ユーザインタフェースの処理を作成する方法について説明します。この説明の対象はフォーム、アプレットおよびJavaBeansの可視Beanになります。
ユーザインタフェースを持つアプリケーションの例として、フレームを表示するアプリケーションの処理を説明します。
処理には、以下のものがあります。
メインプログラム:アプリケーションの初期化やフォームの表示
初期化処理:フォームの初期化処理
イベント処理:ユーザ操作などによって発生するイベントに対する処理
フレームを表示するメインプログラムの例
public class MyJavaApp { //コンストラクタ public MyJavaApp() { } //フレームを表示するメソッド public void run() { //フレームのインスタンスを作成 Frame1 form = new Frame1(); //フレームのインスタンスのsetVisibleメソッドを使い、表示を有効にする。 form.setVisible(true); } //メイン処理 public static void main(String[] args) { // MyJavaAppクラスのインスタンスを作成 MyJavaApp object = new MyJavaApp(); // MyJavaAppクラスのインスタンスのrunメソッドを呼び出す。 object.run(); } }
フォームには、フレーム、ダイアログ、パネルがあります。
ここではフレームを例に、処理の記述について説明します。
フレームの操作
操作の例として、フレームの操作について説明します。
情報の共有
メインプログラムとJavaフォーム間、Javaフォーム同士でデータを共有する場合は、メインプログラムにデータを定義し、各フォームでそのデータを参照するか、コンストラクタを追加し、共有したいデータをパラメタとして渡すようにします。
フレームの表示方法
フレーム表示方法として例を示します。
アプリケーションまたは既存のフレームからFrame1というフレームを呼び出す場合 Frame1 form = new Frame1(); // フレームのインスタンスを作成します。 form.init(); // フレームを初期化します。 form.setVisible(true); // フレームを表示します。
フレームのクローズ方法
フレームをクローズする場合は、「this.dispose();」を記述します。
ここでは、Beanを操作する方法について説明します。
Javaフォームに貼ったBeanはJavaフォームクラスのクラスフィールドとして生成されます。クラスフィールドはJavaフォーム定義時に「Bean名」プロパティに指定した名前になります。
Beanの操作はBeanのプロパティを設定、参照したり、Beanのメソッドを呼び出したりすることで行います。
プロパティの参照および設定
プロパティの参照および設定の例を以下に示します。
テキストフィールドBean「textField1」がフォーカスを得たときに発生するfocus_focusGainedイベントで「背景色(background)」プロパティを「青」に変更します。また、フォーカスを失ったときに発生するfocus_focusLostイベントで「背景色(background)」プロパティを「白」に戻します。
[「TextField1」の処理] public void textField1_focus_focusGained(FocusEvent e) { if (!defaultEventProc(e)) { textField1.setBackground(java.awt.Color.blue); } } public void textField1_focus_focusLost(FocusEvent e) { if (!defaultEventProc(e)) { textField1.setBackground(java.awt.Color.white); } }
メソッドの呼び出し
メソッド呼出しの例を以下に示します。
プッシュボタン「button1」を押すとテキストフィールド「textField1」に入力されている文字をリストボックス「list1」に追加します。
[「button1」の処理] public void button1_action_actionPerformed(ActionEvent e) { if (!defaultEventProc(e)) { list1.addItem(textField1.getText()); } }
イベント処理の追加方法には以下3つの方法があります。
Javaエディタで直接イベント処理を記述
Javaエディタを使用して、イベントごとに直接メソッドを記述します。
Bean関係の作成ウィザードでイベント処理を生成
Bean関係の作成ウィザードを使用すると実際にプログラミングすることなく、対話的に処理を生成することができます。詳細は"7.3.6.4 Bean関係を作成する"を参照してください。
Beanリストビューでイベント処理を挿入
BeanリストビューはJavaフォーム定義で編集しているJavaフォームとBeanの一覧を表示し、メソッドやイベントを挿入する機能を持ちます。Beanリストビューには以下の機能があります。
Javaフォーム定義で編集しているBeanを一覧表示
Javaフォームで編集しているBeanをツリー形式で表示することができます。
各Beanのプロパティ、メソッド、イベントを一覧表示
プロパティ、メソッド、イベントを展開して、各Beanのプロパティなどを一覧表示することができます。
ソースにメソッドを挿入
[メソッド挿入]ダイアログボックスを使用して、ソースに簡単にメソッドを挿入することができます。
ソースにイベントを挿入
ソースに簡単にイベントを挿入することができます。