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PRIMECLUSTER Wizard for Oracle 4.5 導入運用手引書
FUJITSU Software

2.4.2 Oracle ASM(Automatic Storage Management)を使用する場合

Oracle ASM を PRIMECLUSTER 上で使用する場合は、スタンバイ運用、または、スケーラブル運用での使用が可能です。

スタンバイ運用の場合

Oracle ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録してください。

リソース登録された Oracle ASM インスタンスは、起動・停止制御のみが行われ監視は行われません。Oracle ASM インスタンスに異常が発生した場合でも、Oracle インスタンスリソースで異常を検出しますので、userApplication の切替えが発生し、業務を継続できます。

環境構築時の注意事項については、Oracle Database 10g R2/11g R1 の場合は “2.4.2.1 環境構築時の注意(Oracle Database 10g R2/11g R1の場合)”、Oracle Database 11g R2/12c R1 の場合は “2.4.2.2 環境構築時の注意(Oracle Database 11g R2/12c R1の場合)” を参照してください。

スケーラブル運用の場合

Oracle RAC で Oracle ASM を使用する場合は、Oracle ASM インスタンスを PRIMECLUSTER RMS にリソース登録しないでください。Oracle ASM インスタンスの制御は Oracle Clusterware が行いますので、以降の注意事項は必要ありません。

2.4.2.1 環境構築時の注意(Oracle Database 10g R2/11g R1の場合)

Oracle Database 10g R2/11g R1のOracle ASMをスタンバイ運用で使用する場合の注意事項は以下の通りです。

Oracle ASM インスタンスとデータベースの作成・設定

Oracle ASM 初期化パラメータの確認

Oracle ASM インスタンスの初期化パラメータ “ASM_DISKGROUPS” に、Oracle データベースを作成したディスクグループ名が設定されていることを確認してください。

参照

Oracle ASM インスタンスの初期化パラメータについては、Oracle Database のマニュアルを参照してください。

  

userApplication の作成

userApplication 作成時は、Oracle インスタンスリソースと同様に Oracle ASM インスタンスリソースを作成してください。Oracle ASM インスタンスリソースと、その Oracle ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソースは、同じ Oracle リソースに登録してください。
次の画面は、Oracle ASM インスタンスリソース“+ASM”と、その Oracle ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソース“db1”をOracle リソース“Oracle1”に登録した例です。

参考

  • Oracle ASM インスタンスをリソース登録する場合の手順については、「2.2.7.2 Oracle リソースの作成」の手順“3”を参照してください。

  • Oracle ASM インスタンスリソースのフラグ設定値には、NullDetector 属性のみが自動設定されます。この値を変更することはできません。

2.4.2.2 環境構築時の注意(Oracle Database 11g R2/12c R1の場合)

Oracle Database 11g R2/12c R1 の Oracle ASM をスタンバイ運用で使用する場合の注意事項は以下の通りです。

サポートする構成

Oracle Database 11g R2/12c R1 で Oracle ASM を使用する場合は Oracle Grid Infrastructure をインストールする必要があります。スタンバイ運用またはシングルノードクラスタ運用では、Oracle Database のインストールユーザーと Oracle Grid Infrastructure のインストールユーザーを分割する構成をサポートします。単一インストールユーザーの構成はサポート対象外です。
また、Oracle Database のインストールユーザーの ORACLE_BASE 環境変数と Oracle Grid Infrastructure のインストールユーザーの ORACLE_BASE 環境変数は、異なるディレクトリを指定してください。

Oracle Grid InfrastructureのインストールとOracle ASMインスタンス、データベースの作成

付録C Oracle Grid InfrastructureのインストールとOracle ASMインスタンス、データベースの作成”を参照してOracle Grid Infrastructure のインストールと Oracle ASM インスタンス、データベースの作成を行ってください。

注意

  • Oracle ASM インスタンス作成時、Oracle ASM インスタンス名の先頭に「+」がつくように設定してください。(デフォルトでは “+ASM” となります)

  • 1台のサーバに複数の ORACLE_HOME を作成している場合 (複数の Oracle Database ソフトウェアをインストールしている場合) 、Oracle インスタンス名には異なる Oracle インスタンス名を設定してください。

  • 1つの userApplication 内で Oracle ASM インスタンスとデータベースの関係が 1:1 もしくは、1:n になるように、Oracle ASM インスタンスとデータベースを作成してください。

    • Oracle ASM インスタンス:データベース = 1:1

    • Oracle ASM インスタンス:データベース = 1:n
      下図は、Oracle ASM インスタンス:データベース = 1:2 の例です。

  • Oracle Database 11g R2/12c R1 の Oracle ASM をスタンバイ運用で使用する場合は、以下の運用形態のみサポートします。

    • 1:1 運用待機

    Oracle Database 11g R2/12c R1 の Oracle ASM をスタンバイ運用で使用する場合は、以下の運用形態はサポート対象外です。

    • カスケード

    • 相互待機

    • N:1 運用待機

    • 移動待機

    • N:M 運用待機

参照

Oracle ASM インスタンス、データベースの作成は、Oracle Database のマニュアルを参照してください。

Oracle Restartの設定変更

PRIMECLUSTER Wizard for OracleからOracle ASMを制御するために、Oracle Restartの設定を変更してください。

コンポーネント

コマンド

Oracle Restart

crsctl enable has

CSS

crsctl modify resource ora.cssd -attr "AUTO_START=always"

Oracle ASM

srvctl disable asm

Oracle リスナー

srvctl disable listener [-l <listener_name>]

Oracle インスタンス

srvctl disable database -d <db_unique_name>

コンポーネント

コマンド

Oracle Restart

crsctl enable has

Oracle ASM

srvctl disable asm

Oracle リスナー

srvctl disable listener [-l <listener_name>]

Oracle インスタンス

srvctl disable database -d <db_unique_name>

userApplication の作成

userApplication 作成時は、Oracle インスタンスリソースと同様に Oracle ASM インスタンスリソースを作成してください。Oracle ASM インスタンスリソースと、その Oracle ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソースは、同じ Oracle リソースに登録してください。
次の画面は、Oracle ASM インスタンスリソース“+ASM”と、その Oracle ASM インスタンスリソースに関連する Oracle インスタンスリソース“db1”をOracle リソース“Oracle1”に登録した例です。

参考

  • Oracle ASM インスタンスをリソース登録する場合の手順については、「2.2.7.2 Oracle リソースの作成」の手順“3”を参照してください。

  • Oracle ASM インスタンスリソースのフラグ設定値には、NullDetector 属性のみが自動設定されます。この値を変更することはできません。

注意

  • Oracle ASM インスタンスリソースと Oracle リスナーリソースには Grid ユーザーを、Oracle インスタンスリソースには Oracle ユーザーを設定してください。

  • Oracle Database 11g R2/12c R1(12.1.0.1)の場合は、Oracle ASM の起動前に CSS の待ち合わせをするため、Oracle ASM インスタンスリソースの PreOnlineScript に以下のスクリプトを設定してください。Oracle Database 12c R1 PSR12.1.0.2以降の場合は、以下のスクリプトを設定しないでください。

    /opt/FJSVclora/sbin/cloracsswait <Grid ユーザー名>

Oracleデータベース・サービスを使用する場合

Oracleデータベースの作成時にデフォルトで作成されるサービス以外のOracleデータベース・サービスを使用する場合は以下のスクリプトを設定してください。

参照

Oracleデータベース・サービスについては、Oracle Databaseのマニュアルを参照してください。

2.4.2.3 運用時の注意

Oracle ASM インスタンスで使用するディスクグループは、手動でマウント操作 (mount/umount) をしないでください。ディスクグループがマウントされている場合は、Oracle ASM リソース活性化時に以下のメッセージがコンソールに出力される場合がありますが、特に対処する必要はありません。