旧バージョン・レベルのInterstage HTTP Server 2.2からの移行について説明します。
Interstage Application Server V12.0での変更内容
Interstage Application Server V12.0(Interstage V12.0)での変更内容を以下に示します。
HTTPリクエスト/レスポンスのチャンク転送コーディングのメッセージ本文を解析する処理が、以下のように変更されました。
Interstage V11.2以前(変更前)
メッセージ本文に指定する以下の文字列に、制限はありません。
クライアントが送信するリクエストのchunk行のチャンクデータサイズ(chunk-size)からチャンク拡張情報(chunk-extension)までに指定する文字列には、すべての文字が使用可能です。
クライアントが送信するリクエストのchunk行のチャンク拡張情報(chunk-extension)に指定する文字列には、すべての文字が使用可能です。
Interstage V12.0以降(変更後)
メッセージ本文において以下の条件を満たしていない場合、ステータスコード「400」(Bad Request)で応答します。
クライアントが送信するリクエストのchunk行のチャンクデータサイズ(chunk-size)からチャンク拡張情報(chunk-extension)までに指定可能な文字列は、10バイト以内の半角空白の文字列です。
クライアントが送信するリクエストのchunk行のチャンク拡張情報(chunk-extension)に指定可能な制御コードは、水平タブだけです。
チャンク転送コーディングのメッセージ本文において、トレーラフィールドに指定されたヘッダに応じた処理の動作が以下のように変更されました。
Interstage V11.2以前(変更前)
チャンク転送コーディングのメッセージ本文において、トレーラフィールドのヘッダの処理は有効です。本処理は変更できません。
Interstage V12.0以降(変更後)
MergeTrailersディレクティブが新しく追加されました。本機能により、インストール直後の初期設定では、チャンク転送コーディングのメッセージ本文において、トレーラフィールドのヘッダの処理が無効となります。トレーラフィールドのヘッダの処理を有効とする場合は、「6.2.6 MergeTrailers」を参照して設定してください。
WebサーバがCGIプログラムからのレスポンスを受信するまで待機する最長の時間が、以下のように変更されました。
Interstage V11.2以前(変更前)
CGIプログラムからのレスポンス受信の待機時間は、無制限です。この待機時間は固定であり、設定できません。
Interstage V12.0以降(変更後)
CGIDScriptTimeoutディレクティブが新しく追加されました。本機能により、CGIプログラムからのレスポンス受信の待機時間は、CGIDScriptTimeoutディレクティブに設定した時間となります。インストール直後の初期設定は、CGIDScriptTimeoutディレクティブが設定されていないため、省略値であるTimeoutディレクティブに設定した時間です。この待機時間を変更する場合は、「6.2.1 CGIDScriptTimeout」を参照して設定してください。
リクエストメッセージ本文の展開機能が有効(SetInputFilterディレクティブに「DEFLATE」を設定しているなど)である場合、Webサーバが圧縮されたリクエストメッセージ本文を展開する際の最大サイズが、以下のように変更されました。
Interstage V11.2以前(変更前)
圧縮されたリクエストメッセージ本文を展開する際の最大サイズは、「2147483647」です。この最大サイズは固定であり、設定できません。
Interstage V12.0以降(変更後)
DeflateInflateLimitRequestBodyディレクティブが新しく追加されました。本機能により、圧縮されたリクエストメッセージ本文を展開する際の最大サイズは、DeflateInflateLimitRequestBodyディレクティブに設定したサイズとなります。インストール直後の初期設定は、DeflateInflateLimitRequestBodyディレクティブが設定されていない、かつ省略値であるLimitRequestBodyディレクティブも設定されていないため、LimitRequestBodyディレクティブの省略値である「2147483647」です。この最大サイズを変更する場合は、「6.2.2 DeflateInflateLimitRequestBody」を参照して設定してください。
リクエストメッセージ本文の展開機能が有効(SetInputFilterディレクティブに「DEFLATE」を設定しているなど)である場合、またはレスポンスメッセージ本文の展開機能が有効(SetOutputFilterディレクティブに「DEFLATE」を設定しているなど)である場合、Webサーバが圧縮されたメッセージ本文を展開する際の分割データの展開処理が、以下のように変更されました。
Interstage V11.2以前(変更前)
圧縮されたメッセージ本文を展開する際、分割データをすべて展開します。本処理は変更できません。
Interstage V12.0以降(変更後)
DeflateInflateRatioLimitディレクティブおよびDeflateInflateRatioBurstディレクティブが新しく追加されました。圧縮されたメッセージ本文を展開する際、本機能により、分割データがDeflateInflateRatioLimitディレクティブに設定した増加率を超過している場合は、DeflateInflateRatioBurstディレクティブに設定した連続展開数まで展開するように制限されます。インストール直後の初期設定では、DeflateInflateRatioLimitディレクティブおよびDeflateInflateRatioBurstディレクティブが設定されていないため、増加率は省略値である「200」、連続展開数は省略値である「3」です。この増加率および連続展開数を変更する場合は、「6.2.4 DeflateInflateRatioLimit」および「6.2.3 DeflateInflateRatioBurst」を参照して設定してください。
Interstage Application Server V11.2での変更内容
Interstage Application Server V11.2(Interstage V11.2)での変更内容を以下に示します。
チャンク転送コーディングのメッセージ本文において、トレーラフィールドに指定されたヘッダに応じた処理の動作が以下のように変更されました。
Interstage V11.1.1以前(変更前)
チャンク転送コーディングのメッセージ本文において、トレーラフィールドのヘッダの処理は有効です。本処理は変更できません。
Interstage V11.2以降(変更後)
MergeTrailersディレクティブが新しく追加されました。本機能により、インストール直後の初期設定では、チャンク転送コーディングのメッセージ本文において、トレーラフィールドのヘッダの処理が無効となります。トレーラフィールドのヘッダの処理を有効とする場合は、「6.2.6 MergeTrailers」を参照して設定してください。
Interstage Application Server V11.1.1での変更内容
Interstage Application Server V11.1.1(Interstage V11.1.1)での変更内容を以下に示します。
WebサーバがCGIプログラムからのレスポンスを受信するまで待機する最長の時間が、以下のように変更されました。
Interstage V11.1.0(変更前)
CGIプログラムからのレスポンス受信の待機時間は、無制限です。この待機時間は固定であり、設定できません。
Interstage V11.1.1以降(変更後)
CGIDScriptTimeoutディレクティブが新しく追加されました。本機能により、CGIプログラムからのレスポンス受信の待機時間は、CGIDScriptTimeoutディレクティブに設定した時間となります。インストール直後の初期設定は、CGIDScriptTimeoutディレクティブが設定されていないため、省略値であるTimeoutディレクティブに設定した時間です。この待機時間を変更する場合は、「6.2.1 CGIDScriptTimeout」を参照して設定してください。
リクエストメッセージ本文の展開機能が有効(SetInputFilterディレクティブに「DEFLATE」を設定しているなど)である場合、Webサーバが圧縮されたリクエストメッセージ本文を展開する際の最大サイズが、以下のように変更されました。
Interstage V11.1.0(変更前)
圧縮されたリクエストメッセージ本文を展開する際の最大サイズは、「2147483647」です。この最大サイズは固定であり、設定できません。
Interstage V11.1.1以降(変更後)
DeflateInflateLimitRequestBodyディレクティブが新しく追加されました。本機能により、圧縮されたリクエストメッセージ本文を展開する際の最大サイズは、DeflateInflateLimitRequestBodyディレクティブに設定したサイズとなります。インストール直後の初期設定は、DeflateInflateLimitRequestBodyディレクティブが設定されていない、かつ省略値であるLimitRequestBodyディレクティブも設定されていないため、LimitRequestBodyディレクティブの省略値である「2147483647」です。この最大サイズを変更する場合は、「6.2.2 DeflateInflateLimitRequestBody」を参照して設定してください。
リクエストメッセージ本文の展開機能が有効(SetInputFilterディレクティブに「DEFLATE」を設定しているなど)である場合、またはレスポンスメッセージ本文の展開機能が有効(SetOutputFilterディレクティブに「DEFLATE」を設定しているなど)である場合、Webサーバが圧縮されたメッセージ本文を展開する際の分割データの展開処理が、以下のように変更されました。
Interstage V11.1.0(変更前)
圧縮されたメッセージ本文を展開する際、分割データをすべて展開します。本処理は変更できません。
Interstage V11.1.1以降(変更後)
DeflateInflateRatioLimitディレクティブおよびDeflateInflateRatioBurstディレクティブが新しく追加されました。圧縮されたメッセージ本文を展開する際、本機能により、分割データがDeflateInflateRatioLimitディレクティブに設定した増加率を超過している場合は、DeflateInflateRatioBurstディレクティブに設定した連続展開数まで展開するように制限されます。インストール直後の初期設定では、DeflateInflateRatioLimitディレクティブおよびDeflateInflateRatioBurstディレクティブが設定されていないため、増加率は省略値である「200」、連続展開数は省略値である「3」です。この増加率および連続展開数を変更する場合は、「6.2.4 DeflateInflateRatioLimit」および「6.2.3 DeflateInflateRatioBurst」を参照して設定してください。