企業のICT部門ではコスト競争力の強化に向けて企業内データセンターへのサーバ集約が進んでいます。
サーバ集約により、ハードウェア・ソフトウェアの調達コストやファシリティ、設置場所のコストは削減されましたが、より複雑化するICT(Information and Communication Technology)システムの運用管理コストはむしろ増加しています。
例えば、運用管理作業は、システムごとに手順や管理ツールが異なっていることが多く、対象システムを意識して操作する必要があります。また、実際にICTシステムを管理している現場では、ICTシステムに対する操作に多くの目視確認や人の判断を実施しており、簡単には運用コストは削減できません。作業ミスなどによるビジネスチャンスの喪失など、単純にコストでは計ることができない問題も考えられます。
このような現状の運用管理作業の問題を解決するためには、以下のような対応が必要です。
プラットフォームの違いやシステム構成の違いなどにより、システムごとに異なっている作業/操作を統一する
システム管理ツールの操作方法やOSコマンドのパラメーター仕様など、詳しい知識を持っていなくても適切に作業できるようにする
システム管理ツールの操作など、“ICTに対する操作”だけでなく作業結果の確認や作業実施の判断などの“人が行う必要のある作業”もあわせてシステム化する
Systemwalker Runbook Automationでは、これらの対応を実現するための機能を提供します。
Systemwalker Runbook Automationは、管理ツールの操作やコマンド実行といったICT機器に対する作業だけでなく、確認や判断といった人の作業も組み合わせた運用手順が定義できる自動運用プロセスを開発する環境と、その自動運用プロセスを実行し、実際に運用する環境を提供します。これにより、連携する外部システムやネットワーク、ストレージを含め、人の作業とICT機器の作業を統合した運用管理作業全体の自動化を実現します。
また、自動運用プロセスでは、システムごとに異なるプラットフォームの違いなども吸収した、作業の目的に応じた論理的な運用操作部品を使用することで、異なるOSでも同じ操作で運用でき、作業者の操作スキルに依存しない高いレベルでの運用作業を実現できます。
Systemwalker Runbook Automationは、これまで運用手順書に従って人が行っていた運用作業の多くを自動化し、大規模かつ、多様なシステムの運用作業を支援します。
Systemwalker Runbook Automationの導入により、以下のような効果が期待できます。
データセンターのような集約された大量のICT機器で構成されるシステムに対して、日々行われる定型的な運用作業を自動化することにより、運用管理作業に関わる人と時間を大幅に削減できます。これまで実施していた人手によるICTシステムに対する操作だけでなく、操作結果の確認までを自動化することができます。
例えば、以下のように、これまで10台のサーバにOSの修正を適用していた作業の場合、多くの作業を自動化することにより作業時間が大幅に削減され、さらに適用結果の確認/エビデンスの取得まで行えるようになります。
人や時間といった運用管理コストの削減により、サービス提供のスピードアップも図れます。
自動運用プロセスは、Webブラウザから数回の操作で実行できます。また、操作対象のシステムを意識しないで操作できるため詳しい知識も不要となります。作成した自動運用プロセスも、開発環境のGUI操作で変更/修正が可能なため、類似操作も簡単に自動化でき、高いスキルを必要としません。
人手による作業を、より簡単に自動化することにより、人的なミスを排除し、作業品質を向上させることができます。
また、作業手順をすべてブラックボックス化して完全自動化するのではなく、要所要所で人が確認や判断を行いながら作業を自動処理できるため、ほとんどの運用作業をシステム的に管理することができ、運用作業の高品質化を図ることができます。
OSコマンドや各種ツールを利用したトラブル調査や一次対処などの作業ノウハウを、ワークフローとして開発・蓄積・再利用することにより、高信頼な作業手順を実現します。
自動的にアクセスログや運用管理作業の作業ログを保存でき、これらのログを運用管理作業の証跡として活用できます。
また、運用作業の実績や結果を簡単に集計できるため、失敗の多い作業や時間のかかる作業を見直して運用改善に役立てることもできます。