ここでは、マネージャーのアップグレードについて説明します。
マネージャーをクラスタで運用している場合、アップグレードインストールによる移行はできません。「マネージャーの再インストールおよび一括設定機能による移行」を行ってください。
ポイント
旧版との互換性を維持した動作に変更する場合、「リリース情報」の「2.3.1 旧バージョンとの互換性の維持」を参照し、各設定を行ってください。
【Windowsマネージャー】
旧バージョンのServerView Resource Orchestratorで構築していた環境を、本バージョンのFUJITSU Software ServerView Resource Orchestrator Cloud Editionの環境へアップグレードした場合、本製品のマニュアルの"インストールフォルダー\SVROR\Manager"を"インストールフォルダー\Manager"に読み替えてください。
移行資産
マネージャー上で移行の対象になる資産は以下のとおりです。
本製品の設定情報(旧バージョン環境で構築された本製品の設定情報)
証明書
システムイメージとクローニングイメージ(イメージファイル格納フォルダー配下のファイル)
また、アップグレードインストールによる移行では、以下の資産も移行対象になります。
ポート番号の設定
消費電力データ
イベント連携のバッチファイル/スクリプトファイル
アップグレードインストールにより、システムイメージとクローニングイメージ以外の移行資産が下記のフォルダーに作成され、退避されます。
システムイメージとクローニングイメージについては、旧バージョンのインストールフォルダーをそのまま使用します。
アップグレードが完了するまで、以下のフォルダーは決して削除しないでください。
アップグレード完了後、以下のフォルダーは残ることがあります。その場合、本製品が正常に動作することの確認が完了したら手動で削除してください。
【Windowsマネージャー】
ドライブ名\Program Files (x86)\RCVE-upgradedata
インストールフォルダー\CE-upgrade
インストールフォルダー\CE-upgradedata
【Linuxマネージャー】
/var/opt/RCVE-upgradedata
/var/opt/backupscwdir
事前準備
アップグレードする前に、以下の準備と確認を行ってください。
本バージョンのマネージャーが動作可能な環境であるか確認してください。
動作環境については、「解説書」の「6.1 ソフトウェア環境」および「6.2 ハードウェア環境」を参照してください。
特にメモリ容量は注意してください。
何らかの原因でアップグレードが異常終了した場合の復旧に備え、システムのバックアップを行ってください。
管理対象サーバの管理LANのNICをGLSによって冗長化している場合、プライマリーインターフェースで管理LANを活性化してください。
アップグレード完了後の確認のため、VMゲストが存在するVMホストを登録している場合、事前にRORコンソールからすべてのVMゲストが表示されているか確認、記録してください。
サーバ切替えの設定を行っている場合、予備サーバに切り替わった状態ではアップグレードできません。アップグレード作業を開始する前に復旧させてください。復旧方法については、旧バージョンの「運用ガイド VE」のサーバ切替えの記事を参照してください。
ETERNUS SF Storage Cruiser ManagerまたはETERNUS SF AdvancedCopy Managerをインストールしている場合、それぞれのサービスまたはデーモンを停止してください(ライセンスを登録していない場合でもサービスは起動しています)。停止方法については、各製品のマニュアルを参照してください。
BMC BladeLogic Server Automationのサービスを使用している場合は停止してください。
【Windowsマネージャー】
管理ツールのサービス画面で"BladLogic Application Server"サービスを停止してください。
【Linuxマネージャー】
以下のコマンドを実行して、BladeLogic Server Automationのサービスを停止してください。
# /etc/init.d/blappserv stop <RETURN>
Systemwalker Software Configuration Manager(管理サーバ)が導入されていないか確認してください。
導入されている場合は、当社技術員に連絡してください。
マネージャーの再起動の設定を変更している場合は、「運用ガイド CE」の「付録A 運用時の留意点」の「マネージャーの再起動」を参照し、設定内容を確認、記録してください。
アップグレードインストールによるアップグレード
本バージョンへのアップグレードは、本製品のインストーラによるアップグレードインストールを利用できます。
以下の手順で、アップグレードを行ってください。
注意
アップグレード作業が完了するまで、マネージャー、エージェント、その他機器のハードウェア設定、および構成を変更しないでください。
アップグレードインストール時は、インストールが完了するまで、インストールの画面を終了しないでください。
アップグレードインストール時は、旧バージョンのインストールフォルダー、および配下のフォルダーやファイルを、コマンド プロンプト、エクスプローラまたはエディタなどで参照しないでください。
参照している場合、アップグレードインストールが失敗します。
アップグレードインストールに失敗した場合、参照を中止して再度アップグレードインストールを実行してください。
アップグレード前の状態に復旧する場合、事前準備でバックアップしたシステムをリストアしてください。
アップグレードインストールにより、旧バージョンに適用されていた修正は削除されます。
【Linuxマネージャー】
UpdateAdvisor(ミドルウェア)のコマンドを任意の場所で実行するためにPATH変数を設定していない場合、旧バージョンに適用されていた修正は削除されますが、製品情報とコンポーネント情報が削除されません。UpdateAdvisor(ミドルウェア)のマニュアルを参照し、修正適用管理簿から製品情報とコンポーネント情報を削除してください。
マネージャーをクラスタで運用している場合、アップグレードインストールによる移行はできません。再インストールおよび一括設定機能による移行を行ってください。
アップグレード前のインストールフォルダーが46文字以上の場合、アップグレードインストールによる移行はできません。再インストールおよび一括設定機能による移行を行ってください。
マネージャーの再起動の設定を変更していた場合は、事前準備で記録した情報に従って、アップグレードインストール完了後に再度設定してください。詳細は、「運用ガイド CE」の「付録A 運用時の留意点」の「マネージャーの再起動」を参照してください。
アップグレードインストールする場合には、80のポート番号がservicesファイルに記載されていないか確認してください。記載されている場合は、アップグレードインストール前に以下の対処を実行してください。
servicesファイルの80ポートを使用しているサービスを無効にする。
アップグレードインストール
【Windowsマネージャー】
「2.1.1.6 インストール」のインストールの手順1.から手順6.を参照して、本製品のインストーラを実行します。
本製品のセットアップ画面が表示されます。
使用許諾契約などの内容を確認し、[次へ(N)]ボタンをクリックまたは"y"を入力してください。
旧バージョンから引き継ぐ設定内容が表示されるので確認し、[確認]をクリックまたは"y"を入力してください。
アップグレードインストールが開始されます。
【Linuxマネージャー】
「2.1.2.6 インストール」のインストールの手順1.から手順12.を参照して、本製品のインストーラを実行します。
使用許諾契約などの内容を確認し、"y"を入力してください。
旧バージョンから引き継ぐ設定内容が表示されるので確認し、"y"を入力してください。
アップグレードインストールが開始されます。
ダッシュボード(稼動状況)機能の設定方法の移行【Windowsマネージャー】
本手順は、旧バージョンのROR CEで構築していた環境からアップグレードインストールする場合だけ実施してください。
アップグレードインストールが終了し、再起動する前に、以下の手順を実施してください。
以下の2つのファイルをファイル名の"Vnnn"の部分を削除したファイル名に変更して、コピー先フォルダにコピーします。
コピー先フォルダーには同名のファイルがあるので、上書きコピーとなります。
コピー元ファイル:
インストールフォルダー\CE-upgradedata\SQCM\data\sqc_backup\remoteAccountVnnnn.txt
インストールフォルダー\CE-upgradedata\SQCM\data\sqc_backup\remoteAgentVnnnn.txt
注) Vnnnnは、V+3~4桁の数値です。アップグレードインストールした環境でご確認ください。
コピー先フォルダー:
インストールフォルダー\SQC\sqc_data\control
以下のコマンドを実行して、設定を有効にします。
インストールフォルダー\SQC\sqcm\bin\sqcSetPolicy.exe
証明書の登録【Windowsマネージャー】
本手順は、旧バージョンのROR CEで構築していた環境からアップグレードインストールする場合だけ実施してください。
アップグレードインストールが終了した後に実施して下さい。
RORマネージャーを停止します。
以下のコマンドを実行し、マネージャーを停止してください。
インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxmgrctl stop
フォルダーの名前を変更します。
以下のフォルダーのフォルダー名を変更し、退避して下さい。
変更前:インストールフォルダー\IAPS\smee
変更後:インストールフォルダー\IAPS\smee_bak
アップグレード前の証明書を登録します。
以下のコマンドを実行し、アップグレード前の証明書をRORに登録して下さい。
インストールフォルダー\RCXCTMG\Operation\bin\createTestCert.bat 管理サーバのFQDN
成功すると、以下のフォルダーが再作成されるので、手順b.で退避したフォルダーを削除します。
インストールフォルダー\IAPS\smee
アップグレードインストール終了後の再起動
アップグレードインストールが終了したあと、アップグレードを完了させるためにシステムを再起動します。
オーバーコミット機能の設定方法の移行
ROR V3.1.0以降では、オーバーコミット機能の設定方法が、旧バージョンから異なるため、設定方法を移行する必要があります。
ROR V2.3.0またはROR V3.0.0の管理サーバからアップグレードインストールを行った場合、以下のコマンドを実行し、設定情報を移行してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxmigrate_oc
【Linuxマネージャー】
/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxmigrate_oc
rcxmigrate_ocコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.2 rcxmigrate_oc」を参照してください。
注意
本手順を行わない場合、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第20章 リソースプールの操作」では、オーバーコミットを利用するVMプールの設定ができません。旧バージョンと同様に、オーバーコミット定義ファイルを編集して設定してください。
詳細は「リリース情報」の「2.3.1.1 オーバーコミット定義ファイル」を参照してください。
ライセンスの登録
以下の製品からCloud Editionへアップグレードインストールを行った場合、ライセンス登録が必要です。
RCVE
ROR Express
ROR VE
RORコンソールにアクセスし、Cloud Editionのライセンスを登録してください。
ライセンスの登録については、「第4章 ライセンスの設定と確認」のライセンスの設定を参照してください。
L-Serverテンプレートの移行
ROR V2.3.0の管理サーバからアップグレードインストールを行った場合、以下のコマンドを実行し、物理L-Serverのテンプレートを移行してください。
移行が必要な物理L-Serverテンプレートを確認します。
TYPEがPhysicalになっているテンプレートのうち、NICSが'-'と表示されるものが移行対象になります。なお、rcxadm templateコマンドの詳細は、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「8.1 rcxadm template」を参照してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm template list
【Linuxマネージャー】
/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm template list
NAME TYPE SPEC/MODEL DISKS NICS ---- ---- ---------- ----- ---- sample_large Virtual 2.0GHz,2,4.0GB 40.0GB,40.0GB 2 sample_medium Virtual 2.0GHz,1,2.0GB 40.0GB 1 sample_physical Physical "PRIMERGY BX922 S2" 40.0GB - sample_small Virtual 1.0GHz,1,1.0GB 20.0GB 1 |
移行対象の物理L-Serverのテンプレートをエクスポートします。
以降は、テンプレート名がsample_physicalの場合の例です。
なお、samplefile.xmlは任意の出力ファイル名を指定してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm template export -name sample_physical -file samplefile.xml
【Linuxマネージャー】
/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm template export -name sample_physical -file samplefile.xml
手順b.で出力したファイルを編集します。NumOfNICタグを1以上の値(以下の例は2)に設定します。また、NICsタグが存在しない場合、NICsタグも記載します。
なお、NICタグとNICIndexタグが表示されている場合、対処は必要ありません。
<LServerTemplate name='sample_physical' label='sample of physical template' id='xxxxxx'> <ServerType>Physical</ServerType> <Model>PRIMERGY BX922 S2</Model> <Disks> <Disk type='FC'> <DiskIndex>0</DiskIndex> <DiskSize>40.0</DiskSize> </Disk> </Disks> <NICs> <NumOfNIC>2</NumOfNIC> </NICs> <Policy> <Redundancy>None</Redundancy> </Policy> </LServerTemplate> |
注意
Windowsのメモ帳を使用してUTF-8のテキストを編集し保存すると、ファイルの先頭3バイトにByte Order Mark(BOM)が格納されるため、ファイルの1行目に記載した情報が正しく解析されません。メモ帳を使用する場合、2行目から情報を記述してください。
編集したファイルを上書きインポートします。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm import -file samplefile.xml -force
【Linuxマネージャー】
/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm import -file samplefile.xml -force
移行した物理L-Serverテンプレートに対してNICSが1以上の値で表示されることを確認します。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm template list
【Linuxマネージャー】
/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm template list
NAME TYPE SPEC/MODEL DISKS NICS ---- ---- ---------- ----- ---- sample_large Virtual 2.0GHz,2,4.0GB 40.0GB,40.0GB 2 sample_medium Virtual 2.0GHz,1,2.0GB 40.0GB 1 sample_physical Physical "PRIMERGY BX922 S2" 40.0GB 2 sample_small Virtual 1.0GHz,1,1.0GB 20.0GB 1 |
利用料金計算機能の設定
ここでは、利用料金計算機能の設定について説明します。
アップグレードインストールした場合、アップグレード前の設定が維持されます。アップグレード後の利用料金計算機能を使いたい場合は、アップグレード前のバージョンに応じて以下の設定をしてください。
定義ファイルの設定を有効にするためには、マネージャーを再起動します。マネージャーの起動については、「運用ガイド CE」の「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\RCXCTMG\Charging\conf
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVctchg/conf/
accounting.properties
定義ファイルでは、1行ごとに以下の形式で記述します。
accounting.calculate.sys.disk=yes accounting.calculate.snapshot=yes gui.identifier.server=name gui.identifier.disk=name
アップグレード前のバージョン | 項目名 | 説明 |
---|---|---|
V3.1.0またはV3.1.0A | accounting.calculate.sys.disk | V3.1.1以降では、L-Serverイメージとは別に、システムディスクの単価の設定および利用料金の集計ができます。L-Serverイメージとは別に、システムディスクを課金する場合は、以下の行を追加してください。 なお、L-Serverイメージの商品にシステムディスクの単価を含めて運用している環境で、設定に追加する場合、システムディスクが2重に課金されないように、商品単価の適用期間およびテナントの締め日に注意して商品単価の設定を変更してください。 |
V3.1.0またはV3.1.0A | gui.identifier.server | V3.1.1以降では、[利用料金詳細]画面に仮想サーバまたは物理サーバの識別情報として、内部IDではなくL-Platform管理で指定したサーバ名を表示できます。サーバ名を表示する場合は、以下の行を追加してください。 |
V3.1.0またはV3.1.0A | gui.identifier.disk | V3.1.1以降では、[利用料金詳細]画面にデータディスク容量の識別情報として、内部IDではなくL-Platform管理で指定したディスク名を表示できます。ディスク名を表示する場合は、以下の行を追加してください。 |
V3.1.1 | accounting.calculate.snapshot | V3.1.2では、仮想L-Serverのスナップショットの単価の設定および利用料金の集計ができます。 なお、L-Serverイメージの商品にスナップショットの単価を含めて運用している環境で設定を追加する場合、スナップショットが2重に課金されないように、商品単価の適用期間およびテナントの締日に注意して商品単価の設定を変更してください。商品単価の設定の変更については、「運用ガイド CE」の「15.3.2 課金情報の変更」を参照してください。 |
バックアップ
管理サーバのバックアップ・リストア機能を使う場合は、アップグレードインストール完了時の資源を保存するため、オフラインバックアップを採取してください。また、オンラインバックアップ機能を使う場合は、ベースバックアップを採取してください。
管理サーバのバックアップ・リストアについては、「運用ガイド CE」の「10.1 管理サーバのバックアップ・リストア」を参照してください。
注意
エージェントのアップグレードを行わずに、システムイメージのバックアップ、およびクローニングイメージの採取を使用する場合、マネージャーのアップグレード完了後に管理対象サーバを再起動するか、関連サービスを再起動してください。
関連サービスの再起動については、「運用ガイド CE」の「2.2 エージェントの起動と停止」を参照してください。
Systemwalker Service Quality Coordinator Managerと連携している場合、マネージャーのアップグレード後、Systemwalker Service Quality Coordinator Managerおよび運用管理クライアントのインストールが必要です。
インストール手順については、「C.7 Systemwalker Service Quality Coordinatorのインストール【Windowsマネージャー】」を参照してください。
アップグレード完了後、本製品が正常に動作することの確認が完了したら、移行資産を退避するために作成されたフォルダーを手動で削除してください。
移行資産を退避するために作成されたフォルダーについては、「移行資産」を参照してください。
マネージャーの再インストールおよび一括設定機能による移行
以下の場合は一括設定の構成定義ファイルの読込み(インポート)、および構成定義ファイルの書出し(エクスポート)を利用して行います。
RCVEマネージャーから、本バージョンへのROR CEへの移行
クラスタで運用しているRCVEマネージャーから本バージョンへのROR CEマネージャーへの移行
クラスタで運用しているROR VEマネージャーから本バージョンへのROR CEマネージャーへの移行
移行前のインストールフォルダーが46文字以上の場合
以下の手順で、マネージャーの再インストールおよび一括設定機能による移行を行ってください。
参照
一括設定については、以下のマニュアルを参照してください。
【RCVE】
「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「第7章 一括設定」
「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「付録D 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」
【ROR VE V3.0.0】
「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 操作ガイド」の「第6章 一括設定」
「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 操作ガイド」の「付録A 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」
また、マネージャーを一括設定機能により移行する場合は、以下の事前準備と確認を行ってください。
一括設定機能による移行完了後の確認のため、VMゲストが存在するVMホストを登録している場合は、RORコンソールからすべてのVMゲストが表示されているか確認、記録してください。
サーバ切替えの設定を行っている場合、予備サーバに切り替わった状態では一括設定機能による移行はできません。一括設定機能による移行作業を開始する前に復旧させてください。
復旧方法については以下のマニュアルを参照してください。
【RCVE】
「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「第10章 サーバ切替え」
【ROR VE V3.0.0】
「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 運用ガイド」の「第10章 サーバ切替え」
以下の情報は、移行されません。一括設定機能による移行時に再設定が必要です。
RCコンソール、または、RORコンソールから設定情報を記録してください。
ユーザーアカウント情報
各管理対象サーバのエージェントの登録状態、および保守モードの設定状態
予備サーバ設定
Oracle VM for SPARCゲストドメインのエージェント登録情報
消費電力データ
電力監視を行っている場合、採取した消費電力データは移行されません。
必要な場合は消費電力データをCSV形式で出力し保存してください。
出力方法については、以下のマニュアルを参照してください。
【RCVE】
「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「13.2 消費電力データの出力」
【ROR VE V3.0.0】
「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 運用ガイド」の「13.2 消費電力データの出力」
注意
一括設定機能による移行作業が完了するまで、マネージャー、エージェント、その他機器のハードウェア設定、および構成を変更しないでください。
保守モードの設定
RCVEマネージャーのRCコンソール、またはROR VEのRORコンソールから、すべての管理対象サーバを保守モードに設定してください。
構成定義ファイルの書出し(エクスポート)
一括設定を利用し、構成定義ファイルをCSV形式で出力します。エクスポート中は、本製品のほかの操作を実行しないでください。
出力方法については、以下のマニュアルを参照してください。
【RCVE】
「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「第7章 一括設定」
【ROR VE V3.0.0】
「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 操作ガイド」の「第6章 一括設定」
移行資産の退避(コピー)
証明書の退避(コピー)を行ってください。
以下のフォルダーまたはディレクトリを退避(コピー)してください。
RCVEのWindowsマネージャー
インストールフォルダー\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
インストールフォルダー\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
インストールフォルダー\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
インストールフォルダー\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
ROR VEのWindowsマネージャー
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
RCVEおよびROR VEのLinuxマネージャー
/etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.crt
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.key
採取したシステムイメージ、クローニングイメージが格納されているフォルダーをインストールフォルダーとイメージファイル格納フォルダー配下以外の場所に退避(コピー)してください。
デフォルトのイメージファイル格納フォルダーを使用している場合は以下のフォルダーまたはディレクトリを退避(コピー)してください。
RCVEのWindowsマネージャー
インストールフォルダー\ScwPro\depot\Cloneimg
ROR VEのWindowsマネージャー
インストールフォルダー\SVROR\ScwPro\depot\Cloneimg
RCVEおよびROR VEのLinuxマネージャー
/var/opt/FJSVscw-deploysv/depot/CLONEIMG
デフォルトから変更している場合、変更先の"Cloneimg"フォルダーまたは"CLONEIMG"ディレクトリを退避(コピー)してください。
以下のファイルを退避(コピー)してください。
ポート番号の設定
【Windowsマネージャー】
システムドライブ\WINDOWS\system32\drivers\etc\services
【Linuxマネージャー】
/etc/services
イベント連携バッチファイル/スクリプトファイル
RCVEのWindowsマネージャー
インストールフォルダー\Manager\etc\trapop.bat
ROR VEのWindowsマネージャー
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\trapop.bat
Linuxマネージャー
/etc/opt/FJSVrcvmr/trapop.sh
注意
マネージャーをクラスタで運用している場合、上記のフォルダーまたはディレクトリは共有ディスク上に配置されています。配下のファイル、フォルダーまたはディレクトリが正しく退避(コピー)されているか確認してください。
なお、退避(コピー)先は共有ディスク上のフォルダーまたはディレクトリでも問題ありませんが、マネージャーのクラスタサービスのセットアップ時に作成した、"RCoordinator"配下、または"SVROR"以外の場所を指定してください。
マネージャーをクラスタで運用している場合、フォルダーまたはディレクトリの退避(コピー)はプライマリーノードで実行してください。
システムイメージ、クローニングイメージを退避(コピー)する前に、ディスク容量を確認してください。システムイメージ、クローニングイメージのディスク容量については、以下のマニュアルを参照してください。
【RCVE】
「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「1.1.2.5 動的ディスク容量」
【ROR VE V3.0.0】
「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 導入ガイド」の「1.4.2.5 動的ディスク容量」
システムイメージ、クローニングイメージが格納されているフォルダーが存在しない場合、この手順は必要ありません。
旧製品または旧バージョンのマネージャーのアンインストール
「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」または、「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 インストールガイド」参照し、マネージャーをアンインストールしてください。
マネージャーをクラスタで運用している場合は、以下のマニュアルを参照し、クラスタサービスの削除、およびマネージャーをアンインストールしてください。
【RCVE】
「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「付録B マネージャーのクラスタ運用設定・削除」
【ROR VE V3.0.0】
「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 インストールガイド」の「付録B マネージャーのクラスタ運用設定・削除」
注意
「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」または、「ServerView Resource Orchestrator Virtual Edition V3.0.0 インストールガイド」に事前準備に記載されている"サーバの削除"は行わないでください。
HBA address renameを利用している管理対象サーバを削除した場合、マネージャーのアップグレード完了後に管理対象サーバの再起動が必要です。
マネージャーをアンインストールすると、ユーザーアカウントの情報も削除されます。手順6.を参照してRORコンソールから再設定してください。
本バージョンのマネージャーのインストール
本バージョンのマネージャーをインストールします。
インストールについては、「2.1 マネージャーのインストール」を参照してください。
注意
マネージャーインストール時の[管理LANの選択]画面では、RCVEマネージャーと同一の管理LANを指定してください。
マネージャーの再起動の設定を変更していた場合は、マネージャーインストール後に、事前準備で記録した情報に従って、再度設定してください。詳細は、「運用ガイド CE」の「付録A 運用時の留意点」の「マネージャーの再起動」を参照してください。
マネージャーのインストール後、以下の手順で、手順3.で退避(コピー)した証明書とイメージファイル格納フォルダーを復元してください。
マネージャーを停止します。
マネージャーの停止方法については、「運用ガイド CE」の「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。
退避(コピー)したイメージファイル格納フォルダーをインストール時に指定したフォルダーに復元します。
デフォルトのイメージファイル格納フォルダーを使用している場合、以下のフォルダーまたはディレクトリに復元してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\ScwPro\depot\Cloneimg
【Linuxマネージャー】
/var/opt/FJSVscw-deploysv/depot/CLONEIMG
デフォルトから変更している場合、変更先のフォルダーに復元してください。
イメージファイル格納フォルダーを退避していない場合、この手順は必要ありません。
退避(コピー)した証明書を、マネージャーのインストールフォルダーに復元します。
以下のフォルダーまたはディレクトリに復元してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.crt
/etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.key
事前準備で退避した情報を復元します。
ポート番号の設定
退避した情報に従って、ポート番号を変更してください。
ポート番号の変更方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「6.2 ポート番号の変更」を参照してください。
ポート番号をデフォルトから変更していない場合、この手順は必要ありません。
イベント連携のバッチファイル/スクリプトファイル
以下のファイルを置き換えて復元してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\trapop.bat
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/trapop.sh
マネージャーを起動します。
マネージャーの起動方法と停止方法については、「運用ガイド CE」の「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。
ユーザーアカウントの設定
事前準備で記録した情報に従って、RORコンソールから、ユーザーアカウントの設定を行います。
ユーザーアカウントの設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第3章 ユーザーアカウントの設定とロールのカスタマイズ」を参照してください。
ライセンスの登録
RORコンソールにアクセスし、Cloud Editionのライセンスを登録してください。
ライセンスの登録については、「第4章 ライセンスの設定と確認」のライセンスの設定を参照してください。
ブラウザからRORコンソールにアクセスする場合は、SSL通信を使用します。
SSL通信で使用される証明書を、デフォルトで作成されるテスト証明書から他の証明書に置き換える場合、「第3章 RORコンソールのSSL通信の環境設定」を参照してください。
構成定義ファイルの編集
マネージャーで構築していた環境に応じて、手順2.でエクスポートした構成定義ファイル(CSV形式)を編集します。
すべてのリソースの操作欄を"new"に変更してください。
構成定義ファイル(CSV形式)の編集方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「付録B 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」を参照してください。
注意
予備サーバ情報が設定されている場合、以下の方法で予備サーバ情報の設定を削除してください。
"SpareServer"セクションで、"operation"をハイフン("-")にしてください。
本バージョン環境の構築
構成定義ファイルの読込み(インポート)を行い、本バージョンの環境を構築します。
以下の手順で、本バージョン環境の構築を行ってください。
構成定義ファイルの読込み(インポート)
編集が完了した構成定義ファイルの読込み(インポート)を行います。
読込み方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「10.2 構成定義ファイルの読込み(インポート)」を参照してください。
エージェントの登録
RORコンソールから、事前準備で記録した情報に従って、エージェントを登録します。エージェントの登録は、管理対象サーバのOSが起動した状態で行ってください。
エージェントの登録については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2 VMホストに対するソフトウェアのインストールとエージェントの登録」を参照してください。
エージェントの登録完了後、RORコンソールからすべてのVMホストが表示されているか確認してください。VMゲストが存在するVMホストを登録している場合、すべてのVMゲストが表示されているか確認してください。
予備サーバ情報の設定
RORコンソールから、事前準備で記録した情報に従って、予備サーバ情報を登録します。
予備サーバ情報の登録については、「操作ガイド VE」の「18.2 サーバ切替えの設定」を参照してください。
ラベル、コメントおよび連絡先情報の登録
ラベル、コメント、および連絡先情報を登録していた場合、手順7.で"new"に変更した構成定義ファイル(CSV形式)の操作欄をハイフン("-")に戻し、[Memo]セクションに含まれるリソースの操作欄を"new"に変更してください。
構成定義ファイル(CSV形式)の編集方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「付録B 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」を参照してください。
編集が完了したら、構成定義ファイルの読込み(インポート)を行います。
読込み方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「10.2 構成定義ファイルの読込み(インポート)」を参照してください。
保守モードの設定
事前準備で記録した情報に従って、一括設定機能による移行を行う前に保守モードに設定していた管理対象サーバを、保守モードに設定してください。
保守モードの設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「付録C 保守モード」を参照してください。
注意
エージェントのアップグレードを行わずに、システムイメージのバックアップ、およびクローニングイメージの採取を使用する場合、マネージャーの再インストールおよび一括設定機能による移行完了後に管理対象サーバを再起動するか、関連サービスを再起動してください。
関連サービスの再起動については、「運用ガイド CE」の「2.2 エージェントの起動と停止」を参照してください。