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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.5 運用ガイド
FUJITSU Storage

8.1.1 概要

8.1.1.1 Exchange Serverデータベースのバックアップ

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させることにより、Exchange Serverデータベースの高速オンラインバックアップを実現します。

Exchange Server 2010以降のExchange Serverデータベースをバックアップする場合、ウィザードを使用して簡単にバックアップの設定ができます。詳細は、「8.3 ウィザードによるExchange Serverデータベースのバックアップとリストア」を参照してください。

Exchange Serverデータベースのバックアップデータには、Exchange Serverデータベースを構成する以下のファイルのバックアップが含まれます。

オンラインバックアップ

VSSと連携して、Exchange Serverデータベースのオンラインバックアップを行います。

アドバンスト・コピー(OPC、QuickOPC)によるバックアップ

アドバンスト・コピー(OPC、QuickOPC)により、業務サーバに負担をかけずに瞬時にバックアップを作成します。

※: 本機能では、他社のプロバイダは使用できません。

バックアップサーバへのバックアップ

VSSのシャドウコピーのトランスポート(輸送)機能を使用することにより、バックアップサーバに接続されたディスク上にバックアップ(シャドウコピー)を作成します。これにより、業務サーバに負荷をかけることなくテープへのバックアップを行うことができます。

図8.1 Exchange Serverデータベースのバックアップの処理イメージ

表8.2 業務サーバとバックアップサーバの機能

サーバ

コンポーネント

説明

業務サーバ

Exchangeライタ

Exchangeライタ。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタ。Exchangeのバックアップ/リストア機能を提供します。

ETERNUS VSSHP

ETERNUS VSS Hardware Provider。アドバンスト・コピー機能によるシャドウコピー作成機能を提供します。

バックアップサーバ

ESEUTIL

Exchange Serverデータベースの整合性検証・修復ユーティリティ。

バックアップデータの整合性確認のため、ACMリクエスタによって使用されます。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタ。業務サーバ上のACMリクエスタからの指示によりシャドウコピーの管理(状態確認、削除)を行います。

ETERNUS VSSHP

ETERNUS VSS Hardware Provider。アドバンスト・コピー機能によるシャドウコピー作成機能を提供します。

8.1.1.2 Exchange Serverデータベースのリストア

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させることにより、Exchange Serverデータベースのオンラインバックアップデータからのリストアを実現します。

Exchange Server 2010以降のExchange Serverデータベースをリストアする場合、ウィザードを使用して簡単にリストアできます。詳細は、「8.3 ウィザードによるExchange Serverデータベースのバックアップとリストア」を参照してください。

図8.2 Exchange Serverデータベースのリストアの処理イメージ

VSSではリストア処理のファイルコピーではプロバイダは使用せず、リクエスタが必要なファイルをリストアします。

リクエスタは、既存機能(swsrpmakeコマンド)を使用してリストアを行います。

オンラインバックアップデータからのリストア

VSSと連携することにより、オンラインバックアップデータからのリストアを行います。

注意

Exchange Serverでは元のパスとは異なる場所へリストアする機能がサポートされていますが、その機能はAdvancedCopy Managerではサポートしていません。すなわち、AdvancedCopy Managerで選択可能なリストア先は元のディスクだけです。

OPCによる高速リストア

リストアにおいてもアドバンスト・コピー(OPC)を使用することで、業務サーバに負担をかけずに、迅速な業務再開を実現します。

8.1.1.2.1 Point-in-timeリストア

Point-in-timeリストアでは、Exchange Serverデータベースとログファイルのリストアを行い、データベースをバックアップ時点の状態に復旧します。バックアップ後に作成されたデータはリストアされません。

8.1.1.2.2 ロールフォワードリストア

ロールフォワードリストアでは、前回のバックアップデータと現在残っているトランザクションログを使用することで、データベースを最新時点まで復旧します。この方式は、データベースは破損しているがログファイルは正常である場合に使用できます。データベースとログファイルが両方破損している場合は、使用できません。