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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.5 運用ガイド
FUJITSU Storage

7.2.3 SnapOPC/SnapOPC+運用を行う場合の設計時の注意事項

7.2.3.1 セッション設定に関する注意事項

SnapOPC/SnapOPC+の複製先ディスクに対して設定可能なセッションは1つです。

図7.11 複製先ディスクに対してセッションを1つ設定した場合

以下の図のように、1つの複製先ディスクに対して複数のセッションは設定できません。

図7.12 複製先ディスクに対して複数のセッションを設定した場合

SnapOPCの複製元ディスクに対して、SDVの複製先ディスクとTPV/FTVの複製先ディスクが混在するセッションは設定可能です。一方、SnapOPC+の複製元ディスクに対して、SDVの複製先ディスクとTPV/FTVの複製先ディスクが混在するセッションは設定できません。

図7.13 複製先ディスクにSDVとTPVが混在する複数のセッションを設定した場合

7.2.3.2 複製先ディスクに関する注意事項

複製先ディスクの物理容量が不足すると、複製先ボリュームへアクセスできなくなります。このため、以下の手順のとおり、複製先ボリュームに必要な物理容量を見積もってから、複製先ディスクを作成してください。

  1. 複製先ボリュームに必要な容量の見積り

  2. 複製先ディスクの作成

複製先ボリュームに必要な容量の見積

複製先ボリュームに必要な物理容量を見積もるには、複製元ボリュームの更新量の測定が必要です。測定方法は、運用によって異なります。

複製元ボリュームの更新量は、swstestupdateコマンドを利用して、以下の手順で測定してください。

  1. 複製元ボリュームに対してモニターセッションを設定し、更新量の測定を開始します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate start g1d1p1
    g1d1p1 swstestupdate completed
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>
  2. 業務を開始します。
    業務によって発生した更新ブロックがハードウェアに記録されます。

  3. 測定期間が経過したあと、更新ブロック数を確認します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate status g1d1p1
    Volume-Name Update
    g1d1p1      644333
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>
  4. 測定完了後、モニターセッションを解除します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate stop g1d1p1
    g1d1p1 swstestupdate completed
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>

見積り式を以下に示します。

(複製元ボリュームの更新量) × (安全係数) < (複製先ボリュームの物理容量)

ポイント

事前の見積りが難しい場合、複製先ボリュームの物理容量はコピー元総容量の30~50%を推奨します。推奨値のため、運用状況に合わせて変更が必要です。

複製先ディスクの作成

複製先ディスクは、Storage CruiserまたはETERNUS Web GUIを使用して作成してください。

ポイント

  • 複製先ディスクの論理容量は、複製元ディスクと同じ容量に設定してください。

  • 複製先ボリュームに必要な物理容量からディスク増設を検討してください。

    • TPVを複製先ボリュームにする場合

      Storage CruiserまたはETERNUS Web GUIを使用してシン・プロビジョニングプールの状態を確認し、シン・プロビジョニングプールの容量を拡張してください。
      Storage Cruiserを利用する場合の作業手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「シン・プロビジョニングプールの表示」および「シン・プロビジョニングプールの容量拡張/フォーマット/閾値変更/削除」を参照してください。

    • FTVを複製先ボリュームにする場合

      Storage CruiserまたはETERNUS Web GUIを使用してTierプールの状態を確認し、Tierプールのサブプール容量を拡張してください。
      Storage Cruiserを利用する場合の作業手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Tierプールの表示」および「Tierプールのサブプール容量拡張」を参照してください。

    • SDVを複製先ボリュームにする場合

      swstsdvコマンドまたはETERNUS Web GUIを使用してSDPの状態を確認し、SDPの容量を拡張してください。
      SDPはSDPV(Snap Data Pool Volume)という専用のボリュームを作成することで有効となり、作成したSDPVは自動的にSDPに組み込まれます。SDPの容量は、複製先ボリュームに割り当てる物理容量のSDPVを作成することで拡張します。
      swstsdvコマンドを利用する場合の作業手順は、以下のとおりです。

      1. "poolstat"サブコマンドを指定してコマンドを実行し、SDPの状態を確認します。

      2. ETERNUS Web GUIからSDPVを作成します。

  • SDVを複製先ボリュームにする場合は、そのSDVを初期化してください。SDVの物理容量を無駄に消費することを避けるため、SDVを初期化したあとは、パーティションの作成とドライブ文字の割当てだけを行い、ファイルシステムはクイックフォーマットで作成してください。

参照

Storage Cruiserを利用したTPV/SDV/SDPVの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ボリュームの作成」を参照してください。FTVの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FTVの作成」を参照してください。

7.2.3.3 コピー先ボリュームの使用量の監視

コピー先ボリュームの物理容量が不足すると、コピー先ボリュームへアクセスできなくなります(コピー先ボリュームのデータを読み出すこと、コピー先ボリュームへデータを書き込むことができない状態になります)。SnapOPC+の場合、読み書きできなくなったコピー先ボリュームだけでなく、それ以前の世代のコピー先ボリュームも読み書きできなくなります。

このため、運用時はコピー先ボリュームの物理容量が不足しないように監視する必要があります。

TPV/FTVを複製先ボリュームする場合の監視

TPV/FTVの物理容量は、ブロック単位で割り当てられます。このため、見積りより多くの物理容量を必要とする可能性があります。複製先ボリュームの物理容量が不足しないように、Storage Cruiserを利用して、必要に応じて容量閾値の設定変更を行い、使用量を監視してください。
TPVの監視に関する詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「シン・プロビジョニング管理」を参照してください。
FTVの監視に関する詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「ストレージ自動階層制御管理」を参照してください。

ポイント

TPV/FTVを複製先ボリュームにした場合、複製先のTPV/FTVを作成したプール(TPVの場合はシン・プロビジョニングプール、FTVの場合はTierプール)の空き容量が不足したときも複製先ボリュームへアクセスできなくなります。このため、TPV/FTVを複製先ボリュームにした場合は、複製先のTPV/FTVの空き容量、および複製先のTPV/FTVを作成したプールの空き容量が不足しないように監視してください。

SDVを複製先ボリュームする場合の監視

ポイント

コピー先ボリュームの容量が不足した場合は、「13.4.2.3 複製先ボリュームに物理容量不足が発生した場合の対処方法」を参照して対処してください。

7.2.3.4 SDVを複製先ボリュームとする場合の注意事項

アクセスボリュームの作成

SDVまたはSDPの容量が不足すると、コピー先ボリュームへアクセスできなくなります。また、SDVおよびSDPの容量不足以外でも、以下の場合は、コピー先ボリュームへアクセスできなくなります。

このため、事前に、SDVとは別のボリューム(アクセスボリューム)を準備しておくことを推奨します。

アクセスボリュームとして利用するボリュームは、SDVと同じETERNUS ディスクアレイに作成してください。アクセスボリュームはデータの格納に使用しないボリュームのため、容量は少なくても問題ありません。任意のサイズで作成してください。

アクセスボリュームを作成することで、以下の操作が可能となります。

7.2.3.5 クラスタ運用における注意事項

SnapOPC/SnapOPC+の複製先ボリュームを、クラスタシステムの共用ディスクとして利用しないでください。物理容量が不足した際にクラスタシステムがフェイルオーバすることを回避するためです。

クラスタ運用の場合は、以下の方法によって、SnapOPC/SnapOPC+の複製先ボリュームを共用ディスクにしない必要があります。