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Interstage Application Server V12.0.0 チューニングガイド
FUJITSU Software

E.2 クライアント同時接続数

クライアント同時接続数を設定する場合、環境定義ファイル(httpd.conf)の以下のディレクティブを編集します。

クライアント同時接続数の構成図については、「Interstage HTTP Server 運用ガイド」の「概要」-「Webサーバのプロセス構成(Windows(R))」/「Webサーバのプロセス構成(Solaris/Linux)」を参照してください。


ThreadsPerChild クライアント同時接続数

Interstage HTTP Serverが、クライアント(Webブラウザ)からの接続要求を同時に受け付けることができる最大数を設定します。最大数には、1からThreadLimitディレクティブの設定値までの数値を指定できます。

クライアント同時接続数の最大数の初期値は「50」、省略値は「64」です。

注意

本ディレクティブの設定値を大きくすることにより同時アクセス可能な数は多くなりますが、メモリ資源や一時ファイルなどの消費に伴いシステム全体の性能が劣化する可能性があります。

ポイント

本ディレクティブの設定値を超過するクライアントの接続要求があった場合は、以下のキューに保存されます。

本ディレクティブの設定値を超過したクライアント接続要求

キュー

キュー数

1つ目のクライアント接続要求

Webサーバ内の接続待ちキュー

1

2つ目以降のクライアント接続要求

オペレーティングシステム内の接続待ちキュー

ListenBacklogディレクティブの設定値


ThreadLimit 通信スレッドの上限数

ThreadsPerChildディレクティブに設定するクライアント数の上限値を、1から15000までの数値で設定します。1より小さな値を指定した場合は、1で動作します。15000より大きな値を指定した場合は、15000で動作します。

本ディレクティブは、ThreadsPerChildディレクティブに1920よりも大きな値に設定する必要がある場合にだけ使用してください。

通信スレッドの上限数の初期値は、ありません。省略値は「1920」です。


ListenBacklog 接続待ちキューの最大数

ThreadsPerChildディレクティブに設定したクライアント同時接続数よりも多くの接続要求があった場合に、オペレーティングシステム内にキューイングする数の最大値を設定します。接続待ちキューの最大数は、1から200までの数値で指定できます。

接続待ちキューの最大数の省略値は、「200」です。

注意

クライアントからの接続要求が以下の値を超過した場合は、この接続要求を受け付けず、ステータスコードも返却しません。

クライアント同時接続数(ThreadsPerChildディレクティブの設定値)+接続待ちキューの最大数(本ディレクティブの設定値+1)

MaxClients クライアント同時接続数

Interstage HTTP Serverが、クライアント(Webブラウザ)からの接続要求を同時に受け付けることができる最大数を指定します。最大数には、1からServerLimitディレクティブの設定値までの数値を指定できます。1より小さな値を指定した場合は、1で動作します。ServerLimitディレクティブの設定値より大きな値を指定した場合は、ServerLimitディレクティブで指定した値で動作します。

クライアント同時接続数の初期値は「50」、省略値は「256」です。

注意

本ディレクティブの設定値を大きくすることにより同時アクセス可能な数は多くなりますが、メモリ資源や一時ファイルなどの消費に伴いシステム全体の性能が劣化する可能性があります。

ポイント

本ディレクティブの設定値を超過するクライアントの接続要求があった場合は、接続待ちキューに保存されます。接続待ちキュー数は、ListenBacklogディレクティブで設定します。


ServerLimit 通信プロセスの上限数

MaxClientsディレクティブに設定するクライアントの同時接続数の上限値を、1から20000までの数値で設定します。1より小さな値を指定した場合は、1で動作します。20000より大きな値を指定した場合は、20000で動作します。

本ディレクティブは、MaxClientsディレクティブに256よりも大きな値に設定する必要がある場合にだけ使用してください。

通信プロセスの上限数の初期値は、ありません。省略値は「256」です。


ListenBacklog 接続待ちキューの最大数

MaxClientsディレクティブで設定したクライアントの同時接続数よりも多くの接続要求があった場合に、オペレーティングシステム内にキューイングする数の最大値として、以下の条件に応じた値を設定します。接続待ちキュー数の最大数は、1から2147483647までの数値を指定できます。

接続待ちキューの最大数の省略値は、「511」です。

条件

接続待ちキューの最大数

本ディレクティブの設定値 ≦ 待機中TCPコネクションの最大値 (注)

本ディレクティブの設定値

本ディレクティブの設定値 > 待機中TCPコネクションの最大値 (注)

待機中TCPコネクションの最大値 (注)

注)待機中TCPコネクションの最大値は、オペレーティングシステムに設定されています。以下のコマンドを実行して確認してください。待機中TCPコネクションの設定およびコマンドの詳細については、オペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。

  

待機中TCPコネクションの最大値

コマンド実行例

tcp_conn_req_max_q

/usr/sbin/ndd /dev/tcp tcp_conn_req_max_q

/proc/sys/net/core/somaxconn

/sbin/sysctl -n net.core.somaxconn

注意

クライアントからの接続要求が以下の値を超過した場合は、この接続要求を受け付けず、ステータスコードも返却しません。

クライアント同時接続数(MaxClientsディレクティブの設定値)+接続待ちキューの最大数(本ディレクティブの設定値+α)

α:オペレーティグシステムの仕様に応じた値