ここでは、EMC社製ストレージ装置Symmetrixを使用する場合の除外リスト (自動リソース登録の対象外とするディスクデバイスのリスト) の設定について説明します。除外リストの概要については、“3.4.1 除外リストの設定”を参照してください。
EMC Symmetrixの以下のデバイスは、自動リソース登録の対象にすることはできません。
BCV (Business Continuance Volume) デバイス
R2 (SRDFのターゲット) デバイス
GateKeeperデバイス
CKD (Count Key Data) デバイス
EMC社のSAN管理ソフトウェア (Volume Logix、ESN Manager、SAN Managerなど) が使用するVCMDB (Volume Configuration Management Data Base)
BCVおよびGateKeeperの設定と、EMC PowerPathのセットアップが完了した後、自動リソース登録を実施する前に、これらのデバイスを除外リストに記述してください。
emcpowerデバイス、および、emcpowerデバイスを構成する nativeデバイスを、自動リソース登録の対象とすることができます。
通常はnativeデバイスを自動リソース登録の対象としてください。nativeデバイスを使用すると、ストレージ装置を上位の機種に変更する際に、自動リソース登録の再実行が不要になるという利点があります。ただし、すでにemcpowerデバイスを自動リソース登録の対象としているシステムでは、引き続きemcpower デバイスを使用してください。
nativeデバイスを自動リソース登録の対象とする場合は、すべてのemcpowerデバイス (emcpowerN) と、登録対象外のnativeデバイス (cCtTdD) を、除外リストに記載してください。
emcpowerデバイスを自動リソース登録の対象とする場合は、emcpowerデバイス (emcpowerN) 、nativeデバイス (cCtTdD) ともに、除外リストに記載しないでください。
Cはコントローラ番号、TはターゲットID、Dはディスク番号、N はemcpowerデバイス番号です。
BCV、R2、GateKeeper、CKDの各デバイスは、SYMCLIで提供されるsyminqコマンドで確認することができます。syminqコマンドを実行し、BCV、R2、GK、CKDと表示されるすべてのデバイス(cCtTdD、emcpowerN)を除外リストに記載してください。Cはコントローラ番号、TはターゲットID、Dはディスク番号、N はemcpowerデバイス番号です。
VCMDBは、syminqコマンドでは確認できません。EMC社のSAN管理ソフトウェア(Volume Logix、ESN Manager、SAN Managerなど)を使用している場合は、EMC社のエンジニア、またはそのSAN管理ソフトウェアの設定を行ったシステム管理者にVCMDBのデバイス名を確認して、除外リストに記載してください。
/etc/opt/FJSVcluster/sys/clmakediskinfo.sampleおよびclmkdiskinfo.sampleは、除外リストの簡易設定用のサンプルスクリプトです。
nativeデバイスを自動リソース登録の対象とする場合は、clmakediskinfoを使用してください。以下のコマンドを実行すると、emcpowerデバイス、自動リソース登録の対象外のnativeデバイス、およびBCV、 R2、GateKeeper、CKDの各デバイスが記載された除外リストが生成されます。
# cp /etc/opt/FJSVcluster/sys/clmakediskinfo.sample /mydir/clmakediskinfo # chmod u+x /mydir/clmakediskinfo
# /mydir/clmakediskinfo -M > /etc/opt/FJSVcluster/etc/diskinfo <RETURN>
このスクリプトを使用する場合は、viコマンドなどを使用して、スクリプトの以下の2つのパラメタ (syminqコマンドおよびpowermtコマンドのパス) を実行環境に合わせて修正してください。
SYMINQ=/usr/symcli/bin/syminq
POWERMT=/etc/powermt
emcpowerデバイスを自動リソース登録の対象とする場合は、clmkdiskinfoを使用してください。以下のコマンドを実行すると、BCVデバイスと GateKeeperデバイスが記載された除外リストが生成されます。
# cp /etc/opt/FJSVcluster/sys/clmkdiskinfo.sample
/mydir/clmkdiskinfo
# syminq | nawk -f /mydir/clmkdiskinfo > /etc/opt/FJSVcluster/etc/diskinfo <RETURN>
これらのスクリプトにより記載されたデバイス以外に、除外リストに記載すべきデバイスがある場合は、viコマンドなどを使ってそれらのデバイスを除外リストに追記してください。
syminqコマンドのパスがわからない場合、SYMCLIのインストール時の設定を確認してください。通常は、/usr/symcli/bin/syminqです。
powermtコマンドのパスがわからない場合、PowerPathのインストール時の設定を確認してください。通常は、/etc/powermtです。
注意
EMC Symmetrixを使用する場合、EMC PowerPathが必須です。
GDS Snapshotのプロキシ構成で使用するBCVおよびR2デバイスは、自動リソース登録の対象としてください。
BCV、R2デバイスを構成するnativeデバイスを自動リソース登録の対象とする場合は、emcpowerデバイス (emcpowerN) と、登録対象外のnativeデバイス (cCtTdD) を、除外リストに記載してください。
BCV、R2デバイス自身を自動リソース登録の対象とする場合は、BCV、R2デバイス (emcpowerN) 、native デバイス (cCtTdD) ともに、除外リストに記載しないでください。
GDS Snapshotの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services説明書”を参照してください。
BCVデバイスを自動リソース登録の対象とする場合、自動リソース登録を行う前に、その BCVペアをキャンセルまたはスプリットしてください。
SRDFペアのR2デバイスを自動リソース登録の対象とする場合、自動リソース登録を行う前に、そのSRDFペアをスプリット状態にしてください。