定」を参照してください。


InfoProvider Proの定義項目

InfoProvider Proの定義名

Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブ名

Interstage HTTP Server 2.2の定義詳細

パスワード管理ファイル名

PasswdFile

AuthUserFile

3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。

グループ管理ファイル名

GroupFile

AuthGroupFile

IPグループ管理ファイル名

IPGroupFile

ディレクティブは、ありません。

IPアドレス/ホスト名のグループ化は、サポートしていません。

[URL部]

ありません。

<Location>

[プロテクトパス設定部]

ユーザ管理ファイル名

UserFile

ディレクティブは、ありません。

ユーザ管理ファイルは、使用できません。

アクセスを許可するユーザ名

User

Require

3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。

IPアドレス/ホスト名

IPAddress

Allow
Deny
Order

3.8 IPアクセスコントロールの設定」を参照してください。

認証名

AuthName

AuthName

3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。

認証方法

AuthType

AuthType

3.7 ユーザ認証の設定」を参照してください。

クライアント証明書条件ファイル名

ClientCert

ディレクティブは、ありません。

クライアント証明書条ファイルの対処」を参照してください。

ディレクトリサーバ情報管理ファイル名

DirServFile

ディレクティブは、ありません。

オンライン照合機能は、サポートしていません。


(3) クライアント証明書条件ファイル

InfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイルの定義項目を、以下の表に対応するInterstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)のディレクティブに設定します。

注意

3.10 SSLの設定」を参照して、事前にSSL環境を構築してください。

参照

  • Interstage HTTP Server 2.2のクライアント認証の詳細については、「3.9 クライアント認証の設定」を参照してください。

  • InfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイルおよび各定義項目の詳細については、Interstage Application Server V7.0以前の「セキュリティシステム運用ガイド」の「InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定」を参照してください。


InfoProvider Proの定義項目

InfoProvider Proの定義内容

Interstage HTTP Server 2.2のディレクティブ定義内容 (1)

条件項目

氏名

n = 氏名

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_CN} 氏名

組織名

o = 組織名

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_O} 組織名

組織単位名

u = 組織単位名

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_OU} 組織単位名

肩書

t = 肩書

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_T} 肩書

国名

c = 国名

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_C} 国名

電話番号

te = 電話番号

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_PHONE} 電話番号

メールアドレス

m = メールアドレス

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_EMAIL} メールアドレス

クライアント認証識別子

ID = 識別子

RewriteRule .* - [E=REMOTE_USER:識別子,E=GAI_REMOTE_USER:識別子] (2)


1)

RewriteCondディレクティブ(複数指定可能)のあとに、RewriteRuleディレクティブ(Lフラグ付)を指定してください。また、最後のRewriteRuleディレクティブ(Lフラグ付)のあとに、RewriteRuleディレクティブ(Fフラグ付)を指定してください。

2)

RewriteRuleディレクティブは、以下のようにLフラグとEフラグを同時に指定できます。

RewriteRule .* - [L, E=REMOTE_USER:識別子,E=GAI_REMOTE_USER:識別子]

以下のInfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイルの定義を、Interstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)に設定する場合


InfoProvider Proのクライアント証明書条件ファイル

{
ID = FJ-D1
o = "Fujitsu Ltd"
u = development1*
t = 
c = jp
}
{
ID = FJ-D2
o = "Fujitsu Ltd"
t = 
c = jp
m = *dev2.fujitsu.co.jp
}

Interstage HTTP Server 2.2の環境定義ファイル(httpd.conf)

RewriteEngine On

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_O} "^Fujitsu Ltd$"
RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_OU} "^development1.*" 
RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_C} ^JP$
RewriteRule .* - [L,E=REMOTE_USER:FJ-D1,E=GAI_REMOTE_USER:FJ-D1]

RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_O} "^Fujitsu Ltd$"
RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_C} ^JP$
RewriteCond %{ENV:SSL_CLIENT_EMAIL} .*dev2.fujitsu.co.jp$
RewriteRule .* - [L,E=REMOTE_USER:FJ-D2,E=GAI_REMOTE_USER:FJ-D2]

RewriteRule .* - [F]