本章では、本製品を導入する際の留意点について説明します。
システム構成例
ここでは、本製品のシステム構成について例を使用して説明します。
図4.1 システム構成例
管理サーバ
複数の管理対象サーバを管理するサーバです。
管理サーバは、Windows環境とLinux環境で動作します。
管理サーバには、マネージャーをインストールしてください。VIOMによるI/O仮想化を行う場合、ServerView Virtual-IO Managerもインストールしてください。ストレージアフィニティ切替え方式による切替えを行う場合、ETERNUS SF Storage Cruiserマネージャーもインストールしてください。
クラスタソフトウェアを利用することで冗長構成を実現できます。
また、管理クライアントと兼用できます。
管理サーバにエージェントをインストールし、管理サーバ自身を監視、操作する運用形態はできません。
管理サーバをVMゲスト上に構築し、そのVMゲストが動作しているVMホストを管理することができます。
管理サーバが動作しているVMゲストにはサーバロール(Manager)を設定してください。
詳細は、「操作ガイド VE」の「9.10 サーバロールの変更」を参照してください。
注意
【VMware】
VMware ESXiを利用する場合、ServerView Operations Managerに対象のVMware ESXiを登録してください。
【Hyper-V】
管理対象サーバでHyper-Vを利用する場合、管理サーバのOSはWindowsだけサポートします。
【Xen】
管理対象サーバでRHEL5-Xenを利用する場合、管理サーバのOSはLinuxだけサポートします。
管理対象サーバ
業務を運用するサーバです。管理サーバによって管理されます。
管理対象サーバは、以下の環境で動作している運用サーバです。
Windows環境
Linux環境
Solaris環境
サーバ仮想化ソフトウェア環境
サーバ仮想化ソフトウェアの種別は、「9.1 サーバ仮想化ソフトウェアの決定」を参照してください。
運用サーバの予備として利用する予備サーバ
運用サーバには、エージェントをインストールしてください。
なお、サーバ仮想化ソフトウェアの環境では、VMホストだけにエージェントをインストールしてください。
注意
VMware ESXiの場合、VMとゲストOSの管理は管理サーバから直接行うため、管理対象サーバに本製品のエージェントをインストールする必要はありません。
ServerView ESXi CIM Providerをインストールしてください。
【Windows】
ドメインタイプによって、バックアップ・リストア、クローニング、およびバックアップ・リストア方式のサーバ切替えが利用できない場合や、管理対象サーバ上で追加の操作が必要になる場合があります。
ドメインタイプ | バックアップ・リストア | クローニング | バックアップ・リストア方式のサーバ切替え |
---|---|---|---|
ドメインコントローラー | × | × | × |
メンバーサーバ (注1) | △ (注2) | △ (注2、注3) | △ (注2、注4) |
ワークグループ | ○ | ○ | ○ |
○: 利用できます。
△: 追加の操作が必要です。
×: 利用できません。
注1) Windows NTドメインまたはActive Directoryのメンバーサーバです。
注2) 操作のあとにWindows NTドメインまたはActive Directoryに参加し直してください。
注3) クローニングイメージを採取する前に、Windows NTドメインまたはActiveDirectoryに参加していない状態にしてください。
注4) 自動リカバリを利用して切り替えた場合も、業務を開始する前にWindows NTドメインまたはActive Directoryに参加し直してください。
ドメインタイプがドメインコントローラーの場合、ドメインコントローラーに昇格した状態ではエージェントをインストールできません。
ドメインタイプがメンバーサーバ、ワークグループの場合、Administrators(権限)グループに所属するローカルアカウントでログインしている状態の場合、エージェントをインストールできます。
管理クライアント
管理サーバに接続し、システム全体の構成や状態をGUIから確認、操作するクライアント端末です。
管理クライアントは、Windows環境で動作します。
管理クライアントには、Webブラウザをインストールしてください。
管理クライアントにサーバ仮想化ソフトウェアのクライアントがインストールされている場合、本製品のクライアント画面から起動できます。
VM管理製品のサーバ
複数のサーバ仮想化ソフトウェアを統合管理するVM管理製品を動作させるサーバです。
本製品に登録できるVM管理製品は、「操作ガイド VE」の「7.2 VM管理製品の登録」を参照してください。
管理サーバと共通にできます。
HBA address rename設定サービス用サーバ
HBA address rename設定サービスを動作させるサーバです。
HBA address renameによるサーバのI/O仮想化を利用する場合に必要です(VIOMによるサーバのI/O仮想化だけを利用する場合は必要ありません)。
管理サーバと管理対象サーバが通信できない場合、管理サーバに代わって管理対象サーバの起動時に必要なWWNの設定を行います。
HBA address rename設定サービス用サーバは、Windows環境とLinux環境で動作します。
本サーバには、HBA address rename設定サービスをインストールしてください。
なお、HBA address rename設定サービス用サーバは、管理サーバまたは管理対象サーバと兼用できません。
本サーバは、管理サーバの故障や通信異常に備えて、常に電源ON状態にしてください。
詳細は、「8.1.2 HBA・ストレージ装置の設定値」と「C.2 HBA address rename設定時のWWNの割当て順序」を参照してください。
管理LAN
管理対象サーバを管理サーバから管理するためのLANです。
管理対象サーバで業務を行うための業務LANとは別に設置します。
管理LANに対してネットワーク冗長化ソフトウェアを利用することで、監視や電源操作などの機能を冗長化できます。
管理LANを冗長化し、一部のLANに異常が発生した状態でもシステムイメージのバックアップ・リストアを利用したい場合、ネットワーク冗長化ソフトウェアとしてPRIMECLUSTER GLSの伝送路二重化機能を利用してください。
本製品を導入する際の留意点
管理対象サーバの台数は、本製品のライセンスの種類によって制限される場合があります。
制限される台数については、ライセンスに関する情報を参照してください。
制限を超える管理対象サーバを登録した場合、エラーになります。この台数には、サーバ切替えの予備サーバを含みます。また、VMゲストは台数に含みません。
管理対象サーバにはクラスタソフトウェアを導入できます。
なお、以下の運用はサポートしていません。
管理対象サーバの切替え
バックアップ・リストア
Windows Server 2008以降のBitLockerドライブ暗号化(Windows BitLocker Drive Encryption)を使用した運用をサポートしていません。
管理サーバまたは管理対象サーバがWindows Server 2008以降の場合、BitLockerドライブ暗号化を使用してシステムディスクを暗号化しないでください。