Systemwalker Runbook Automationは、クラスタシステムを利用して、高信頼環境での運用管理を実現することができます。
クラスタシステムの目的と形態について説明します。
クラスタシステムの目的
クラスタシステムとは、サーバ上で稼働する業務の高可用性を目的として、複数のサーバを接続して構築する高信頼なシステム構成のことです。
運用中の障害に備え、冗長なノードを用意しておくことで、障害発生時に業務を再実行することができます(以降、この遷移動作をフェールオーバと呼びます)。これにより、ノードダウンなどによって業務が停止した場合でも、フェールオーバにより、業務を迅速に再実行できます。
クラスタシステムでは、稼働しているノードを現用ノード、スタンバイしているノードを待機ノードと呼びます。また、物理的なノードを区別するため、最初に現用ノードとなるノードをプライマリノード、最初に待機ノードとなるノードをセカンダリノードと呼びます。
フェールオーバで実現可能な動作
フェールオーバ発生時に現用ノードで実行中だった自動運用プロセスの処理経過を、待機ノードへ引き継ぐことができます。
注意
フェールオーバ発生時に運用操作部品やアクティビティが実行中であった自動運用プロセスの処理経過は引き継がれません。この場合に自動運用プロセスを再実行するには、復旧のための作業を実施する必要があります。
復旧のための作業については、“Systemwalker Runbook Automation トラブルシューティングガイド”の“自動運用プロセスに関するトラブルシューティング”を参照してください。
クラスタシステムの形態
Systemwalker Runbook Automationは、管理サーバとエージェントが導入された連携サーバにおいてクラスタシステムを構築することができます。サポートするクラスタシステムの形態は、“1:1現用待機”のみとなっています。
1:1現用待機
1:1現用待機のノード構成を以下に示します。
待機ノードは、現用ノードの異常に備えて待機します。フェールオーバして待機ノードが現用ノードになった場合は、元の現用ノードの異常を解決することで、そのノードが待機ノードになります。
注意
Systemwalker Runbook Automationのエージェントが導入された連携サーバは、クラスタシステムを構築したサーバ上で動作しますが、Systemwalker Runbook Automationのエージェントがダウンしてもフェールオーバは行いません。連携製品の処理の継続を優先します。